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「酔いどれ二刀流」 [映画]

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〔1954年/日本〕


酒と喧嘩が大好きな中山安兵衛(長谷川一夫)は、
貧乏長屋に住む浪人。


同じ長屋に住むお鶴(若尾文子)は、
そんな安兵衛を慕っていたが、
母親が作った借金を返さなければ、
深川の色町に売られる事になると言う。


可愛いお鶴のために
なんとかしてやりたいが、
生憎安兵衛も、その日暮らし。
お鶴も、自分の運命を恨むしかない。


ある日、安兵衛の叔父が決闘をする事になり、
その助太刀をした彼の腕っぷしを見込んだ
浅野内匠頭の家臣・堀部弥兵衛(菅井一郎)から、
ぜひ娘さち(三田登喜子)の婿になってほしいと請われる。


一度は断った安兵衛だが、
堀部の熱心な口説きと
さちの父を思う心に動かされ、
支度金を貰い、浅野内匠頭の下で働く事となり・・・。





先日、年配の男性と話をする機会があり、
映画の話題になったので、
「私は若尾文子さんが大好きです」と言ったところ、
なんとその方が、
「私の故郷の仙台で、若尾さんは隣の学校の女学生だった」と
仰られて、ビックリ。


やはり、とても美しい女の子だったそうで、
彼女を知らない学生はいなかったそうだ。
「ちょっと色が黒かったけどね」と、
その男性は笑っていたけど、
私としては、それが意外で。
若尾さんといえば、色白というイメージがあったから。


さらにその方は、
「そういえば最近見かけないなと思っていたら、
長谷川一夫にスカウトされて、東京に帰ったと聞きました」とも
言っておられて、
私が知っている、若尾さんの大まかな経歴は
間違ってないんだなと思った次第。


それにしても、
「最近見かけない」という言葉一つからも、
若尾さんが、どれだけ有名だったかが分かる。
どうでもいい女の子なら、
いなくなったって、誰も気付きはしないものね。


で、この映画で、
長谷川一夫と若尾さんが、
仲良さそうに共演しているのを見て、
その話を思い出して、
なんだか可笑しくて。


若尾さんは、長谷川一夫を、
男としてというより、兄のように慕う役で、
まだめっちゃ若くて、可憐な少女のよう。
怒ると舌を出したりするのも、
おきゃんで可愛い。


長谷川一夫のちょっとした立ち居振る舞いに、
大変な色気を感じる。
言葉では上手く言えないけど、
ある動きから、次の動きに移る時など、
足の運びがなんともいえないものがある。


私は未見だけれど、
「決闘高田馬場」の番外編みたいなお話のようだ。
やはり「決闘~」を観なくちゃ駄目ねと、
あらためて思う。


ラストは、
私が「こうなればいいな」と思う終わり方にピッタリはまって、
本気で嬉しくなる。
これでみんなが幸せに。
面白い映画だった。


評価 ★★★★☆

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