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「若親分出獄」 [映画]

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〔1965年/日本〕


前作で刑務所に入った、
南条組の二代目親分・南条武(市川雷蔵)は、
恩赦で出所が決まる。


しかし、迎えに来るはずの恋人・京子(朝丘雪路)は
来ておらず、
一人地元に帰った武は、
町が、九州から流れて来た中新門組に
牛耳られている事を知る。


さらに京子は、
中新門組を陰で操る堀越伝三郎(内田朝雄)の
愛人になっている事も分かる。


武の出所を喜ぶ南条組の舎弟たちだったが、
ヤクザ稼業の空しさを塀の中でとことん考えた武は、
これからは堅気で生きていこうと、
皆を説得する。


そんなある日、
武の海軍時代の友人が訪ねてきた。
友人の話によると、
海軍の内部は、私腹を肥やそうとする上層部で腐り切っており、
それを操るのが堀越だという・・・。





シリーズ2作目。


前作では自分から渡世の道を選んだ武だけれど、
塀の中に入って、
すっかり目が覚めたらしい(笑)。


気付くの遅いわ(笑)。
一度ヤクザ稼業に片足突っ込んだら、
そう簡単には辞められやしない。
自分がよくても、
舎弟たちや、
敵対するヤクザの組が許しはしない。


今回は、ヤクザ対ヤクザの外に、
海軍が絡んでくるのが、
ちょっと興味深い。


雷蔵サンは、
海軍の同窓会に行くのだけれど、
1人だけ羽織姿。
軍服姿が見たいと思ってたから、
ガッカリしたけど、
そこは期待を裏切らない(笑)。
その後、ちゃんと軍服を着る場面が用意されている。


中新門組に乗り込んで行く場面もカッコいい。
雷蔵サンは、
武器に、ドスでもなく、拳銃でもなく、ダイナマイトでもない、
ある物を持っていく。
それを見た時は、
「ひゃ~」と独り言言っちゃったよ(笑)。
中新門組の親分も絶句していたのが、
気持ち良かったわ。


今回は、惚れていた女に裏切られてしまう雷蔵サン。


けれど、恨み言を言うわけでもなく、
相手に執着するわけでもなく、
振られても爽やかで、大変によろしい。


堀越と一緒にいる京子に、
偶然出くわした雷蔵サンは、
「幸せそうだね」と優しく一言。


そんな風に言われたら、
女は、「ええ・・・」と言うしかないじゃないか。
さらには、
「こんな素敵な人を手離すなんて、
 私ったら馬鹿馬鹿馬鹿!」と後悔させる効果抜群。
振られたとはいえ、
完全に雷蔵サンの勝ちね。


最近、痴情のもつれの挙句、
ストーカーに豹変した人が起こす事件が多いようだけれど、
この映画を観て、
ぜひ、カッコいい振られ方の勉強をしてほしいものだわ。


評価 ★★★☆☆

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