「17歳のエンディングノート」 [映画]
〔2013年/イギリス〕
白血病で余命残り少ないと宣告されている、
17歳の少女・ダコタ・ファニング。
両親は現実を受け止めきれず、
ファニングと向き合う姿勢は、
時に、頼りない事がある。
ファニングの方が冷めている部分もある。
学校を辞めた彼女は、
残りの人生で、
自分のしたい事リストを作り、
それを実行しようと決める。
リストの中には、
初体験やドラッグ、法律を破るなど、
大人が眉をひそめる物もあるけれど、
彼女は本気だし、
残りの時間を精一杯生きたいという気持ちで
溢れている。
そんなある日、隣の家にジェレミー・アーヴァインが
引っ越してきた。
アーヴァインは、大学進学が決まっていたが、
情緒不安定になっている母の為に、
入学を延期している男の子だ。
言葉を交わすようになったファニングとアーヴァインは、
互いを知るにつれ、
次第に愛し合うようになるが・・・。
死期を知った女の子が、
自分のしたい事をリストアップして、
それをこなしてゆく映画といえば、
「死ぬまでにしたい10のこと」を思い出すが、
こちらは、「死ぬまでに~」の主人公より、
もう少し若い10代の女の子の物語。
難病物の作品で泣くのは、
制作側の術中に嵌ったようで、
ちょっと悔しいけれど、
でも、ラストはやはりとても悲しかった。
「死ぬまでに~」もそうだったけれど、
主人公が「したい事」としてリストアップする事柄には、
倫理に反するものがいくつも含まれている。
ファニング場合は、ビジネスマン男性のキャッシュカードを盗んだり、
万引きしたり。
大人の私から見たら、
「それは病気を言い訳に出来ないよ」と
言いたくなるような事だけれど、
17歳の彼女は暴走しがち。
まぁ、若いし、映画だし、
仕方ないかなーと思う。
お父さんが大変に辛そうだ。
子供が自分より先に逝く。
これ以上の苦しみはあるまい。
ファニングと愛し合うようになった
ジェレミー・アーヴァインも、
大変に辛いだろうなぁと思う。
分かっている事とはいえ、
恋人は明日死ぬかもしれない運命。
それ以降、どうやって生きていったらいいのか、
私だったら気が狂いそうだ。
ダコタ・ファニングが、
ちゃんとした形で成長しているようで嬉しい。
この映画での彼女は、
矛盾しているようだけれど、
「元気いっぱいな、余命いくばくもない女の子」を
上手く演じていたと思う。
評価 ★★★☆☆