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「水曜日のエミリア」 [映画]

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〔2009年/アメリカ〕


弁護士見習いのエミリア(ナタリー・ポートマン)は、
既婚の上司・ジャック(スコット・コーエン)と恋に落ち妊娠、
ジャックは離婚し、彼の妻となる。


しかし、生まれた女の子・イザベルは、
生後3日で亡くなってしまい、
エミリアはその事をずっと引きずったまま、
完全に立ち直れてはいない。


また、ジャックには8歳の息子・ウィリアム(チャーリー・ターハン)がいたが、
なかなかエミリアに懐かず、
さらにウィリアムを学校に迎えに行くと、
他の母親から「略奪女」という白い目で見られ、
針のむしろのよう。


エミリアのせいで離婚に追い込まれた
ジャックの元妻・キャロリン(リサ・クドロー)は、
ウィリアムを愛するあまり、
エミリアのウィリアムへの接し方を
ヒステリックに責める。


何もかもが上手くいかない。
落ち込んだエミリアは、
イザベルの死について隠していたある事実を
夫に打ち明ける・・・。





ナタリー・ポートマンが主演だから、
彼女に思い入れもできようってもんだけど、
これが現実なら、
状況はかなり厳しいんじゃないのかな。


映画の中の不倫は、
描き方によっては応援してしまう場合もあるけれど、
それは大抵、結婚生活が破綻しているとか、
(ジャックは、妻と上手くいっていないみたいな事を言うけれど、
それはあくまでも彼の自己申告であって、
客観的に観て、不倫に走るほど不仲だとは思えない)
不倫相手の妻(夫)に、
何か重大な問題(暴力など)があるとか、
そういったケースだものね。


エミリアとジャックは、
出張先のホテルで一線を越えてしまう。
2人とも明らかに恋に酔っている。
2人の恋愛を応援できるだけの要素が
殆ど無い。


そして一番の犠牲となるのが、
8歳のウィリアム。
彼は大変に利発な子で、
洞察力が鋭い。
この映画の、もう1人の主人公と言える。


ウィリアムが私立の学校の入学試験に落ちた時、
彼の目の前で、
キャロリンがエミリアを罵る場面は
観ていられなかった。
「あなたのせいで受験に失敗したのだ」、と。


受験の失敗は、
本当に誰のせいでもなく、
落ちた理由さえ分からない場合が殆ど。
それを8歳の子供の前で、
大人たちが言い争うなんて、言語道断。


そんなこんな、色々あるけれど、
ウィリアムが次第にエミリアに懐いてゆく過程には
ホッとする。


エミリアを罵っていたキャロリンも、
ラストには、彼女に最高のプレゼントをくれる。
(物ではなく、形としての)
みんな少しずつ誰かに支えられて、
誰かを支えて生きているのだと分かる。


評価 ★★★☆☆

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