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「ワン チャンス」 [映画]

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〔2013年/イギリス〕


子供の頃から太っていて、
いじめられっ子だったポール・ポッツ(ジェームズ・コーデン)は、
大人になって、そうパッとしない人生ではあるけれども、
でも、歌う事が大好きで、
オペラ歌手になりたいという夢を持っている。


ケータイショップで働く彼には、
ネットで知り合った、
とても気の合う女性・ジュルズ(アレクサンドラ・ローチ)がいるが、
メールだけのやり取りで、
互いに顔も知らない。


ショップの店長の、
勝手なお節介により、
ポールとジュルズは直接対面を果たし、
その後、彼女はポールの人生に、
無くてはならない女性となる。


ジュルズの励ましもあり、
ポールはイタリアへオペラ留学し
憧れのパヴァロッティの前で、
自分の歌を披露する機会を得るが、
緊張のあまり失敗、
パヴァロッティから、厳しい言葉を投げかけられてしまう。


イギリスに戻ったポールは、
その後も様々な困難にぶつかる。
挫折しかかった彼は、
テレビのオーディション番組に
最後のチャンスを賭ける事を決める・・・。





実在する歌手・ポール・ポッツの名前を知ったのは、
スーザン・ボイルが、
「ブリテンズ・ゴット・タレント」で話題になった時で、
それまでは、その存在も、
もちろん歌も聞いた事はなかった。


その後も、特に彼の歌を聞こうとか、
その人生について調べてみようなどと思った事もなく、
映画を観て初めて、
「なるほど、こういう人だったのね」と知った次第。


彼の、「オペラ歌手になりたい」という夢を叶える過程と並行して
描かれる私生活が、
なんだかとても可愛いくて。


ポールは女性と付き合った事が一度もない、
シャイな青年で、
メールのやり取りをするジュルズだけが、
たった1人の女友達。


で、2人は揃って、
自分のハンドルネームに、
ハリウッドの、誰もが知っている某人気スターの名前を付けているんだけど、
それがなんだか楽しくて、
クスクス笑ってしまう。
その気持ち、分からなくもない。
私が自分で自分に、アンジェリーナ・ジョリーと名付けちゃってるようなもので、
そうなりたいという願望そのもの(笑)。


ケータイショップの店長・ブランドン(マッケンジー・クルック)が、
めっちゃいい人で。
見た目はなんだかチンピラ風情だけれど、
ジュルズに会う勇気のないポールの為に、
ナイス!とも言える後押しをしてくれる。
彼がいなかったら、ポールの人生はきっと変わっていただろうな。


ポールもヘタレなだけじゃない。
ジュルズと一度上手くいかなくなった時、
彼女が働く薬局を訪ねて、
積極的な行動に出る。


それは取り方によっては、
ストーカーだと言われそうな行動だけれど、
描き方がコミカルで、
全然そんな感じはしない。
恋は時に、ある程度強引に出ないと成就しないという
見本みたいな内容。
一度だけ強引に、
それで駄目なら諦める、と。
二度目からは本当にストーカー呼ばわりされてしまうものね。


劇中ジェームズ・コーデンが歌う場面は、
全てポール・ポッツ本人が吹き替えているそうだ。
オペラに詳しくはないけれど、
やっぱり聞き入ってしまう。
こういう才能のある方は、
チャンスがないだけで、
世界中に沢山埋もれているんだろうなぁと思う。


評価 ★★★☆☆

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