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「大菩薩峠 第二部」 [映画]

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〔1958年/日本〕


盲目となった机竜之介(片岡千恵蔵)は、
前妻・お浜にソックリな女・お豊に助けられ、
山を下りる。


竜之介を金銭的に援助するため、
お豊は旅篭・備前屋に住み込みで働き始めるが、
悪徳旗本・神尾主膳(山形勲)の目に止まってしまい、
無理矢理、性関係を持たされる。


その事にショックを受けたお豊は、
仲良くしていた芸人・お玉に、
竜之介への手紙とお金を託し、自害する。


お玉からの手紙を受け取った竜之介は、
東に向かうが、
その後を、竜之介を敵と狙う、
宇津木兵馬(中村錦之助)が追う。


その後、山の中で、
子持ちの女・お徳(木暮実千代)に助けられた竜之介は、
束の間の安息の日々を過ごす。


しかし、数奇な運命から、
神尾主膳の家来となる竜之介。
竜之介の運命は・・・。





片岡千恵蔵版「大菩薩峠」。
3作中の2作目。


粗筋を書こうにも、
あまりにも沢山の人物が、複雑に絡み合っていて、
能力のない私には、その説明が難しい。


調べると原作は、41巻(!)もあって、
しかも未完だそうだ。
何か映画を観ると、原作を読んでみるのも好きな私だけれど、
この本を手に取る事は、おそらくないと思われる(笑)。
市川雷蔵版の「完結編」レビューで、
「物語が端折られてる気がする」と書いたけれど、
41巻もあったら、端折らなければ描き切れなくて当然ね(笑)。


けれど、この映画で、
お豊がなぜ自害したのかが、分かったので、
胸のつかえが下りた感じ。
市川版ではいきなり遊女になっていて驚いたけれど、
この映画では、彼女の身に起きた最悪の出来事が描かれていた。
お豊の運命を決定づけた、
神尾主膳に怒りを覚えるわ。


お徳に助けられた竜之介が、
彼女の4歳くらいの息子を可愛がる場面が、
大変に良い。
人を殺す頃でしか、生きる証を立てられない竜之介が、
子供と接する時、物凄く優しい笑顔を見せるのよ。


「こんな山の中で、こうして暮らすのもいいな」と、
生れて初めてとも言っていい、やすらぎを口にする。
けれど、運命はそうはいかない方向に流れ出すのだけれど。


評価 ★★★☆☆

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