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「私の秘密の花」 [映画]

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〔1995年/スペイン〕


マドリードで暮らす中年女性、マリサ・パレデスは、
アマンダ・グリスという名前で小説を書く売れっ子覆面作家。
編集者以外は、彼女の素性を知らない、
謎に満ちた小説家。


彼女は、夫イマノル・アリアスを深く愛していたが、
軍人である彼は、赴任先に行ったきり、
殆ど帰って来る事がなく、パレデスの淋しさは
頂点に達していた。


ある日パレデスは、夫からプレゼントされたブーツが脱げなくなり、
親友カルメン・エリアスに助けを求める。
パレデスの不安定ぶりを心配したエリアスは、
新しい編集者ファン・エチャノベを紹介する。
エチャノベはパレデスに一目惚れしてしまうが、
夫に夢中の彼女は気付かない。


そんな時、突然、夫から連絡が入った。
空き時間が出来たので、
自宅に24時間滞在出来ると言う。


有頂天になったパレデスだが、
帰ってきた夫の態度は余所余所しく、
しかも2時間しか居られないと言い、
早々に部屋を出てゆく。


ショックのあまり睡眠薬を大量に飲んだパレデス。
連絡が取れない彼女を心配したエリアスは、
彼女を訪ねてくるが、
そこでエリアスは
追い討ちをかけるような事実を告げる。
なんと、夫とエリアスは付き合っていると言うのだ・・・。





夫婦、というより、男女の愛情も、
温度差があり過ぎると、
本当に悲しい事になると思わされる映画。


夫が帰ってくる日、マリサ・パレデスは、
真赤なドレスを着て、
全てをパーフェクトに整えて、
彼を迎える準備をする。


しかし帰ってきた夫は冷たく、
明らかに愛が冷めているのが、
こちらにも伝わってくる。
パレデスのはしゃぎっぷりが滑稽に見えるくらいに。


で、結局、激しい言い争いになる。
しかしどんなに相手を責めても、
失った心は戻る事はない。


悲しいけれど、それはもう仕方がないんだよね。
一度はどん底に落ちた彼女だけれど、
母親やファン・エチャノベや、
様々な人に支えられて再生してゆく。


劇中、とても面白いと思った事があった。
パレデスが書いた小説で、
“自分の娘に乱暴しようとした夫を殺した女が、
 冷蔵庫に夫の死体を隠す”
というストーリーがあって、
それが映画化されているというのだけれど。


それって、この映画と同じ監督の作品、
「ボルベール」の話じゃないかと気付いて、
なんだか嬉しくなっちゃって。
「ボルベール」は2006年の作品だから、
11年もずっと温めてきたのかなぁって。


今回は私がたまたま気付いただけで、
他にもそういう事ってあるんだろうなぁと思う。
そんな風に、映画同士の繋がりに気付くのって嬉しい。


評価 ★★★☆☆

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