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「二流小説家 シリアニスト」 [映画]

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〔2013年/日本〕


売れない小説家・上川隆也は、
連続猟奇殺人の犯人で服役中の武田真治から、
告白本の出版を依頼する手紙を受け取る。


その本が売れれば、名前が売れるのは必至、
迷いはあったが、結局、武田に面会にいく上川。


武田は、4人の女を殺しては、
その首を切り落とし、
写真に撮っては、警察に送りつけるという手口を繰り返し、
死刑判決を受けていた。


武田が、上川に告白本を出させるのは、
条件があった。
自分を主人公にした官能小説を書けと言うのだ。
相手役の女は、
武田に熱心な手紙を送ってくる、信者3人。


銀行員・AV女優・引きこもり。
それぞれの女を訪ねた上川だったが、
彼女たちは、武田が逮捕された時と全く同じ状態で、
殺される。
武田は本当に犯人なのか。
上川を呼びつけた理由は何なのか・・・。





元々、アメリカの小説だった本作を、
舞台を日本に移して映画化した作品だそうだ。


猟奇殺人者だという、
武田真治の演技を、とても面白いと思った。
正常と狂気の間をギリギリ行き来するような、
その危うい感じ。
ちょっと大げさな感じもしたけど、
それくらいじゃないと、観る者に伝わらないのかもしれない。


そして、彼のようなモンスターが輩出された理由も納得できるという、
悲しく、切なく、でもどこか甘美な、生い立ち。


さらに、上川隆也の、まったく冴えない、
売れない小説家風情が、
武田真治の個性とぶつかり合って、
面白い空気感を醸し出していた。


なにせ上川は、
自分の姪っ子にさえ敬語しか話せないような、
自信無さげな男で、
小説は女名前の方が売れるという理由で、
母親の名前を著者にしてしまうような、
頼りなさ。


ただ、事件が解決に近づくにつれ、
彼も強くなっていくんだな。
警察に自分の推理を話したり、
武田に強い口調で話し掛けたり。
彼だって、いつまでも負けっぱなしじゃいられないものね(笑)。


難を言えば、
ある場面で、「それは日本では無理があるでしょ」と
思われる箇所がある事。
まぁ、面白ければ、多少の事はいいんだけど。


上川の母親を、賀来千香子が演じていて驚いた。
以前に亡くなったという設定らしいけど、
それは少なくとも、
上川が小説家になった後のようだし、
なぜに彼女?って。


評価 ★★★☆☆

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