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「ウェールズの山」 [映画]

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〔1995年/イギリス〕


1910年代。
ウェールズの小さな村に、
ヒュー・グラントとイアン・マックニースが訪れる。
彼らは測量士で、地図の作成をしており、
村唯一の山・フュノン・ガルウの高さを測りにやって来たのだ。


フュノン・ガルウは昔から、
村に攻め込む敵を阻止してくれた、
村人誇りの山であり、
遺跡などの観光名所のない村にとって、
唯一の象徴でもあった。


グラントたちの説明によると、
305メートル以上の高さがあれば、
「山」と見なされ、地図にも名前が載るが、
それ未満だと「丘」となり、名前も載らないと言う。


村人たちは測量を見守るが、
フュノン・ガルウの高さは299メートルとの結果が出てしまう。
自分たちの大切な「山」を「丘」と呼ばれるのは、
我慢がならない!
村人たちの気持ちは一つになる。


あと6メール、あと6メートルあればいいんだろう。
村人たちは相談し、
頂上に土を運び始めた。
男も女も、大人も子供もなく、
とにかく全員一丸となって。


フュノン・ガルウは「丘」から「山」に昇格できるのか・・・。




なかなか愉快な物語。
自分たちが大切に思っているものを、
一つ「格下」と位置付けられるのは心外だという、
村人たちの気持ちって、すごくよく分かる。


全員総出で作業する様子が、
なんだか楽しそうで、私も参加したくなったよ。
なにしろ、ダンプカーもパワーショベルもない時代、
馬が数頭いるだけで、
あとは全員、麓の土をバケツで運ぶ、
全くの手作業。
めちゃくちゃ疲れそうだけど、
その分、成功した時は達成感もありそうだな、って。


ヒュー・グラントたちはスケジュールが詰まっていて、
測量の翌日には、すぐに村を立たねばならないのだが、
彼らを足止めする為にした、
村人たちの努力も可笑しい。


車をわざと故障させ、タイヤをパンクさせ、
駅長までが、電車は来ないと言い、
果ては色仕掛けで、村に留まらせようとする。


しかも、土を運んだ日の夜から、
酷い雨が降り始め、それが数日続くのだよ。
盛った土は流れ始め、
シートをかぶせて、それを最小限に食い止めようと努力する人々。


グラントは途中から、彼らの努力に気付き、
雨が上がった日、
自分も作業に参加する。


グラントにロマンスが発生するのだが、
それは必要ないエピソードな気がした。
それから、後日談が可笑しい。


評価 ★★★☆☆

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