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「フェア・ゲーム」 [映画]

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〔2010年/アメリカ〕


ヴァレリー・プレイム(ナオミ・ワッツ)は、
CIAの秘密諜報員。
私生活では、
元ニジェール大使の夫ジョー・ウィルソン(ショーン・ペン)と、
双子の子供を育てる多忙な日々だ。


9.11以降、ブッシュ大統領は、
イラクを大量破壊兵器保持国として、
攻撃準備を進めていたが、
プレイムは極秘捜査の末、
イラクにそのような兵器は存在しない事を突き止める。


だが、ブッシュはプレイムの報告を無視、
イラクを攻撃する。
もしイラクに大量破壊兵器が無ければ、
ブッシュは大罪を犯した事になり、
政権は揺らぎかねない。


そんな時、
ある人間のリークにより、
プレイムがCIAの諜報員という事がバラされ、
脅迫電話や世間の中傷、
さらに、友人たちまでが彼女から離れ、
彼女の私生活は次第に危ぶまれる事態となる・・・。





アメリカで実際に起こった、
「プレイム事件」、
そしてヴァレリー・プレイムが出版した回顧録を元に、
映画化された作品。


不勉強な私は、
この事件について詳しくは知らず、
ただ、イラクに大量破壊兵器は存在しなかったという
結論だけをニュースで見ただけなので、
それほどピンとくる内容でなかったのは事実。


ただ、ブッシュ大統領の実際の演説が、
何度も出てきて、
その胡散臭さが強調されているように思えた。
アメリカとは何の関係もない私でも感じる、
なんというか、あの元大統領から受ける変な違和感が、
そのまま表わされている印象。


それから、
アメリカ人にとって、CIAというのは、
どのような存在なのだろうとも思った。
もし私の友人が、実はCIAの諜報員だという事が分かったら、
「すげー、カッコいいー」と思う事こそあれ、
友人の縁を切るなんて、
勿体なくて出来ない気がする(笑)。


それとも、友人に偽りの職業を語っていたのが、
駄目だったのかな。
クリントン大統領の「不適切な関係」が発覚した時、
アメリカ国民は、
「不倫より、それを隠そうと嘘をついた事の方が罪だ」という
意見の方が多かったと、何かで読んだ。


もちろん、日本人だって嘘は嫌いに決まってるけど、
友人が、そんな重大な仕事を隠していたら、
相手の事情を慮って、
その嘘を責めたりはしない気がしたのだけれど、
違うのかな。


なーんて、そんな庶民レベルのお話じゃないんだけどね。
庶民の目線でしか物事を測れない、
庶民な私(笑)。


評価 ★★★☆☆

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「メグ・ライアンの男と女の取扱説明書」 [映画]

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〔2009年/アメリカ〕


メグ・ライアンとティモシー・ハットンは、
仲の良い、理想の夫婦だった。
少なくとも、今日までメグちゃんはそう思っていた。


しかし、休暇で出掛けた別荘で、
メグちゃんは離婚を切り出される。
ハットンには若い愛人がいて、
明日からパリ旅行に行くと告白されたのだ。


メグちゃんは怒り、言い争いの末に投げた物が、
ハットンの頭に当たり、彼は気を失う。
意識を取り戻した時、
彼はバスルームの窓際にあるトイレに、
ビニールテープでグルグル巻きにされている自分に気付く。


メグちゃんは、なんとかハットンの愛情を取り戻そうと、
結婚式のフィルムを見せたり、
思い出を語ったりするのだが、
ハットンの冷めた心は変わらない。


メグちゃんはハットンをそのままにして買い物に出掛ける。
外を見ると、芝刈り業者の若者、ジャスティン・ロングが作業をしており、
ハットンは大声で助けを求める。
家に入ってきたロングだったが、
彼は強盗に豹変、金目の物を盗み始める。
そこにメグちゃんが帰宅、
彼女もビニールテープに巻かれ、
ハットンのいるバスルームに放り込まれてしまう・・・。





昨日に引き続き、またも懲りずにメグちゃん。
でも昨日の「ハリウッド式~」よりは、
ずっと面白い。
もちろん比べたら、の話ではあるが(笑)。


全盛期の勢いはもちろん無いが、
それでもメグちゃんの良さが出ている映画だと思う。
可愛くて、元気で、
表情がくるくる変わって、
若い女の事で頭がいっぱいの夫を相手に、
早口で喋り続けるメグちゃんは、昔のまま。


愛人役はクリステン・ベル。
彼女は空港に現れないハットンを探しに別荘まで来て、
これまた、強盗にグルグル巻きにされて、
バスルームに放り込まれるのだが、
そこでのメグちゃんとのバトルも見物だ。


親子といっても不自然でないくらい、
年の離れたメグちゃんとベルだし、
2人が一緒の画面にいると、
メグちゃんの年齢もそれなりに感じるが、
そんな若い娘を相手に、
本気でやり合うメグちゃんが可愛い。
ジャスティン・ロングの、
「若い方より、年増の方がいいな」と言うセリフもある(笑)。


それにしても、
この邦題は何なんだ?
品格のかけらもないし、内容とも全く関係ない。
原題は、「Serious Moonlight」なのだから、
もっと素敵なタイトルを思い付きそうなものなのに。
劇場未公開だけれど、
これじゃ、メグちゃんファンも、
DVDをレンタルする気も萎えちゃうよね。


ラストは、ちょっとしたオチがある。
可笑しいような、怖いような。


評価 ★★★☆☆

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「ハリウッド式 恋のから騒ぎ」 [映画]

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〔2008年/アメリカ〕


ウィリアム・H・メイシーは、昔は鳴らした映画プロデューサーだったが、
今は落ちぶれ、どん底の日々。

死んでしまおうと思っていた所に、
甥が脚本を持って訪ねてくる。
それを映画化し、起死回生を狙うが、
事はそう上手くはいかない。


彼は、辣腕プロデューサー、メグ・ライアンと組み、
南アフリカでロケをする事となるが、
ユダヤ人が主人公だというのに、
その役に黒人のアクションスターを据えるなど、
もう、めちゃくちゃ。
(ユダヤ教に改宗したという事だが)
さらに、その主演俳優が誘拐されてしまう。


そんな状況だというのに、
メイシーとメグちゃんは愛し合うようになる。
メグちゃんには婚約者がいるってのに・・・。





カンボジアでのメグちゃん遭遇事件の衝撃が、
いまだに私の頭から離れず、
あの嬉しい気持ちを、時々頭の中の引き出しから取り出しては、
飴玉のように心で転がしては楽しんでいる日々である。


そんな興奮も冷めないうちに、
何かメグちゃんの映画を、と思ったのだが、
「イン・ザ・カット」までの作品は殆ど観尽くしているので、
仕方なく、というわけではないが、本作を観てみた。


でもでも、
正直、つまらなかった(笑)。
メグちゃんの早口のセリフまわしは健在なのだけれど、
なんだかドタバタドタバタしていて、
全てのエピソードが空回りしている。


ウィリアム・H・メイシーも嫌いじゃないけど、
メグちゃんとはちょっとカラーが違うというか、
2人の質感が合わない。


しかも、2人のラブシーンが最悪で。
コメディでも、
せめてそういった場面はロマンティックに撮ってほしいのに、
なんなんだ?あれは。
初めて結ばれたって2人があんな・・・。
美しくないし、ふざけすぎ。
日本未公開なのも分かる気がする(笑)。


殆ど観ているとは言っても、
「キスへのプレリュード」や「恋の闇 愛の光」など、
未見の作品がまだ数本は残っているので、
そのうち、それら昔の作品を観てみます。


評価 ★★☆☆☆

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「キリング・フィールド」 [映画]

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〔1984年/イギリス・アメリカ〕


1973年。
ニューヨークタイムズの記者、シドニー・シャンバーグ(サム・ウォーターストン)は
内乱の続くカンボジアを取材するため、
首都プノンペンに来た。
カンボジア人のディス・プラン(ハイン・S・ニョール)が、
通訳やガイドや仕事の手伝いをしてくれる事になる。


プランは誠実で実直な男で、
シャンバーグの取材の為に大きな力となる。
シャンバーグはスクープをものにし、
2人は強い友情の絆で結ばれてゆく。


翌年、ポル・ポト政権が誕生し、
プランの家族は安全の為、アメリカに移住する。
シャンバーグ、そして、
ロックオフ(ジョン・マルコヴィッチ)、ジョン・スウェイン(ジュリアン・サンズ)の
3人の記者は兵士に捕まるが、
プランの必死の頼みにより、釈放される。


3人は、パスポートを持たないプランを、
何とか一緒にアメリカに行かせようとするが失敗、
プランだけを残して帰国する事になってしまう。


シャンバーグはプランの消息を知ろうと、
様々な手を打つが、手がかりが掴めない。
その頃、プランは、
ポル・ポト政権による過酷な運命に翻弄され、
生きる事さえ危うい状況にいたのだ・・・。





カンボジア旅行の感動がまだ体に残っているうちにと
観てみたのだが、
これは想像以上の内容であった。


ディス・プランを演じるハイン・S・ニョールが、
素晴らしくいい。
短い旅行だったが、私が感じたカンボジアの皆さんそのままの印象。
とても親切にして下さったガイドさんとイメージが重なった。


彼はアメリカ人記者の助手という立場だが、
卑屈になるわけでもなく、
どちらが上でも下でもなく、
強い信頼関係を築いてゆく様子に感動する。


シドニー・シャンバーグたちも、
プランを国外脱出させるために必死になり、
パスポートを偽造するという手段に出る。
けれど、本当に惜しい所で失敗。
涙が出そうなくらい、ガッカリする場面だ。


その後のプランの運命は筆舌に尽くし難い。
国民の三分の一を殺したという、
ポル・ポト政権による大虐殺。
知識層は全て殺されたという事だが、
医者、学者はもちろん、
メガネをかけているだけで、その対象になったという。
英語やフランス語を話せるプランは、
当然知識層と見なされる為、
農村で無学を振る舞いながら、
脱出の機会を窺う。


無数の白骨死体が転がる沼地を行く場面は、
想像を絶する。


ラストは、涙なくしては見られない。


評価 ★★★★☆

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「バトル・ロワイアル」 [映画]

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〔2000/日本〕


新世紀。
年に一度、全国の中学3年生の1クラスを選び、
互いに殺し合いをさせ、
最後に一人生き残った者を勝者とする、
新世紀教育改革法(BR法)が施行される。


藤原達也と彼のクラスメイトたちは、修学旅行の途中、
無人島に連れてゆかれ、
担任の北野武から、
今年は自分たちのクラスがBR法に選ばれた事を知らされる。


ルールは無し。
とにかく殺し合い、生き残る事。
武器の入ったリュックを渡されるが、
何が入っているかは時の運。
拳銃、機関銃、ボーガン、鎌、斧、毒薬、
中には、鍋の蓋、ハリセンなど、
全く役に立たない物に当たってしまう者もいる。


首には金属でできた首輪がはめられ、
何か機械がついており、
行動は逐一チェックされる。
死んだかどうかもそれで分かる。


生徒たちは大混乱となり、
島の各場所に散らばって、
ある者は殺し合い、
ある者は助け合い、
3日間の時を過ごす・・・。





公開された当時はかなり問題とされた映画だと記憶しているが、
観そびれたままになっていた。
別に道徳的な理由ではなく、
単純に観る機会を失しただけだが。


別にそれほど凄くはない。
極限状態に置かれた人間の行動を観察する映画は、
他にも沢山あるし、
ただ、中学生がそれをするというのが問題なのだろう。
分からなくもないけど、
これを観た中学生が、即座に真似をするとも思えない。
もしそんな奴がいたとしたら、
それは元々、そういう気質を持っていたのではないか。


それに、生徒たちは全員が殺し合うわけではない。
単独行動の者もいるけれど、
何人かでかたまって、
島を抜け出す道を模索する者もいる。


映画が始まってすぐの頃は、
いっそ、ルール説明会の場で殺された方がマシかもと思った。
クラスメイトを殺すのは絶対に嫌だし、
逆に、殺されるのは大変に辛そうだ。
なにせお互い中学生。
即死するほどの傷は与えてくれそうにもないし、
生殺しの状態で苦しむほど辛い事はないと思ったから。


しかし、生き残りを賭けて頑張る者たちを見て、
やっぱり諦めてはいけないと思ったよ。


生徒たちの面子が凄い。
藤原竜也、前田亜季、柴咲コウ、栗山千明、塚本高史、安藤政信、
そして、最近、社会的発言で話題になった二人、
山本太郎と高岡蒼佑も共演している。
なんだか豪華(笑)。


評価 ★★★☆☆

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