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「8月の家族たち」 [映画]

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〔2013年/アメリカ〕


ジュリア・ロバーツ、ジュリアンヌ・ニコルソン、ジュリエット・ルイスの
3姉妹は、
父・サム・シェパードが行方不明との連絡を受け、
実家があるオクラホマの田舎町に駆け付ける。


ロバーツは夫・ユアン・マクレガーの浮気と、
娘・アビゲイル・ブレスリンの非行化に悩み、
ルイスは、伴って来た婚約者・ダーモット・マローニーを自慢するも、
彼の様子はどこか胡散臭い。
ニコルソンは、自分の恋愛話を皆に披露するのを
ある理由から躊躇っている。


母・メリル・ストリープは、
癌を患っているが、
年を取っても毒舌は全開、
思った事は全て口に出す。
父が失踪直前に雇った、
ネイティブアメリカンの家政婦・ミスティ・アッパムにまで、
人種差別的な発言を繰り返す。


結局、父は亡くなり、
葬儀を済ませ、
その後、食卓テーブルに親戚全員が揃うが、
ストリープの相変わらずの毒舌にロバーツが切れ、
母に殴りかかってゆく・・・。





元々はピューリッツァー賞を獲った戯曲の映画化という事で、
見応えがあってとても面白かった。


私の予備知識は一つだけ、
ジュリア・ロバーツがメリル・ストリープと
取っ組み合いの大喧嘩をするシーンが見所という事だったけれど、
そんな場面はほんの一部分にしかすぎず、
それ以降、家族1人1人が抱えた秘密の大きさに、
ビックリしてしまう。


それはもう、表面化したら、
一族の在り方がひっくり返ってしまうであろう事まであって、
映画を観ているこちらも、
最初は字幕読み違えた?と混乱したくらい(笑)。


それから、胡散臭いと思っていたダーモット・マローニーが
案の定、最低の男で、
私としては、こやつが一番許せない。
そして、こやつに対するミスティ・アッパムの行動が、
めっちゃナイス!で胸がスッとする(笑)。


言いたい事を言えるのが家族、だとも思うけど、
近すぎて、他人以上に傷つけ合ってしまうのも家族。
家族だからと気を許して、
言いたい放題していると、
あとで辛い思いをする場合もある事を、
いつも心のどこかで思っていた方がいいのではないかと、私は思う。


ネットの感想を読んでみても、
好き嫌いがとても分かれているようだ。
本国アメリカでも、
評価はそれほど高くない割に、
ストリープとロバーツが、
アカデミー賞を始め、数々の賞にノミネートされるなど、
やっぱり好みが分かれる映画なのだろう。


映画に夢を求めたり、
楽しい時間にしたいと思う方には、
この内容は重いだろうと感じる。
それは人それぞれ。


私自身は、とても楽しめた。
家族を考え直す事ができたし、
ドロドロぐちゃぐちゃも人生さ、と開き直ってみたり(笑)。


それにしてもメリル・ストリープの、
洞察力の鋭さったら。
彼女は何でもお見通し。
さすがに一家の母で妻だわ(笑)。


評価 ★★★★☆