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「ウォルト・ディズニーの約束」 [映画]

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〔2013年/アメリカ〕


ウォルト・ディズニー(トム・ハンクス)は、
自分の娘たちが子供の頃に読んで笑い転げていた小説、
「メリー・ポピンズ」の映画化を願い、
作者・パメラ・L・トラヴァース(エマ・トンプソン)を、
ロンドンからロサンゼルスのスタジオに招く。


けれど彼女は、想像以上に手強い女性であった。
スタッフが考え出したアイデアや音楽は
ことごとく気に入らず却下。
さらに、「映画に赤い色は使うな」、など無理難題。


実写とアニメの合成を考えていたウォルトだが、
「アニメなんて以ての外!」と、断固拒否され、
いよいよ途方に暮れてしまう。


なんとか彼女に心を開いてほしいと、
ディズニーランドに招待し、
ウォルト自らの案内で、園内を周るパメラ。


しかし、ウォルトたちの努力も、
ある事がきっかけでパメラを怒らせ、
彼女は荷物をまとめ、
ロンドンへ帰ってしまう。


彼女はなぜ、そんなに頑ななのか。
そこには、幼い頃の辛い思い出があった・・・。





「メリー・ポピンズ」はとても好きな映画。
魔法を使うナニーのメリー・ポピンズが、
バンクスさんのお家の2人の子どもたちと
不思議な体験をする物語。


子どもたちの表情が何より素晴らしく、
実写とアニメの合成もとても楽しかったと記憶している。


私はこの「ウォルト・ディズニーの約束」の予告を観るまで、
「メリー・ポピンズ」はディズニーのオリジナルの話だとばかり思っていたので、
このような裏話があった事に少し驚いた。


映画は、原作者のパメラ・L・トラヴァースの、
ディズニースタジオでの様子と、
彼女の子供の頃の思い出が交互に描かれる。


スタジオでのエピソードも、もちろん興味深いけれど、
回想シーンに大変に心惹かれる。


パメラの父は銀行勤めをしているけれど、
夢見がちで、
そのような堅い仕事には向いていない。
で、そのストレスを酒で解消しようとする。


そんな父だけど、パメラは彼が大好きで。
「メリー・ポピンズ」のような、
夢のある小説が書けたのも、
パメラが父の血を受け継いだからではないかと、
勝手に想像しながら観ていた。


この内容が、本当に真実だとするなら、
彼女はちょっとファザコン気味だけれど、
でも、愛のある父と娘の姿は心打たれる。
彼女は父の弱さを、子供心にもちゃんと理解している。
そのうえで、彼をとても好きなんだもの。


私は特別ディズニー信者ではないけれど、
とてもいい映画だった。
そして、
久し振りにディズニーランドに行きたくなる。
それにしても、パメラさん、
ウォルト・ディズニーの案内で、
ディズニーランドを周れるなんて、なんという贅沢(笑)。


ずっと以前に読んだ話なのだけれど、
ディズニーが幼い娘を遊園地に連れて行った時、
とても退屈で、ベンチに座って娘の様子を見ているしかなくて、
その時、
「子供だけでなく、大人も楽しめる遊園地があればいいのになぁ」と思い立ち、
ディズニーランドの発想が生まれたんだとか。
やっぱり特別な人には、
特別な発想と閃きがあるんだなぁ、と、
平伏したくなるような気持ちになった事を覚えている。
(実話であればの話だけれど(笑))


この映画は、あくまでもパメラが主役で、
ディズニーは彼女の引立て役にすぎない。
考えてみると、私はディズニーの生涯について、
考えようとも、調べようとした事もなかった。
ディズニーって、どんな人なんだろう。


ディズニー本人を描いた映画ってあるんだろうか。
もし無いなら、作ってほしい気がするし、
その時は、長所も欠点も含めて、
ちゃんと描かれたものが観てみたい。
ただ、無理かなぁとは思うけど(笑)。
やっぱり綺麗事ばかりになってしまう気がする。
ディズニー社は、版権にうるさいと聞いた事があるので、
ディズニー社以外の映画会社が、
そんなもの作れるわけないだろうし(笑)。


評価 ★★★★☆

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