SSブログ

「お嬢さん」 [映画]

ojosan.jpg
〔1961年/日本〕


大手企業の部長の娘・若尾文子は、
平凡な人生では飽き足りず、
冒険してみたいと考えている女子大生。


家には父の部下である、
川口浩や田宮二郎らがしょっちゅう遊びに来ていて、
皆、若尾に関心があったが、
若尾は川口にほのかな思いを寄せていた。


ある日、若尾が、親友の野添ひとみと東京駅に出向くと、
川口が、芸者らしい女と別れ話で揉めているらしい場面に遭遇する。
ショックを受けた若尾は、
自分の誕生パーティの席で、
その事を川口に問い詰めるが、
逆にデートの約束をさせられてしまう。


デートの日、
川口は、ガールフレンドには不自由していないと若尾に話し、
若尾の目の前で10代の女の子をナンパし、
消えてしまう。
またまたショックを受ける若尾。


それでも、逢瀬を重ねるうちに愛し合うようになった若尾と川口は、
結婚する事を決める。
両親も大賛成で、とんとん拍子に話は決まる。


しかし、川口のガールフレンドの1人・仁木多鶴子だけは、
川口に強く執着しており・・・。





三島由紀夫が原作のラブコメディ。
三島がこんな軽いタッチの小説を書いていたのが意外。
「黒蜥蜴」とか、「金閣寺」とか、
そんなのばかりだと思っていたわ(笑)。


「私は平凡な人生なって真っ平」みたいな事を言う割に、
タイトル通りの、“お嬢さん”から一歩も出ていない若尾さん。
本気で冒険心のある女だったら、
親の家から、親の金で、大学なんて行っていないであろう(笑)。


若尾さんの妄想癖がすごくて、
その度に、バックは妄想用のセットになる(笑)。
妄想好きの私としては、嬉しい限り。


お話が停滞しないのがいい。
例えば、浩様との結婚話も、
もっとモタつくのかと思っていたら、
意外なほどスンナリと決まって、
次の場面は新婚旅行、みたいな(笑)。


野添ひとみの存在も大きい。
若尾の親友の彼女は、
心理学の本や、女性週刊誌から仕入れたネタから、
男女の心の機微を語ろうとする。
立場的には、若尾さんの引き立て役なんだろうけど、
彼女のポンポンとした、弾むようなセリフに笑ってしまう。


耳年増な割に、経験の少ない野添さんは、
若尾さんと浩様がキスしたと聞けば、
「キスしたの!? 2回も!?」と驚いたり、
新婚旅行の先にまで電話してきて、
「どうだった?」と尋ねたり。
すごい好奇心だわ(笑)。
実は彼女は田宮二郎に思いを寄せていて、
若尾さんの体験を踏襲して、
自分も田宮をゲットしようと狙っているのよ(笑)。


浩様と野添さんが結婚したのは、
1960年とあるから、
この映画では、すでに夫婦だったという事になる。
浩様が若尾さんといちゃいちゃする様子を見て、
野添さんはどんな気持ちだったのだろう。
お仕事だから仕方ないって感じ?(笑)
  

まぁ、私にしてみたら、
実生活にせよ、映画の中にせよ、
浩様と結婚できるなんて、羨ましい限りなんだけど(笑)。


評価 ★★★☆☆

nice!(23)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画