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「おとなのけんか」 [映画]

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〔2011年/フランス・ドイツ・ポーランド〕


ジョディ・フォスター&ジョン・C・ライリー夫妻。
ケイト・ウィンスレット&クリストフ・ヴァルツ夫妻。
4人はブルックリンのフォスターのマンションの部屋で、
何やら会話している。


フォスターの息子とウィンスレットの息子は友達同士だが、
些細な事から喧嘩になり、
ウィンスレットの息子が、木の枝で、
フォスターの息子の顔を打ったのだ。


そのせいで、フォスターの息子は上唇を切り、
前歯を折った。
もしかしたら、歯の神経も駄目になっているかもしれない。
両夫婦は、今後の対応について話し合う為に、
ここに集ったのだ。


4人は事を荒立てるつもりはないらしく、
なんとか穏便に治めようとしているようだ。
話が終わり、部屋を出るウィンスレット夫妻だったが、
つまらない言葉尻から、
また部屋に逆戻り。
それを何度も繰り返す。


ところが会話をしてゆくうちに、
だんだん互いの本音が表れ始める。
さらに、話が佳境に入ると、
必ずヴァルツのケータイが鳴り、
長々と話を始め、それが他の3人の神経を苛立たせる。


ヴァルツは弁護士で、話の内容から察するに、
薬害訴訟の裁判に携わっているらしいが、
どうも薬の副作用を隠蔽しようと画策しているらしい。


さらにそこへ、入院しているライリーの母親から電話が入り、
処方された薬の名前を言う。
それを聞いて仰天するライリー・・・。





舞台劇の映画化という事で、
登場人物は4人だけ。
映画の時間進行と現実の時間進行が同じで、
4人の口がとにかく止まらないので、
粗筋を書き始めると、
きりがない感じ(笑)。


喧嘩って、当人たちは必死なんだけど、
端からそれを眺めると面白い。
本当に話し合わなければならない事柄からは、
どんどん離れていって、
気が付くと、全然違う事で言い争ってる。
自分にも覚えがある事だけれど。


この4人も、最初は子供の喧嘩について話し合っていた筈なのに、
夫婦の問題が露呈してきたり、
動物虐待についてや、
しまいには、アフリカの難民の事にまで
話が及んじゃってる(笑)。


そして、その合間合間に鳴るヴァルツのケータイ。
ある意味、この劇は、
ケータイ無くしては成り立たない。
一番重要な小道具と言ってもいい。


そんなヴァルツにキレたウィンスレットが、
ある行動に出て、ケータイが使えなくなるのだけれど、
その時、涙目になりながら放った彼の一言の馬鹿馬鹿しさったら。
あー、でもこれを私は笑えるのか、
笑えるけど、笑えない、そんな感じ。


ラストは大変に皮肉な感じで可笑しい。
この部屋で話し合った事は何だったんだろうって(笑)。


評価 ★★★★☆

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