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「閉じる日」 [映画]

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〔2000年/日本〕


若手女流作家・冨樫真と、高校生・沢木哲は、
実の姉弟であったが、睦み合っている。


2人には、誰にも言えない壮絶な過去があり、
しかし、その出来事がより絆を強くしている事も事実であった。


沢木の同級生・綾香は、沢木に片思いしており、
沢木も綾香を憎からず思っている。
そんな2人の様子に冨樫は強い嫉妬を感じるが、
彼女もまた、
東京から来る編集者、永瀬正敏と、
関係を持つ。


綾香に片思いする、沢木の友人・野村貴志は、
綾香の、沢木に対する気持ちを知り、
「あいつは姉と関係している」と暴露、
綾香は大変なショックを受ける。


綾香の家庭もまた複雑だ。
彼女の母親は、永瀬に綾香を差し出し、
金を得ようとする。
綾香は永瀬に、ホテルに連れて行かれるが・・・。





映画の大抵の設定は受け入れるし、
これは作り事だ、と思う事ができるけれど、
関係してはいけない血縁者同士が関係する話だけは、
どうしても好きになれないんだよなー。


それを許してしまったら、
もうどんな話も、タブーが無くなってしまう。
観る方は、
「あの2人だけは肉体関係がない」という前提で観ているし、
その制約さえ無くなってしまうと、
話はかえってつまらなくなるような気がする。


この映画は、その事実が後から分かるわけではなく、
冒頭からベッドのシーンなので、
別に驚かされるわけじゃないけど、
でも、気持ち悪い事には変わりない。


それから、綾香に思いを寄せる野村貴志が、
ストーカーちっくに、
綾香の出したゴミを漁るなどするシーンも、
物凄い気持ちの悪さを感じた。


でも、この映画は、
そんな事を問題にする作品ではないらしい。
行定勲監督の映像とか、
浮遊感が大切なのだろう。


以前、一緒に観た友人をドン引きさせてしまったくらい(笑)、
号泣した、「春の雪」。
世間の評価はイマイチの作品だったけれど、
以来、なんとなく気になる行定監督。
これは監督の初期の作品のようで、
原点という方もおられるようだ。
「春の雪」、もう一度観てみたいけれど、
7年前のあの感性が自分の中に変わらずあるのかどうか、
知るのがちょっと怖い。


評価 ★★☆☆☆

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