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「女は夜化粧する」 [映画]

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〔1961年/日本〕


元は劇団員で、
現在は、赤坂で「ギターを弾く芸者」として人気の山本富士子は、
大手建設会社社長・森雅之に、
その度胸のよさを買われ、
今度完成する、大きなナイトクラブの共同経営者になってほしいと
請われる。
2人の関係はあくまでもビジネスであり、
男と女では決してない事を強調され、
山本はその話を受ける。


しかし山本はクラブの開店にあたり、
自分から森を誘う。
自分の体を森に投げ出す事で、
対等の関係になるのだと言い、
今も、今後も、彼に惚れる事は無いと断言する。


その夜、森と過ごしながら、
山本はある男の事を思い出していた。
彼女が劇団を辞める日に、
たった一度、一緒に酒を飲んだ初対面の音楽家・川口浩の事が
どうしても忘れられないのだ。
彼はその翌日、勉強の為パリへ発っていた。


開店したクラブは大盛況。
世間は山本の手腕に感心する。


そんなある日、川口がパリで賞を獲り、
凱旋帰国した事が新聞に載る。
彼も、山本を忘れられずにおり、2人は再会。


しかし、山本にのめり込むあまり、
大事な仕事をすっぽかした川口は、
音楽生命の危機に瀕してしまう・・・。





お話しの流れはそれなりに面白いとは思ったけれど、
最初、あんなに強かった山本富士子さんが、
川口浩様と再会したあたりから、
ふにゃふにゃになってしまうのが、
どうにも納得できなくて。


「これだから女は」って絶対言われると思うなぁ、
これが現実だったら。
いや、「私は山本さんのようにはならない」と言っているのではなく、
むしろ逆。
私には絶対できない能力を発揮する山本さんを、
出だし、ちょーカッコいいと思っていたから、
結局普通の女だった彼女に、ガッカリする気持ちも強いのかも。


山本さんは、音楽家としての道を閉ざされた浩様に、
自分のクラブでピアノを弾かせたりする。
さらに店の中で、浩様を愛するオーラ丸わかり(笑)。
すんごい公私混同。
美人ママ目当てに来ている客が殆どなのに、
それじゃ商売にならんだろう。


そして、何かあると、
裏の自室に引き込んで店に出ない。
高級クラブともなれば、
そこのママも一流なはず。
どんな時でも、自分の気持ちを押し殺して
接客するのがプロだと思うんだけど。
あれじゃ、使っているホステスさんにも
示しがつかない気がする。


そもそも、浩様と山本さんの関係って、
両立できないもの?
世界的な音楽家と名物ママのカップルなんて、
面白いと思うけどな。
一般の妻のように、
甲斐甲斐しく夫の世話はできないかもしれないけど、
浩様がそれでいいって言うなら、
何も問題無いはずだし。


まぁ、なんでもいいや。
浩様からあんなに愛されたら、
私だったら、仕事も何も、
全部放り出しちゃう。
典型的な、「これだから女は」って女(笑)。


彼は夜の幼稚園で、
ピアノの練習をさせてもらっている。
ここなら騒音を気にせずできるって。
可愛い♪と1人でニコニコしていた私(笑)。


彼がパリで賞を獲るほどの、
凄いピアニストに見えないのはご愛嬌。
浩様の親友で、
ライバルでもあるチョイ役を、
田宮二郎が演じている。
役を入れ替わったら、ずいぶん雰囲気が変わるだろうなとも思う。


まぁ、強い野心家のイメージがある田宮だと、
そこまで女に入れ込まない気がするから、
そのキャスティングは、最初から無いとは思うけど。


評価 ★★★☆☆

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