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「ストーカー」 [映画]

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〔2002年/アメリカ〕


大きなショッピングセンターの中の、
写真店に勤務するロビン・ウィリアムズは、
店の常連客である、ある家族に憧憬を抱いていた。


マイケル・ヴァルタンとコニー・ニールセン夫妻、
そして彼らの一人息子の生活を、
ウィリアムズは写真を通していつも見ていた。
家族も、恋人も、友達もいない天涯孤独な彼にとって、
ヴァルタン一家は理想の家族だった。
カウンターにフィルムを出しにくるニールセンは美しく、優しく、
いつしかウィリアムズは、
自分も彼ら家族の一員となった妄想に耽るようになる。


ある日、フードコートで食事をしていたニールセンに、
偶然を装い近付いたウィリアムズは、
彼女が夫の浮気で悩んでいる事を察する。
理想だと思っていた家族の、まさかの崩壊。
さらに彼は、日頃の勤務態度を理由に、
上司から突然の解雇を言い渡されてしまう。


失意のどん底に落ちたウィリアムズは、
ある行動に出る。
狂気にかられたように・・・。





これは邦題が良くない。
ロビン・ウィリアムズは、
思い込みが激しく、ちょっと変態っぽいオッサンだが、
一般に言われるストーカーとは違う気がする。
原題は、「One Hour Photo」。


確かに、ある家族の事を、
自分の家族のように妄想するのは変だし、
彼の部屋もかなり変態チックではあるけれど、
解雇される前の彼は、
犯罪らしい犯罪はしていない。


ウィリアムズは、コニー・ニールセンのバッグに入っている本のタイトルを見て、
(あくまでも盗み見ただけで、バッグをいじってはいない)
自分も同じ本を買い、
さり気なく、ニールセンの前でそれを読んで見せる。
当然ニールセンは喜び、話に花が咲く。


これをウィリアムズが演じるから、
気持ち悪く感じるけれど、
例えば、若くてカッコいい学生が同じ事をしたらどうだろう。
可愛らしい恋愛物語になるんじゃないか。
結局、「何をしたか」より「誰がしたが」が問題なのよね。


常軌を逸してからのウィリアムズの行動は、
孤独な中年男が、ちょっとやらかしちゃいましたって感じ。
彼は刑事に、
自分の人生の原点を話すのだけれど、
それがなんだか取って付けたような感じで、
そんな理由は必要ないんじゃないかと、
わたし的にはそう思った。


評価 ★★★☆☆

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