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「自由学校」 [映画]

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〔1951年/日本〕


佐分利信は、現在の生活に疑問を持ち、
「自由がほしい」と考え、
妻・高峰美枝子に内緒で会社を辞めてしまう。


それを知った高峰は激怒、
大喧嘩の挙句、佐分利は家を出てしまう。


佐分利は、偶然知り合ったホームレス・東野英治郎の、
橋の下の住処に連れていかれ、
そこで生活するようになる。


帰ってこなくなった夫に不安を覚えた高峰は、
夫の伯父の家に相談に行くが、
高峰が夫に出て行かれたと知ると、
伯父の友人・清水将夫や、夫の甥・佐田啓二や、
近所の男・笠智衆などが、
盛んに彼女を誘惑しようとする。


佐分利は無事に帰ってくるのか。
夫婦は元に戻るのか。
自由とは何なのか・・・。





タイトルだけだと、学校物か何かと勘違いしそうだが、
当時の思想や風俗を描いた、
ちょっと変わったコメディ。


一番強烈なのは、佐分利信の甥を演じる佐田啓二。
彼が話すのは、なぜか女言葉。
今流行りのオネエみたいだが、
ゲイではないようで、
ナヨナヨした態度で、
「おばさまぁ、おばさまぁ、ボク、おばさまが大好きなんですぅ」と、
ずっと高峰美枝子の後を追ってくる。


そういえば、小津安二郎監督の「東京暮色」でも、
有馬稲子を妊娠させる男が、
こんなタイプだったと記憶している。
現代にはちょっといない男の子だが、
当時は、こんなのが流行っていたのだろうか。


自由を求めて家を出た佐分利だけど、
そういう意味では佐田が一番自由。
「男は男らしく」の枠にとらわれず、
まだ大学生という身の上もあって、
好き勝手している。
まぁ、卒業したらどうなるか分からないけど、
選ぶ職業にもよるだろうし。


笠智衆にも驚きだ。
彼は高峰を力で自分のものにしようとするが逃げられる。
そんな笠さんを見るのもショックなのに、
キレて、その辺にある椅子なんかを
ぶん投げたりしている。
今まで観た笠さんのイメージが変わってしまう(笑)。


16日に亡くなられた淡島千景さんが、
佐田の婚約者の役で出ている。
別に狙って借りたわけではなく、
偶然なので驚いた。
とにかく元気な女の子で、
やっぱりちょっと変わっている役(笑)。
若くて可愛かった。


評価 ★★★☆☆

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