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「メランコリー・ベビー」 [映画]

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〔1979年/フランス〕


スイスのルガノ湖畔の大邸宅で暮らすジェーン・バーキン。
ある日、夫が自宅に、
仕事仲間のジャン・ルイ・トランティニャンを招待する。
夫とトランティニャンの会話中、
なぜか眠り込んでしまうバーキン。


夫はいつも仕事で忙しく、
数日間は帰って来ない。
バーキンはトランティニャンを訪ねるが、
そこで彼の友人・ジャン・リュック・ビドーと知り合う。


ビドーは失業中で、
どこか自嘲気味な所があったが、
バーキンはそんな彼とデートする。
また、レストランの若いウェイターを誘ったりもする。


夫が帰ってくるが、
バーキンが不在だった事に不満げだ。
バーキンは日々の空しさを訴えるが、
夫は全く理解できないようだ・・・。





ラスト近くのジェーン・バーキンと夫との会話に
驚いてしまう。


元々、翻訳家だったバーキンは、
「また仕事をしたい」と夫に訴えるのだけれど、
なんと彼は、
「そんなはした金の為にあくせくする事はない」と突き放す。
はした金て(笑)。


さらに夫は、
「それは貧しい人の仕事を奪う事になる」と。
なるほどー、
それは一理あるかもしれない・・・
って、感心してる場合じゃないけど(笑)、
大金持ちには大金持ちの感覚ってものがあるのだと、
ちょっと納得してしまった。


バーキンは、
「私はお料理も嫌いじゃない、家政婦さんと一緒に家事がしたい」
みたいな事も言うのだけれど、それも却下。
一体この夫は、妻に一日、何をしていろと言うんだろう。


そういえば、冒頭の、
夫とトランティニャンの会話の最中、
バーキンが眠り込んだのも、
夫が彼女の酒に睡眠薬を入れたからだった。
夫はバーキンに、
「お仕事の話なんか理解できない、無知で無垢なお人形」で
いてほしんだろうなぁ。


全体の流れは他愛なくて、
退屈なバーキンの時間つぶしを見せられるだけなんだけど、
そのバーキンがあまりに魅力的なものだから、
退屈はしない。
本当に、あんな可愛い女に生まれた自分を、
彼女自身はどう思っているのだろう。
夫がお人形にしておきたい気持ちも、
ちょっとは分かるわ(笑)。


全く必要のない入浴シーンなどが入る。
やっぱりバーキンを観る映画(笑)。


ただ、ラストはちょっと鮮烈。
ある意味、胸がスッとする。


評価 ★★★☆☆

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