SSブログ

「眠狂四郎 女地獄」 [映画]

nemurionnajigoku.jpg
〔1968年/日本〕


眠狂四郎(市川雷蔵)は、
見知らぬ密使が殺される場に行きあい、
伝令の書かれた鹿の子しぼりの布を預かる。


しかし、それが密書とは気付かなかった狂四郎は、
通りすがりの角兵衛獅子の少女の髪に、
その布を飾ってやってしまう。


ところが、そのせいで少女と弟は殺され、
責任を感じる狂四郎。


さらに、密書を預かった事から、
佐伯藩国家老堀采女正と城代家老稲田外記の
権力争いに巻き込まれ、
狂四郎は両方から命を狙われることになってしまう・・・。





シリーズ10作目。


こりゃまたすごいサブタイトルだよ(笑)。
これは、どんな展開なのかとちょっと期待していたが、
それほどの事はなかった。
まぁ、いつもと変わらず、
狂四郎を陥れようと企む輩の作戦が
全て色仕掛けというだけ。


ただ、狂四郎のセリフがカッチョいい。
「俺と関わるな。俺と関わった女は必ず不幸になる」とか、
「今日抱くことが明日を約束することにはならん」とか。
そうそう、夫を亡くして淋しいと言う女には、
「抱いてしんぜよう」てのもあった。
しんぜようって(笑)。


狂四郎の特徴として、
頼み事をしてきた女には、
その報酬として「操をいただく」とすぐ言う。
さらに、彼は、
その女が男を知っているか否かを見抜く能力があるらしい。
はぁ・・・(笑)。


田村高廣や伊藤雄之助や小沢栄太郎など、
キャストも豪華。


評価 ★★★☆☆

nice!(16)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

「農夫の妻」 [映画]

noufunotsuma.jpg
〔1928年/イギリス〕


農場を営むサミュエル・スィートランドは、
妻に先立たれ、空しい毎日。


さらに一人娘も結婚して、家を出てゆき、
いよいよ淋しくなった彼は、
再婚を決意する。


彼は家政婦のミンタに、
誰と再婚しようか相談し、
3人の候補者が挙がる。


3人それぞれと会ってはみたが、
相手にされないスィートランド。
ガッカリして家に帰ると、
そこには可愛くて働き者のミンタがいた。
彼は、一番身近なミンタの存在を忘れていたのだ・・・。





ヒッチコック初期のサイレント映画。
結婚相手を探す中年男が主役なのだが、
このオッサンがまた我儘で(笑)。


妻候補を3人に絞ったのはいいけれど、
プロポーズして断られると、
激しく逆ギレ。
そんなにキレられたって、
振られたんだから仕方ないじゃんと言いたくなる(笑)。


まぁ、3人の女たちも、
今一つなんだけどね。
一人なんか病的なヒステリーで、
暴れだしたら止まらないし(笑)。


素晴らしいなと思った演出があった。
亡くなった妻がいつも座っていた椅子に、
3人の女が座る様子を想像してみたスィートランドだけれど、
どれもしっくりこない。
けれど、ミンタが座った途端、
ハッとする。
なんだか素敵だった。


偶然だが、昨日のニュースで、
ヒッチコックの助監督時代の映画が発見されたとあった。
1923年の作品だそうだ。
ヒッチコックらしさが随所に表れているという。
いつか観てみたいな。


評価 ★★★☆☆

nice!(10)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

◆ねえだっこして◆ [本]


ねえだっこして

ねえだっこして

  • 作者: 竹下 文子
  • 出版社/メーカー: 金の星社
  • 発売日: 2004/05
  • メディア: 大型本


絵本は子どものものだと思われがちだけれど、
本書で描かれている、
悲しい気持ち、
切ない気持ちは、
やっぱり大人になってこそ、
本当の意味で理解できるんじゃないだろうかと思う。


今まで自分の場所だった,
居心地のいいおかあさんのひざや、
温かい腕の中が、
赤ちゃんが生まれた事で、
奪われてしまった猫の気持ちは、
涙が出そうなくらい健気だ。


赤ちゃんは小さいから、
その場所は譲るけれど、
本当は私だって抱っこしてほしい。
おかあさん、おかあさん、おかあさん、
時々でいいから私を抱っこして、と。


著者の意図は分からないけれど、
勝手に想像するなら、これは、
猫という設定にはなっているけれど、
弟や妹が生まれた上の子の気持ちを表していると言っていい。


全ての大人にこの絵本を薦めたい。

nice!(11)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

「神様のカルテ」 [映画]

kamisamanokarte.jpg
〔2011年/日本〕


信州、松本で暮らす櫻井翔と宮崎あおい夫婦。
櫻井は内科医として、
「365日24時間応対」ができる病院に勤務。
宮崎はプロのカメラマン。


医師の少ないこの病院での勤務は、
あらゆる症例の患者を診察せねばならず、
櫻井は疲れ切っていたが、
宮崎の愛情や、
同僚医師や看護婦に支えられ、
なんとか乗り切ってきた。


そんな彼に、大学病院から、
勤務の誘いが来る。
最新の医療機器と、きちんとした勤務体系には
心惹かれるものがあったが、
現在の病院から離れる気持ちにもなれず、
櫻井の心は揺れる。


そんな時、余命半年と診断された、
末期癌患者、加賀まりこが入院してくる。
加賀を診察していくうちに、
櫻井は、自分の求める医療の在り方を
見出してゆく・・・。





観ているだけで、
櫻井翔の疲労が、こちらまで伝わってくる内容。
救急病院の忙しさは、
想像していたよりも、ずっと凄い。


末期癌についても考えさせられる。
加賀まりこは、
身寄りのない自分の処遇について、
便箋に箇条書きで、それを記すのだが、
ああ、分かるなぁ、って。


もしも病気になった時、
人が願う事はそれぞれ違うだろうし、
何が正しいとは言えない。
だから、出来る範囲で、
その患者さんの願いを聞き入れられたらいいのになぁ、と、
そんな風に、日頃から考えていたから。


加賀まりこが素敵。
自分の老いをちゃんと受け入れて、役をこなしている。
彼女が二回下血するシーンがあって、
それがちょっとショック。
私が考えていたより、
それはずっと重いものなのだと初めて知ったから。


櫻井翔は、ちょっと変わり者という設定で、
夏目漱石をこよなく愛し、
宮崎あおいを愛するあまり、
先走った事を口にするのが可笑しい。


宮崎あおいは、若手女優の中では、
一番好き。
ただ、櫻井との夫婦関係は、私には今一つだった。
宮崎の、櫻井への話し言葉が、
最後まで敬語で、ああいうのは苦手。
原作がそうなのかもしれないけれど。


評価 ★★★☆☆

nice!(12)  コメント(2)  トラックバック(1) 
共通テーマ:映画

「世界侵略:ロサンゼルス決戦」 [映画]

sekaishinryakuLosAngeles.jpg
〔2011年/アメリカ〕


ある日、地球の各地、特に沿岸部に、
大量の隕石が落ちてくる。
通常、そのような場合、
宇宙観測で早くから分かるものなのだが、
なぜか今回、ギリギリになるまで誰も気付かずにいた。


しかし、隕石だと思われたそれは隕石ではなく、
地球外生物による侵略だった。
次々と攻撃され、陥落してゆく大都市。


そんな中、海兵隊を退役しようと決めていたアーロン・エッカートは、
エイリアン撃退と民間人救出を命じられる。
彼がいるロサンゼルスも壊滅状態で、
遺体がそこここに転がり、
街は見る影もない。


5人の民間人を発見した海兵部隊は、
彼らを守りながら、
エイリアンと壮絶な闘いを繰り広げる。
果たして地球は救われるのか、
人々の運命は・・・。





これはSFの名を借りた戦争映画と言ってよい。
エイリアン相手に、
訓練された米兵たちが、ひたすら撃ちまくる、殺しまくる。
救出された民間人の中には、
子供も二人いるが、
そこに人間ドラマは殆ど感じられない。


戦争映画よりクールなのは、
相手がエイリアンなものだから、
敵を殺すにあたっての、
良心の呵責も、罪悪感もない点。


今まで多数観てきた、
地球攻撃物と、そう変わりなく、
特筆すべき点はあまりないが、
つまらなくはなかった。
戦闘場面は夢中になれる。


もし本当にエイリアンが攻めてきたら、と、
空想に浸る事もできる。
無いとは思うけれど、絶対というわけではないし、
そうなったら、どうやって逃げようかと、
脳内シュミレーション。
アーロン・エッカートが好きというのも、
楽しめた一因であろう。


訓練された兵隊というのは、
やはり違うものだなと思った。
これは、戦争に繋がる危険な思想なのだろうか。
アメリカの軍隊宣伝映画という見方もあるようだが。


エイリアンの姿をもっとハッキリ描いてほしかったな。
それにあんまり強くないし(笑)。


評価 ★★★☆☆

nice!(13)  コメント(2)  トラックバック(1) 
共通テーマ:映画