SSブログ

「ウェイクアップ!ネッド」 [映画]

wakeupned.jpg
〔1998年/イギリス〕


アイルランドの田舎町、タリーモアは、
人口52人の小さな集落。
住人は殆ど老人だ。


ある日、この村から宝くじの当選者が出た事が、
新聞に小さく載っているのを見た、
2人の老人・ジャッキー(イアン・バネン)とマイケル(デヴィッド・ケリー)は、
当選者が誰なのか探し始める。
宝くじ購入の常連さんたちを家に呼び、
探りを入れるが、どうも全員違うようだ。


しかし、一人だけ、家に来なかった男がいる。
一人暮らしの老人・ネッド(ジミー・キーオ)だ。
ジャッキーとマイケルは、ネッドの家に行ってみる。
すると大変!ネッドは宝くじを持ったまま、
死んでいるではないか。
当選のショックで、昇天してしまったらしい。


ネッドの宝くじを山分けしようと考えたジャッキーとマイケルは、
宝くじ発行元に電話をかけ、
調査員をネッドに家に呼ぶ。
マイケルがネッドに成りすまして、
ネッドの家で、調査員から面接を受けたのだ。


なんとか面接を終えたマイケルだったが、
ホッとしたのも束の間、
調査員は、
「次回、賞金の小切手を持参してきた際、
 あなたがネッドさんご本人である事を、
 村人に確認いたします」と言われてしまう。


絶対絶命のピンチ。
ジャッキーとマイケルは、
村人全員を集めて、相談を持ちかけた。
マイケルをネッドだと証言してほしい。
賞金は全員で頭割りにしよう、と・・・。





当たった宝くじを持った老人が昇天、
という予備知識から、
もっとドタバタしたものを想像していたのだけれど、
ちょっとブラックで、味わい深い物語だった。
観て良かった。


主人公のジャッキーとマイケル、
そして、その他のおじいさん、おばあさんたちが、
なんだか可愛くて、元気で、良い。
みんな悪戯っぽい瞳で、
ジャッキーたちの企てに乗ってくる。
それはお金がほしいというより、
人生の終盤に、楽しみを求めているような、
そんな感じを受けた。


もちろん、それは犯罪に違いないんだろうけど、
損をするとしたら、
宝くじの発行元だけだし、
元々ネッドが生きていたら、
支払われるべきお金なのだから、
罪悪感は殆ど感じない。


観ているこちらも、
物語が進むにつれて、
「なんとか、この愛すべき村人たちが、
賞金を手にできますように」と、
祈るような気持ちになっていた。


なにせ、賞金額というのが凄い。
700万アイルランドポンドというとピンとこないけれど、
日本円に換算すると約12億円らしい。
ビックリ!(笑)


12億円を51人で頭割りにすると、
1人当たり、約2,350万円。
(計算間違ってないよね!?(笑))
こういう場合、家族が多い方が得かな、とか、
映画だっつーのに、
計算せずにはいられない業突く張りの私(笑)。


話は割と順調に進むんだけど、
最後の最後に、
1人の偏屈ばあさんの邪魔が入って、
結構ドキドキする。
(彼女の運命が、この映画の好き嫌いを分ける、
 大きな分かれ道のようだ)


他にも、村にたった一人いる子供の父親は誰なのかとか、
サイドストーリーも楽しい。


評価 ★★★★☆

nice!(20)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画