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「ハンガー・ゲーム」 [映画]

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〔2012年/アメリカ〕


近未来。
世界は、富裕層と、
12の地区から成る、貧困層に分かれていた。


毎年1回、貧困層の各地区から、
12歳~18歳の男女1組、計24人を選出し、
「ハンガー・ゲーム」という催しを行う事が決まっており、
出場者は、クジで選出される。


ゲームのルールは簡単。
24人が人工的に作られた森に放たれ、
最後の1人が生き残るまで、殺し合いをするというものだ。
そして、その模様はテレビ中継され、
富裕層の人間は、それを最大の娯楽として楽しむ。


第12区に住む少女・カットニス・エバディーン(ジェニファー・ローレンス)は、
妹・プリムローズ(ウィロー・シールズ)と、
プレイヤー選出の為のクジ引き集会に出かけるが、
運悪く、プリムローズが選ばれてしまう。
幼い妹を、そんな危険なゲームに参加させるわけにはいかない。
カットニスは、思わず叫んだ。
「私が代わりに出場します!」と。


かくして、カットニスは殺し合いゲームに
参加する事になるのだが・・・。





近未来を描く時、富裕層と貧困層に分かれて暮らすというのには、
何か意味があるのだろうか。
今年、私が劇場で観ただけで、
「TIME タイム」と「トータル・リコール」の2本で、
そのような形態の暮しが描かれていた。


子供たちが殺し合うと聞くと、
「バトルロワイアル」を思い出すが、
こちらはあれを、もっとずっと豪華にした感じ。
なにせ、富裕層の人々は、
今の私たちの世界からすると、
なにやら珍妙なオシャレをしていて、
豪華なお食事をしている。
それを観るのが、意外と楽しい。


佳境(ゲーム)に入るまでが、思っていた以上に長い。
貧困層から豪華列車に乗って出てくる場面から、
現地での、プレイヤーの訓練の様子までが、
結構な時間をかけて描かれる。


途中までは、「何でこんなに長いのか」と思ったけれど、
ゲームが始まってから、気が付いた。
あれくらい時間をたっぷり掛けるからこそ、
主人公に強い思い入れが出来るのだと。
なんとなく集まって、
なんとなく殺し合ったのでは、
ただのホラーになってしまう。


子供が子供を殺す。
個人対個人の殺し合いには、それほど不快感はなかった。
殺さなければ殺されるのだから仕方がない。


一番気分が悪いのは、
一部の子供たちが、
徒党を組んで、笑いながら一人の子供を殺す場面。
この「笑いながら」というのが、たまらなく嫌。
最近、日本で問題になっている、
学校での事件を彷彿とさせる。
どうせ最後には、
自分たちも殺し合わなければならないのに。


まぁ、そんな小難しい事を考えずに観ればいいと思う。
映画は娯楽だ。
全てはスクリーンの中の世界だ。


評価 ★★★☆☆

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