「ヒューゴの不思議な発明」

〔2011年/アメリカ〕


1930年代、パリ。
少年ヒューゴ（エイサ・バターフィールド）は、
駅の時計台に隠れ住みながら、
火事で亡くなったお父さん（ジュード・ロウ）が残した、
機械仕掛けの人形の手入れをして暮らしていた。


孤独なヒューゴは、
駅の構内でパンを盗んで空腹を満たしていたが、
ある日、おもちゃを盗もうとして、
店の主人ジョルジュさん（ペン・キングズレー）に捕まり、
人形の秘密を書いておいた大切なノートを
取り上げられてしまう。


ノートを返してほしくて、ジョルジュさんの家に行ったヒューゴは、
そこで、ジョルジュさんの養女のイザベル（クロエ・グレース・モレッツ）と知り合う。
ヒューゴとイザベルは気が合い、
何かと一緒に行動するようになる。


機械仕掛けの人形を動かすには、
ハート型の鍵が必要で、
それを探していたヒューゴだったが、
イザベルが身につけていたネックレスの飾りこそが、
その鍵だという事が分かる。


鍵穴に鍵を入れる二人。
動き出す人形。
驚く事に人形は、
ジョルジュさんの、ある秘密を描き出す。
ジョルジュさん自身が封印してきた、
過去の秘密を・・・。





私のような者が、スコセッシ監督に何をエラソーにと思うけれど、
とっても惜しい気がする。
だって、この映画が、
こんなに映画に対して愛に溢れた映画だなんて、
想像できる人がどれくらいいるだろう。


この映画を、子供向けだから、とか、
ファンタジーだから、とかの理由で、
敬遠してしまう人がいるとしたら、
それはとても勿体無い事だ。


ジョルジュさんの秘密が分かって以降、
映画の印象が全く変わってしまう。
なんだ、そんな事を描きたかったのか、
それならそうと最初から言ってよって(笑)。


私に映画があって本当に良かったと、心から思わせてくれた映画。
嬉しい時、楽しい時は勿論だけれど、
辛い時、悲しい時、困難に直面した時も、
映画はいつもそこにある。


私事で申し訳ないけれど、
先日、体調の芳しくない日が続き、
「もし、悪い病気だったら」と想像した事があった。
（想像は杞憂に終わったが(笑)）
そんな時、頭に浮かぶ事は沢山あるが、
その中の一つに、
「まだ未見の映画が沢山あるのに、
　それらを観ずして、この世を去るなんて」
というのがあった。


私に何があっても、
それは運命として受け入れる気持ちでいるけれど、
沢山の映画を残してゆくのが、
物凄く心残りだって、
それは自然に湧き上がってきた気持ち。


これからも、時間と状況が許す限り、
映画を観ていけたらいいのだけれど。
新しい作品は勿論だし、
それから、古い時代、映画作りに携わってこられた全て方々に、
尊敬と感謝の気持ちがいっぱいで、
そういった古い作品にもずっと触れていきたい。
そんな事を考えている時って、本当にワクワクして、
楽しい。


評価　★★★☆☆