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「ねこタクシー」 [映画]

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〔2010年/日本〕


間瀬垣勤(カンニング竹山)は、
教師の仕事を辞めて4年、
現在はタクシーの運転手を生業にしている。


人付き合いの苦手な彼は、
同僚ドライバーの中で、
売り上げ成績がいつもビリで、
家では教師の妻・真亜子(鶴田真由)に頭が上がらず、
娘・瑠璃(山下リオ)からは無視されている。


そんなある日、
彼は公園で一匹の猫と出会う。
首輪に「御子神」と書かれた、その猫は、
いつの間にか彼のタクシーの助手席に乗り込んで、
心地良さそうにしている。


「御子神さん」は、
近所の有名な猫ばあさん(室井滋)の飼い猫だったが、
間瀬垣は、彼女に頼んで「御子神さん」を貰い受け、
会社には内緒で、
タクシーに乗せて走る事にする。


猫を介してだと、
客と会話が弾み、
間瀬垣の成績はグングン上がってゆく。


しかし、彼の成績が上がった事で、
叱られるようになってしまった、
若い女性ドライバー・丹羽仁美(芦名星)は、
間瀬垣が猫を乗せている事に気付き、
真似をする。
すると、猫の乗ったタクシーというのが、
マスコミに取り上げられ、
仁美は会社から厳重注意を受けてしまう・・・。





お笑い芸人の中でも、
カンニング竹山はかなり好き。


そう多くのテレビ番組を見てるわけではないから、
私の知らない部分の方が多いのだろうが、
たまに見かけると、
いつも他の芸人さんたちにいじられていて、
でも、やられっぱなしではなく、
ちょっとキレて見せたりする様子が可笑しい。


その竹山が主役を演じたという、この映画、
元々はテレビドラマだったらしい。
彼が登場した時は、
「おぉ~、竹山だ~」と思ったけれど、
その後は別に、
「私は今、竹山を見ている」という意識に囚われる事もなく、
彼にピッタリ合った役柄に思えた。


ストーリーもオチも、想像通り(笑)。
冴えない中年男が、
猫の手を借りて、
自信を取り戻してゆくというお話。
去年劇場で観た、
「くろねこルーシー」と流れは殆ど一緒だと思ったら、
連動シリーズだそうだ。


お話は、特に大きなトラブルもなく進む。
竹山は色々悩んでいるようだけれど、
猫をタクシーに乗せる事によって、
彼が会社から叱責を受ける事はない。
だって、その件のお叱りは全て、
芦名星がかぶってくれちゃってるんだもの(笑)。


竹山が猫を飼う事による一番のメリットは、
営業成績が上がる事ではなく、
娘との関係にあると、私には思えた。


冒頭、娘は、
自分の洗濯物と竹山の下着を一緒に洗う事さえ
嫌がっており、
会話はほぼ皆無と言っていい。
でも、御子神さんを飼う事を妻と相談していると、
反対する妻に対して
娘は肯定的な意見を言う。


それは、娘自身が猫を飼いたいというわけではなく、
「お父さんも、そうやって自分の意見を主張した方がいいよ」という、
心遣いに思えた。
娘は竹山を嫌っていたのではなく、
その不甲斐なさを情けなく思っていた事が見て取れる。


まぁ、現実では、
タクシーで猫を飼うというのは、
ちょっと無理な気がする。
世の中の人の全員が全員、
動物が好きとは限らないわけだし。


評価 ★★★☆☆

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