SSブログ

「婚期」 [映画]

konki.jpg
〔1961年/日本〕


若尾文子・野添ひとみ姉妹は、
実家暮らしをしながら結婚相手を探しているが、
文句が多く、なかなか相手が見つからない。


実家は、兄・船越英二が家長で、
船越の妻・京マチ子が家事を取り仕切っているが、
若尾と野添は京を嫌い、
何かと嫌がらせをする。


ある日、京の所に、
「あなたの夫には、愛人がいる、子供まである」という内容の
手紙が届く。
それも、若尾と野添が仕組んだ事なのだが、
京は内心のショックを隠し、表向きは涼しい顔をしている。
そんな所がまた、2人を苛立たせる原因なのだ。


そんなこんなの日々の中、
若尾がお見合いする事になる。
相手が歯科医の為、
京は、痛くもない歯を治療しにその病院に偵察に出掛け、
「あの人なら間違いない」と太鼓判を押す。


ところが、お見合い当日、
相手の驚くべき事実が明らかとなり、
ショックを受ける若尾。
「それくらい我慢しろ」と言う船越以下、
家族全員が大騒ぎ。


さらに、船越がガス中毒を起こし、
京は、自分が疑われている事を知り、
ついに家出してしまう・・・。





これは、なんとも、
面白いんだけど、怖ろしいような物語(笑)。


女たちの会話が凄すぎ。
ポンポンと弾むように、
意地悪で嫌味な言葉が続き、
誰も、一歩も引こうとはしない。


特に若尾さん。
彼女は29歳という設定で、
結婚に相当な焦りを見せ、
それを隠そうともしない。


で、京マチ子さんに当たり散らす。
なんでそんなに京さんを嫌うんだか、
明確な理由はないんだけど、
兄嫁というだけで、気に入らないのだろう。
とにかく苛める。


兄嫁に怪文書なんて送りつける妹がいるかね(笑)。
誰が犯人かなんて、
すぐ分かりそうなものじゃないか。
でも、京さんも案外したたかで、
船越の前で泣くふりはするけれど、
どこまで本気なのかは分からない。


それに対して船越は、
「君だって結婚した時、生娘じゃなかった」などと
ヒステリックに叫んで、
寝屋を別にしようとする。
子供っぽいんだわ(笑)。


他にも、
1人暮らしをしている、
船越の妹が高峰三枝子、
家政婦のお婆さんが北林谷栄と、
とにかく豪華。


そういえば、北林さんの孫娘が、
結婚相手を連れてくるシーンが、
また見ものだった。
相手はとっても好青年で、
すんごくいいカップルなんだけど、
その時の若尾さんの微妙な表情ったら(笑)。
祝福と焦りとが綯い交ぜになって、
言葉も出ないようだった。


人の心って複雑(笑)。


評価 ★★★★☆

nice!(22)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画