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「麻雀放浪記」 [映画]

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〔1984年/日本〕


終戦後の東京で、
学校も仕事も捨て、ブラブラしていた哲(真田広之)は、
以前に博打を教えてくれた上州虎(名古屋章)と偶然再会する。


虎と一緒に、サイコロ賭博に出掛けた哲は、
ギャンブラー・ドサ健(鹿賀丈史)と知り合い、
彼の助けで相当額を稼ぐが、
結局、ほとんどの金を健に巻き上げられる。


数日後、ドサ健と哲は、
アメリカ兵相手の秘密カジノに行き、
麻雀賭博をする。
ドサ健は自分が勝つと、さっさと帰ってしまい、
金を持っていない哲はアメリカ兵に殴られるが、
カジノのママ(加賀まりこ)に介抱され、
ついでに、初体験を済ませる。


その後、ママと組んで麻雀の修行をした哲は、
天才雀士・出目徳(高品格)と組んで、
ドサ健と対決する。


ドサ健は哲と出目徳が組んでいるとは知らず大負けし、
同棲相手のまゆみ(大竹しのぶ)が所有する家の権利書まで賭け、
ついに住む所を無くしてしまう。


再度、勝負に挑もうとするドサ健だが、
手持ちの金がなく、
まゆみを吉原の女郎屋に売り飛ばし、
金を作ろうとする・・・。





以前、ビデオをレンタルしたのだけれど、
最初の数分で、全然面白くないと思い、
止めてしまったこの映画。


なんだ、今観ると面白いじゃん(笑)。
何であの時、つまらないと思ったのかなぁ。
若かったのか(笑)。


登場人物全員、
ギャンブルも、ここまで極めれば、
カッコいいと思ってしまう。
普段は、女子供を泣かせるギャンブラーなんて、
大嫌いと思っているはずなのに。


まずは鹿賀丈史演じるドサ健。
彼は、他人を思いやる心など、
これっぽっちも無く、
頭の中は勝つ事だけ。
自分さえ良ければ、
哲が殴られようが、
まゆみに売春させようが、
そんな事は知ったこっちゃない。
でも、その潔さが気持ちいいんだな。


それから、出目徳。
一見、人の好さそうなおっさん風情の彼は、
相当な曲者。
人の心理をよく理解していて、
用意周到にして、相手を騙す。
その場面は、観ていて小気味いい。


残念なのは、私がもっと麻雀を知っていたらなぁ、という事。
牌をどう集めれば上がれるかくらいは知っているけれど、
集めるだけで精一杯で、
どうすれば、あんな風に牌を自在にして、
人を騙せるのかが、不思議で不思議で(笑)。


真田広之がまだ若くて可愛い。
映画の間中、「坊や」と呼ばれているくらい。
そんな真田扮する哲が、加賀まりこ扮するママに本気で惚れて、
愛を告げる場面が、めっちゃ切ない。
ギャンブルだけでなく、愛の部分も上手く描かれている。


愛といえば、大竹しのぶもそう。
彼女はドサ健の為なら、
吉原に売り飛ばされる事も厭わない健気な女。
年恰好からいったら、
真田と大竹が結ばれるのが自然なんだろうが、
男と女は、そう上手くはいかないようで。


評価 ★★★★☆

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