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「4人の女」 [映画]

4ninnoonna.jpg
〔2008年/メキシコ〕


スペインの女窃盗団、
アウロラ、アナ、グロリア、パロマの4人は、
フラメンコ教室の金庫から宝石を盗もうとするが、
見つかり、アウロラだけ逮捕されてしまう。


アウロラの妹アナは、アウロラが服役中、
家政婦として住み込んだ家で、
主の麻薬ディーラーの男と結婚し、
メキシコに渡るが、
夫のDVから、高速道路で車から突き落とされ、
重体となる。


出所したアウロラは、
アナの容態を知り、
他の3人の女たちと、
アナの夫の金を強奪しようと計画を練る。


しかし、彼女たちの動きは、
夫の手下で、有能なガブリエルに
見張られており・・・。





ガエル・ガルシア・ベルナルが、
製作総指揮を務めているという事で、
前から観たかった映画。
日本では未公開。


まぁ、未公開なのも分かる気がした。
私の好きなメキシコ系のお話だけれど、
それほど面白くもない。
ガエルは、俳優としては大好きだけれど、
製作に回るには、まだ早いのか、才能がないのか。
以前、彼が監督をした「太陽のかけら」はつまらなすぎて、
倒れるかと思った(笑)。
(ガエル、ごめんよ~)
(あ、でもでも、「闇の列車、光の旅」は秀作だね)


この映画の何がつまらないって、
まず、アナが麻薬ディーラーと結婚する過程に、
何のヒネりもないって所。


彼女が家政婦として麻薬ディーラーの家に入り込むのに、
特に深い理由はなく、
ただの偶然。
最初から、泥棒目的とか、
復讐目的とかだったら、
もっと面白くなったと思うんだけどなぁ。


だから、彼女がDVを受けるのも、
ただ単に、「生意気だから」「口答えするから」って、
そんな理由で、
大して面白くもない。


その後の展開も、どうって事もない、
平凡な犯罪物。


ガブリエルの役を、ガエルの私生活での盟友・ディエゴ・ルナが
演じているのだけれど、
どうしてガエルは出なかったんだろう。
どんな役でもいいから、彼の姿を見たかったわ。
(一番の不満はそこだったりして(笑))


評価 ★★★☆☆

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「ジェーン・エア」 [映画]

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〔2011年/イギリス〕


両親を亡くしたジェーン・エア(ミア・ワシコウスカ)は、
冷酷な叔母や、意地の悪い従兄に虐げられ、
辛い日々を過ごした挙句、
全寮制の学校に入れられる。


しかし、そこも安住の地ではなく、
教師の理不尽な仕打ちや、
親友の死に直面する。


学校を卒業したジェーンは、
家庭教師として、
エドワード・フェアファックス・ロチェスター(マイケル・ファスベンダー)の家に
住み込む事になる。


当主ロチェスターは、
気難しい男であったが、
次第にジェーンと心を通わせ、
2人は愛し合うようになる。


しかし、結婚式当日、
ロチェスターが抱える、ある秘密が明らかになり、
ショックのあまり、
家を飛び出すジェーン・・・。





小学生の頃読んだ、
シャーロット・ブロンテの「ジェーン・エア」。
今思えば、
どこまで理解していたのかは分からないが、
何度か繰り返し読んだ記憶があるので、
それなりに楽しんではいたのだろう。


で、この映画。
ジェーンを演じるミア・ワシコウスカがとても良い。
荒涼としたイギリスの風景が、
彼女にとても似合っているし、
いつまでも少女のような彼女の雰囲気も、
ジェーンを演じるのにピッタリだ。


ただ、映画としては物足りない。
幼少時代、
特に、寄宿学校での描写が少ない気がして。
学校ではもっと様々な出来事があったと記憶しているので、
もうすこし時間を割いて描いてほしかった。


ロチェスターを演じる、マイケル・ファスベンダー。
この間、「SHAME -シェイム-」で、
ニューヨーク在住の性依存症という役を観たばかりなので、
今度はイギリスの金持ちの家の主という役が、
なんだか可笑しい(笑)。


しっかし、
1800年の頃の、愛の告白って、
分かりにくいね(笑)。
なんだか遠回しで、まどろっこしくて、
好きなんだか、嫌いなんだか、
私がジェーンだったら、
何言われてんだか分からない所だと思うよ(笑)。


しかも、ロチェスターの抱える秘密、
あれは駄目でしょ。
ジェーンと結婚する前に、
やっぱり片をつけておかないと。


以前、ビデオで、
エリザベス・テーラーも出ている、
1944年版の「ジェーン・エア」を観たけれど、
面白さ、分かり易さという点では、
あちらの方が上な気がする。


評価 ★★★☆☆

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「福耳」 [映画]

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〔2003年/日本〕


宮藤官九郎は29歳のフリーター。
今までに何度も転職し、
まともに働いた事のない、お世辞にも真っ当とは言い難い男。


彼は一目惚れした看護婦・高野志穂が働く、
老人向けマンションの中のレストランの面接を受け、
採用される。


ところが、バイト初日に、
亡くなったばかりのお爺さん・田中邦衛に気に入られ、
田中の魂が宮藤の中に入ってしまう。
田中は宮藤の福耳と、耳にあるホクロに
魅せられたのだ。


田中は現世に未練を残していた。
彼は同じマンションに住む、司葉子に惚れており、
告白しないまま死んだ。
美しい司は、
他にも、谷啓や坂上二郎にも惚れられ、
彼女を巡っての争いが絶えない。


マンションには、
元文部省の大臣で、今はゲイをカミングアウトした宝田明や、
宝田が片思いしている、元軍人・多々良純,
そして、宝田に片思いしている横山通乃、
一言も口をきかない99歳の千石規子など、
様々な人間が暮らしていた。


田中に憑りつかれた宮藤は、
なんとか体から、彼を追い出そうとするが、
宮藤の借金返済と、高野に近付く方法を伝授するという約束で、
田中は宮藤の中で存在し続ける。


田中は田中で、
宮藤の体を借りながら、
司と会話し、ダンスし、
ついにはホテルに行く所まで成功する。


田中の願いは叶うのか・・・。





田中邦衛が、宮藤官九郎に憑りついた当初は、
なんだかウザく感じたものだが、
2人の息が合ってゆくにつれ、
田中を好きになってゆくから、
映画って分からない。


自分に自信が持てず、
何をしてもヘタレで、
29歳までフリーターできてしまったという役を、
宮藤官九郎が演じると、
怖ろしいくらい、リアル。


けれど彼は、
田中と体を共有するうちに、
少しずつ自信をつけてゆく。
現実にはない事だけれど、
自分に自信の持てない若者が、
こんな風に何かをきっかけに、
元気になれたらいいのにと思う。


宝田明が、最高に良い!
元文部省のお役人が、今はゲイよ(笑)。
でも、とっても素敵で、
本当にゲイにしか見えない。
彼はゲイバーを経営しているのだけれど、
そこに、息子の嫁の父親が訪ねてくる。


息子は、父親がゲイという事を隠しているので、
宝田もその日はゲイを封印。
その展開は、「Mr.レディ Mr.マダム」を思い出すが、
マンションのみんなが客になりすまして、
協力してくれるのが、可愛くて微笑ましい。
とっても好きな場面。


司葉子を取り合うという、
老人らしからぬ元気な様子を見せていた、
坂上二郎さんと谷啓さんも、
もうこの世にはいない。
惜しい事です。


評価 ★★★☆☆

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「ソウル・サーファー」 [映画]

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〔2011年/アメリカ〕


ハワイに住む13歳のベサニー・ハミルトン(アナソフィア・ロブ)は、
サーファーの両親(デニス・クエイド・ヘレン・ハント)を持ち、
自身も、生まれた時から海に馴染んだ、
プロサーファーを目指す少女。


出場した大会で優勝し、
スポンサーが付き、
これからという時、
練習中、鮫に襲われ、左腕を失ってしまう。


傷が癒えてすぐ、
彼女は海に戻るが、
しかし、以前のように上手くはサーフボードを
乗りこなす事が出来ず、
出場した大会でも、
不本意な成績しか残せない。


挫折を感じたベサニーは夢を諦め、
行きずりの少女に、
自分のサーフボードをあげてしまう。


しかし、その後、
津波に見舞われたタイのプーケットに、
ボランティアとして訪れた彼女は、
被災者の悲しみと再起を目の当たりにし、
自分を奮い立たせる。


両親と2人の兄、
そして親友・アラナ(ロレイン・ニコルソン)の愛と応援に包まれ、
大会出場に向け、
ベサニーの特訓が始まる・・・。





思っていたよりずっと感動だった。
鮫に片腕を奪われたベサニーだけれど、
「海が怖い」とか、
「鮫が憎い」とか、
そういったセリフは一度も出てこない。


生まれた時から、
当たり前のように海があり、
波に親しんできた彼女にとって、
そんな言葉は、
頭に浮かびさえしないようだ。


一度は挫折しかけたベサニーだけれど、
「あきらめない」
この言葉が私の胸に迫ってきて涙が出た。
「あきらめない」
先の事は分からないけれど、
結果云々より、あきらめない心を持ち続ける事が大切。


ベサニーを演じたアナソフィア・ロブって、
「テラビシアにかける橋」の、あの子なんだね。
ずいぶん大きくなって、綺麗になった。
サーフィンも、全部ではないけれど、
彼女自身がこなしていると聞いた。


サーフィンの大会のシーンも見所の一つ。
あんな風に波を乗りこなせたら、
気持ちいいだろうなと思う。
チューブの中をくぐる感じって、
どんななんだろう。


これは実話だそうで、
ラスト、本物のベサニーの現在が出てくる。
その姿に、また涙してしまう。


評価 ★★★☆☆

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「一枚のめぐり逢い」 [映画]

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〔2012年/アメリカ〕


イラク戦争に派兵された海兵隊のザック・エフロンは、
戦場で、落ちていた一枚の写真に気付く。


写真を拾おうと、近寄った瞬間、
さっきまでザックが座っていた場所が爆発、
もし写真を見つけなかったら死んでいたと思われ、
命を救ってくれた写真を大切に保管する。


アメリカに帰ったエフロンは、
美しい女性が写ったその写真の、
背景の景色から、
女性が住んでいると思われる街をネットで見つけ、
彼女を探す。


街で訪ね歩き、やっと見つけた彼女・テイラー・シリングは、
犬の訓練所を運営する、シングルマザー。
事情を話し、礼を言おうとするが、
シリングは、エフロンが求人広告を見て来たのだと勘違い、
彼は、彼女の祖母・ブライス・ダナーに気に入られ、
雇われる。


写真の落とし主は、彼女の兄。
幼い頃両親を亡くし、
兄を頼りに生きてきたシリングにとって、
兄の戦死は、彼女の心に大きな傷を残していた。


また、街には、
シリングの元夫で、警察官のジェイ・R・ファーガソンがいたが、
権力を振りかざす最低の男で、
ストーカーのように彼女の生活を見張っていた。


次第に親密になるエフロンとシリング。
シリングの息子もエフロンに懐く。
しかし、それを面白く思わないファーガソンは、
息子を取り上げると、シリングを脅してくる・・・。





特にひねりのない、
気楽に楽しめるラブストーリー。


写真の持ち主が、テイラー・シリングと兄妹だったというのが、
ちょっと肩透かし。
あの予告を観れば、
殆どの観客は、恋人か夫と思うんじゃないだろうか。


しかし、それだとジェイ・R・ファーガソンの存在が
生きてこないので、
それも有りかと思ったりもする。


ザック・エフロンは、帰国直後、
戦場で受けたトラウマに苦しんでいたようだが、
途中からそんな事は、
綺麗さっぱり描かれずに終わった(笑)。


エフロンはとても無口で、
生きる事がちょっと不器用そうで、
だから、シリングとも、
それほどすぐには恋愛関係にはならない。
何でもかんでも、すぐ出来上がってしまうよりは、
好感が持てた。
ただ、無口すぎてイラつく面もあるが。
「もっとハッキリ説明しなよ」って(笑)。


オチは、正直、驚くくらい安易(笑)。
最後まで都合が良い。
まぁ、いいけど(笑)。


教会で、
エフロンとシリングの息子が、
ピアノとヴァイオリンで合奏する場面が、
可愛くて好き。
難しい曲でないのがまた、かえって微笑ましかった。


評価 ★★★☆☆

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