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「バウンス ko GALS」 [映画]

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〔1997年/日本〕


新幹線で田舎から出てきた高校生・岡元夕紀子は、
明日、ニューヨーク行きの飛行機に乗る予定。
向こうでの生活のために
所持金30万を持っていたが、
もう少し増やそうと、ブルセラショップに行く。


一方、都内の女子高生・矢沢心は、
堕胎したその足で、
知らないおっさん・役所広司とホテルに入るが、
実は役所は、その辺りを取り仕切るヤクザで、
ケータイと学生証を奪われてしまう。


矢沢に泣きつかれた友人・佐藤仁美は、
奪われた物を取り返すべく、
役所の所に出向き、
逆に質問される。
「大人はなぜ女子高生に群がるのか」、と。


ブルセラに行った岡元は、
店長・桃井かおりの紹介で、
ビデオ撮影をするというマンションに行く。
しかし、聞いていた以上の過激なものを要求され、
何とか逃げ出すが、
30万を奪われてしまう。


一緒に逃げた女子高生・佐藤康恵は、
岡元からニューヨーク行きの事を聞き、
金を作ってやると言う・・・。





世相や風俗について考える時、
○○前、○○後、と分ける事がよくある。
よくあるのは、戦前、戦後とか、
最近では、震災前、震災後など。


で、私の中で、時々考える「前」「後」の一つに、
ケータイ前とケータイ後がある。
本当に、ケータイ電話の出現は、
良くも悪くも、
人々の生活を変えてしまったと思う。


で、この映画。
公開された1997年といえば、
ケータイの普及し始めの頃で、
セリフの中にも、
「あ、ケータイ持ってるんだ」と、
珍しそうに言う場面がある。


売春する女の子たちが男と出会うきっかけは、
メールやラインではなく、
伝言ダイヤル?みたいなものを介してだ。


それって、今観ると、とても生々しい。
とりあえず、相手の肉声が聞けて、
年齢やら雰囲気やらが想像できる伝言ダイヤルは、
ケータイやPCで出会うのとは、やっぱり違う。


ブルセラショップというのも、
当時話題になったけれど、今でもあるんだろうか。
まぁ、あるんでしょうね。
いくら取り締まったって、
そういったものは、雨後の筍のように次々出てくるわけだし。


女子高生の実態がどうのとか、
それについては、私は何も言わないし分からないし。
女子高生の全員が売春をしているわけじゃなし、
そういった子はほんの一部。
危ない目に遭っても、
それは自己責任としか言いようがない。


「客から金だけ巻き上げて逃げたって、
相手は恥ずかしくて警察には訴えない」と彼女たちは言うけれど、
警察には訴えなくても、
ヤクザに泣きつく奴はいる、と役所広司は言う。


ああ、確かに。
私も訴える先は、警察しか頭に浮かばなかったから、
その言葉にはハッとさせられた。
元々、ヤクザは、
自分たちの売春産業に浸食してくる女子高生を
苦々しく思っているわけで、
そんな訴えがあったら、即座に動くのは当然。


女子高生は個人でやってるんだから、
足はつかないと思うかもしれないけれど、
あれだけ毎夜、手広く商売(?)していれば、
自然に名前が知れ渡るってもんだ。


役所演じるヤクザは紳士だけど、
現実はそんなものではないだろう。


評価 ★★★☆☆

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