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「炎のランナー」 [映画]

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〔1981年/イギリス〕


1919年、イギリス。
ハロルド・エイブラハムズは、名門ケンブリッジ大学に入学したが、
ユダヤ人である自分と、
また、彼をユダヤ人として特別な目で見る周囲の人間を強く意識し、
差別を撥ね返すべく、陸上競技に情熱を燃やす。


一方、宣教師、エリック・リデルは大変な駿足で評判だったが、
彼にとって走る事は、神の為であった。


走る目的は全く異なる二人。
1923年のロンドンでの競技会で初めての対決をし、
僅差でリデルが勝つ。


エイブラハムズは、イタリアとアラブの血が混じったコーチ、
サム・ムサビーニを雇い、自分の指導を依頼するが、
大学の学長と寮長から、
金で雇ったコーチを使うとは、アマチュア精神に反する事と、
コーチの人種の問題から、
非難を受ける。
しかし、彼はそんな事は意に介さず、
自分の決めた道を進む。


そして、エイブラハムズ、リデルの両者は、
1924年のパリオリンピックの出場権を得る。


ところが、問題が起こる。
リデルの出場する100メートルの予選が日曜日であり、
日曜日は安息の日だと、固く教義を守っているリデルは、
出場辞退を申し出たのだ。


オリンピック選手より前に、宣教師でありたいとの思いが強いリデルに、
誰も説得できない。
しかし、エイブラハムズの学友、アンドリュー・リンゼイが、
自分の400メートルの権利をリデルに譲ると申し出る事で、
問題は収束。


100メートルのエイブラハムズ、
400メートルのリデル、
果たして二人の結果は・・・。





オリンピックがまだ商業主義に走らず、
選手個人の側から、
その生き様が描き出された映画。


オリンピックの開会式から、
今との違いに驚く。
会場は、どこかの小さな競馬場かと思われるほど狭く、
観客も少ない。


今の華やかな、
ショー化したオリンピックを否定するつもりはないし、
それはそれで楽しくて好きなのだが、
こんな時代もあったんだなぁと、
少し原点に戻っても良いような気もした。


ただ、陸上の短距離って、
映画にしにくいのね。
競技時間があっと言う間で、
野球やボクシングのようには、
見せ場を作れない。
仕方のない事だけれど。


評価 ★★★☆☆

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