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「黄金」 [映画]

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〔1948年/アメリカ〕


1920年代。
メキシコでホームレスのような暮らしをするアメリカ人、
ハンフリー・ボガートは、
酒場で出会った老人・ウォルター・ヒューストンから金の採掘の話を聞き、
自分も金鉱に行ってみようと思い立つ。


運良く宝くじが当たり、
必要な道具を買い揃える事ができた。
ボガートは、友人・ティム・ホルトとヒューストンの3人で、
山に向かった。


ヒューストンから金の採掘方法を教わり、
砂金が袋に溜まりはじめた。
それを天秤で量り、
きれいに三等分にし、
各々の隠し場所にしまうが、
ボガートは自分の取り分を
他の2人に盗まれるのではないかと、
疑心暗鬼になってゆく。


砂金もずいぶん溜まり、
下山する事を決めた3人だったが、
ボガートは宝を独り占めしようと考え、
ホルトとヒューストンを裏切る行動に出る。


その行動がいずれ彼自身を首を絞める事になるとは、
想像もせずに・・・。





ゴールドラッシュ時の
人間の欲望を描いた映画で、
かなり面白い。
アカデミー賞、作品賞と監督賞受賞作。
監督はジョン・ヒューストン。
金脈や採掘に詳しい老人役のウォルター・ヒューストンは、
監督の実の父だそうで、
彼もアカデミー賞助演男優賞を受賞したそうだ。


映画は、金の採掘より、
人間の心の欲望を描いているので、
金脈探しや採掘の苦労などのエピソードは無い。
金はあっけないほど簡単に溜まってゆく。
余計な話が無いので見やすい。


砂金の採掘に行ったはいいけれど、
仲間を信じる事ができなくなった
ハンフリー・ボガートの様子が、
次第に変になっていくのが怖い。


ティム・ホルスとウォルター・ヒューストンは、
自分の取り分さえしっかりしていれば、
他人の物にまで手を出そうと考えている様子はないのに、
ボガートだけが一人勝手にイライラしている。
「大丈夫だから、安心しなよ」と声を掛けたくなるくらいに。


途中、色々あり、
欲をかいたボガートが取った行為は、
彼の頭が狂い始めているといっていいくらい、
何かに憑りつかれでもしているようだ。


そして、めちゃくちゃ皮肉なラスト。
そうくるかー!と、
独り言を言いたくなったくらい。
もう笑うしかないオチ。


評価 ★★★★☆