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「板尾創路の脱獄王」 [映画]

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〔2009年/日本〕


昭和初期。
信州の刑務所に収監された鈴木雅之(板尾創路)は、
過去に、2度の脱獄暦があり、
看守たちも、彼の行動には特に注意していた。


案の定、鈴木はその刑務所でも、
その日のうちに脱獄する。
しかし、脱獄後は看守の予想に反して、
当然行くであろう経路は選ばず、
すぐに捕まり、特に抵抗もしない。


そんな彼の行動を不思議に思った看守長・金村(國村隼)は、
何か理由があるはずだと気付くが、
鈴木は理由を話そうとはしなかった。


その後も、彼は、
何度も何度も脱獄を繰り返す。
最初に逮捕されたのは無銭飲食の軽犯罪だったが、
脱獄の度に刑期が累積され、
ついには無期懲役にまで膨らんでしまう。


最終的に鈴木は、
“監獄島”と呼ばれる、
脱出不可能な、孤島の刑務所に送られる
金村は鈴木が気になり、
島まで視察に出掛けるが・・・。





板尾創路の、お笑い芸人としての評価はよく知らないけれど、
彼の、「空中庭園」と「空気人形」での演技がとても好きなので、
なんとなく気になる俳優さんの一人。
本作は、彼の初監督作品だそうだ。


主人公の鈴木雅之は、脱獄を繰り返すけれど、
その方法は、大して重要ではない。
あんな頑丈な手錠をどうやって外したんだ、とか、
あんな高い所にある鉄格子から、
どうやって抜け出したんだ、とか、
そんな事はあまり問題ではない。


それより、観ている者は、
彼がなぜそこまで執拗に脱獄を繰り返すのか、
それが知りたくて見入ってしまう。


板尾は全編、ほぼセリフ無しだが、
回想シーンから察するに、
その理由は、それこそ彼が生まれた時にまで遡る。


荒れる海に囲まれた、脱出不可能な“監獄島”というと、
イーストウッドの「アルカトラズからの脱出」を思い出すが、
板尾はそこでも、脱出を試みる。
その方法は、「アルカトラズ~」とは違って、コメディっぽいが。


脱獄の理由はちょっと弱い気がするけれど、
オチの馬鹿馬鹿しさに軽く笑える。


評価 ★★★☆☆