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「大菩薩峠 竜神の巻」 [映画]

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〔1960年/日本〕


前作のラストで相対した、机竜之介(市川雷蔵)と兵間(本郷功次郎)だったが、
霧の中で互いの姿を見失い、
決着がつかずに勝負は終わる。


竜之介は偶然知り合った植田丹後守(石黒達也)の家で世話になるが、
そこで会ったのが、
元妻と瓜二つの女・お豊(中村玉緒)であった。
お豊は竜之介を慕うが、
しつこく言い寄ってくる男・金蔵(片山明彦)に手籠めにされ、
そのまま夫婦のように暮らす事を強いられる。


竜之介はある事件から盲目となってしまい、
竜神の森へ逃げ込み、
そこでお豊と再会する。


竜之介を忘れられないお豊は、
金蔵の目を盗んで、竜之介の元へ逃げ出そうとするが失敗、
怒り狂った金蔵は村に火を放ち、
お豊のあとを追う。


一方、兵馬も竜之介をの居場所を突き止め、
ついに崖の上で一騎打ちとなる・・・。





全3作のうちの2作目。


1作目では、なんとも嫌な奴だった机竜之介だが、
今回は、クールなだけで、
特に性格の悪さは現れてはいない。


そうなると、どうしても「眠狂四郎」とキャラがかぶってしまうような気がして、
ちょっとハラハラした(笑)。
同じ市川雷蔵が演じているのだから、
仕方ないといえばそうなのだが。


中村玉緒が熱演している。
竜之介の元妻にソックリの女という役柄だが、
妻が文句ばかり言う女だったのに対して、
今回は純粋に竜之介を慕う、可愛い女。


彼女に言い寄る金蔵というのが、
現代で言えば完全にストーカーで、
だから余計に彼女の不憫な感じが引き立つ。


盲目になった竜之介は、
「これで我が子に会っても分からない」と言う。
生き別れた子供の事なんて、
これっぽちも考えていない風情だったから、
ちょっと驚いた。
彼の人の親だったというわけね。


評価 ★★★☆☆

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