「悪名市場」 [映画]
〔1963年/日本〕
久し振りに清次(田宮二郎)から便りが届き、
書かれていた住所を訪ねた朝吉(勝新太郎)は、
そこが刑務所だった事に驚く。
清次は詐欺の片棒を担がされ、
逮捕されたのだが、
主犯の柿本(田中春男)は四国に逃げたと言う。
柿本を探して四国に渡った朝吉は、
到着した港町で、
朝吉と清次のニセモノコンビ(芦屋雁之助・芦屋小雁)が、
町を闊歩している事を知り驚く。
しかし、そんなニセモノが現れるのも、
自分の日頃の行いのせいでもあり、
また、柿本を探す為にも、
しばらくは名乗らずに、
様子見を決め込む。
柿本は、町の商店主たちを相手に、
詐欺を働こうと企んでいた。
さらにパチンコ店を経営する咲枝(瑳峨三智子)を騙して連れ出し、
スナック経営をさせる。
朝吉の怒りは爆発、
そこへ、出所してきた清次も加わって、
騒動となる・・・。
シリーズ6作目。
シリーズの中でも評価が高いようで、
中々面白い。
シリーズとして観なくても、
これ単独でも楽しめる気がする。
朝吉のニセモノが、
自分の知らない所で、
町を仕切っているという設定が、
可笑しいやら、イライラさせられるやら。
いずれ本物の朝吉が名乗るのは分かってはいるけれど、
ニセ朝吉がエラソーにしている様子に、
観ている私の方が、
早く暴露したくてウズウズしてくる(笑)。
しかも、このニセモノの2人ってのが、
着ているものは似せているけれど、
なんとも安っぽくて、品格がないんだな。
どんな事でもそうだけれど、
ニセモノとか、真似とか、パクリとかって、
どこか、やっぱり違う。
この映画とは関係ないけれど、
ニセモノ2人は、
中国の石景山遊園地にいた着ぐるみみたい(笑)。
(ちょっと古いけど)
オカマのおぎん(茶川一郎)が出てきて、
久し振りに朝吉と再会したのが嬉しかった。
彼は朝吉の話をしみじみ聞いてやる、
本当にいい女だ。
女より、ずっと女らしくて可愛い。
女は、オカマの皆さんから学べる事が
沢山ある気がする(笑)。
評価 ★★★☆☆