SSブログ

「戦火の馬」 [映画]

senkanouma.jpg
〔2011年/アメリカ〕


1910年代。
イギリスの農村で、1頭の美しい馬が誕生する。


貧しい農場の小作人、ピーター・ミュランは、
農耕馬を買いに競りに出掛けるが、
その馬の美しさに魅せられ、
周囲の者が止めるのも聞かず、
無理して競り落とす。


以前から、その馬に憧憬を抱いていた、
ミュランの息子・ジェレミー・アーヴァインは喜び、
“ジョーイ”と名付け、信頼関係を築いてゆく。


ところが、第一次世界大戦が勃発。
ジョーイは軍馬として、売られてしまう。
イギリス軍の将校・トム・ヒドルストンは、
ジョーイを絶対に大切にするとアーヴァインに約束し、
前線へ赴くが、戦死。


その後ジョーイは、
脱走したドイツ軍の兄弟、
祖父と暮らす、フランス人の少女などの手に渡りながら、
数奇な運命に翻弄される。


そして、その頃、
アーヴァインも兵士として戦場に赴いていた。
アーヴァインとジョーイは再会できるのか・・・。





イギリスの児童文学を、
スピルバーグ監督が映画化したのだそうだ。


一頭の馬を通して、
戦争の愚かさを描いている。
多少大味な気もするが、
「映画を観た!」という満足感が得られる。


戦地での馬の扱いで、
とても酷い場面があって、
観ていられない箇所があった。
言葉の話せないもの(動物や幼い子供)が、
辛い目に遭うって、
やり切れない思いがする。
本当に嫌だ。


それでもジョーイは、
仲間の馬を思い遣る演技をする。
あれが実写なのか、CGなのか、
私にはよく分からないけれど、
人間のようなその優しい心がまた、
いじらしくて泣けてくる。


ジェレミー・アーヴァインが戦地で、
体のある箇所を負傷する。
私はその傷が無事に治癒するのかが、
気になって気になって。
馬も勿論大事だけれど、
人間が戦争で致命的な傷を一生背負ってゆくのは、
辛すぎる。


ピーター・ミュランの行動で、
一つ解せない点があった。
彼はジョーイが畑を上手く耕せない事に怒り、
ライフルで殺そうとするのだよ。
でも、それっておかしい。
周りの人があれほどジョーイを買う事に反対したのに、
それを押し切ったのはあんたじゃん、って。
農耕馬でない事は、最初から分かっていたのに。
なんだかとても、納得のいかない場面であった。


評価 ★★★☆☆

nice!(23)  コメント(2)  トラックバック(2) 
共通テーマ:映画