「赤い風船/白い馬」 [映画]
フランスの映画監督・アルベール・ラモリスの、
短編が2作収録されたDVD。
2作とも1950年代に作られたものとの事だが、
全く古さを感じない。
もし去年の作品だと言われても、気付かない気がする。
【赤い風船 (1956年/フランス)】
パリの郊外で、通学途中の少年が、
街灯に赤い風船が引っ掛かっているのを見つける。
それを学校に持っていった少年は、
授業中は用務員さんに預け、
放課後、家に持って帰る。
以来、風船はまるで意思を持ったように、
少年の後を付いてくるようになる。
時に、少年を慕い、
時に、からかうように。
しかし、それを見た学校の友人たちが、
少年から風船を取り上げ、石をぶつけ始め・・・。
セリフは最小限に抑えられ、
少年と風船の「友情」をその動きだけで描いた傑作。
風船の赤い色が、大変に鮮やで、
本当に綺麗。
大きさも絶妙。
意思を持った風船という設定が斬新で、
本当に生きてるみたいな動きをする。
後半は、子供の残酷さが表されているけれど、
素晴らしいファンタジーだと思う。
評価 ★★★★☆
【白い馬 (1952年/フランス)】
フランスの海岸線にある湿地帯に住む、
野生の馬の群れ。
リーダーの白い馬は、精悍で、
馬飼いたちが捕らえようとしても、なかなか捕まらない。
しかし近くに住む少年は、あるきっかけから、
白い馬と仲良くなる。
馬飼いたちは驚き、
馬に乗った少年を執拗に追いかけ・・・。
「赤い風船」に、子供の残酷さが見え隠れするとするなら、
こちらは、
大人の残酷さを描いていると感じる。
ラスト、馬と少年を追いかける馬飼いたちは、
「なにもそこまで」と思うくらい、しつこい。
「もう勘弁してあげて」と言いたくなるくらいに。
白い馬が、
こちらもまるで物語を理解し、演じているかのような動きで、
感動する。
評価 ★★★☆☆