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「やっちゃ場の女」 [映画]

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〔1962年/日本〕


築地の青果市場の仲買店の娘・若尾文子は、
病気で倒れた母の代わりに、
実質・店長の立場で店を切り盛りしている。


OLの妹・叶順子と、高校生の弟・手塚央は
まだまだ手がかかり、
店員の藤巻潤だけが、
彼女の右腕となって働いてくれている。


そんなある日、突然母が亡くなった。
若尾は、その事を父に報せようか迷うが、
結局出掛けていった。


父・信欣三は、
愛人・水戸光子と部屋を借りて、
別の場所に住んでいるのだ。
若尾の初めての訪問に驚く水戸だったが、
心優しい彼女は、
母のために泣いて詫びる。


葬儀も済んだある日、
物干しで、2人きりで花火を見ていた、
若尾と藤巻にショックを受けた叶は、
酒を飲み、上司とホテルで一夜を共にしてしまい・・・。





「やっちゃ場」とはそもそもなんぞや?と思い、
辞書を引いたところ、
青果市場と出ていた。


若尾さんが青果市場の娘を演じるらしいというのは
分かったけど、
実際観てみると、
それらしい場面は、最初のほんの数分(笑)。


あとは家の中での人間関係が主な物語で、
恋愛あり、親子の情愛ありの、
ホームドラマ。


これなら、やっちゃ場でなくても、
肉屋でも、魚屋でも、酒屋でも、
何でも大した変りはないじゃんと思いながら観る(笑)。


その、ほんの少ししかない、
若尾さんの働く姿を見て、
彼女と青果市場って合わないなぁと思う(笑)。
髪型が妙に綺麗にセットされていて、
市場で働く女って感じがしない。
セリフだけはチャキチャキだけど。


そんなだから、
彼女がお見合いをするために和服を着た姿に、
なんだかホッとするんだな。
これぞ若尾さんだ、と。


そのお見合いの相手というのが、
この間亡くなった宇津井健さんで、
なんともチョイ役なところが可笑しい。
昔はこんな役をしていたのね。


叶順子が、酒を飲んだ挙句、
上司と一夜を共にした時、
「飲まされた」と泣くんだけど、
それはおかしいよね。


だってどう見ても、
彼女は自分の意志で酒を飲んでいるじゃないか。
小娘じゃあるまいし、
会社での彼女は、
それなりに強かそうだ。
自分で飲む酒の量を知らない女でもあるまい。


評価 ★★★☆☆

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