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「ヤング≒アダルト」 [映画]

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〔2011年/アメリカ〕


ヤングアダルト向けの小説のゴーストライターをしている、
37歳のシャーリーズ・セロンは、
ある日、赤ちゃんの写真が添付されたメールを受け取る。


それは高校時代の恋人、パトリック・ウィルソンからで、
娘が生まれたとのお知らせだった。
セロンは、なぜか、
今の彼は幸せではないはずと勝手に決め付け、
故郷に帰って彼に会おうと、車に乗り込む。


故郷のバーで、偶然再会した高校時代の同級生・パットン・オズワルト。
彼は高校時代、ゲイだと誤解され、
酷い暴力を受け、
杖無しでは生活できないようになっていた。
しかし、話す事は常識的で、真っ当な人間だ。


翌日、待ち合わせの店に現れたウィルソンは、
すっかり良き父親になっていたが、
それでも、セロンは、現在の彼が不幸だと決め付ける心から、
逃れられない。
ウィルソンの家に行き、
妻・エリザベス・リーサーや、可愛い赤ちゃんに会っても、
気持ちは醒めたままだ。


赤ちゃんの命名祝いパーティに招待されたセロンは、
誰もいない部屋でウィルソンに迫るが、
きっぱりと拒絶される。
傷ついた気持ちの所に、
リーサーから誤って酒をかけられてしまったセロンは、
それがきっかけとなり、
自分の思いの丈を、出席者全員の前でぶちまける・・・。





もっとハチャメチャで、コメディな内容かと想像していたが、
なんだか痛くて辛い話だった。
その痛さを笑えればいいのだけれど、
シャーリーズ・セロンの行動は、
ちょっと笑える状況ではないのよ。


だって、凄い思考回路だよね。
昔の恋人が結婚して、赤ちゃんまで生まれたとなったら、
「ついに相手は手の届かない所に行っちゃったか・・・」と
諦めるのが大抵の人だと思うのだけれど、
「彼は不幸に決まってる」という、
根拠のない思い込みに捉われて、
相手の家にまで乗り込むなんて。


エリザベス・リーサーは、
母親同士でバンドを組んでいて、
その練習を、セロンが見に行くのだけれど、
メンバーたちは、セロンを見ても、
「今だに女王様気取り」と陰で言い、
声を掛ける事もしない。


確かに美人で、高校時代、男の子からはモテていたかもしれないけれど、
女の子からどう思われていたかが、
この一言で分かる。


そして、クライマックスの、
パーティでの騒動。
ここでセロンは、18歳の時の悲しい出来事を、
皆の前で告白する。
確かにそれは辛い思い出に違いない。
でも、だからといって、
人の家庭を壊していい理由にはならない。


パットン・オズワルトは、そんな彼女に、
とても的確な忠告をしてくれる。
いい場面だった。


セロンが一人でいる時の、
もさーっとした格好と、
化粧して、髪を整えて、ドレスアップした時のギャップが可笑しい。
私には彼女の、あの美しさが羨ましいよ(笑)。
あれだけ美しかったら、
何も昔の恋人なんか追いかけなくたって、
どんな夢でも叶いそうな気がするけれど(笑)。


評価 ★★★☆☆

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