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「リッチ・アンド・ストレンジ」 [映画]

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〔1931年/イギリス〕


ヘンリー・ケンドールは、仕事に疲れたサラリーマン。
今日も不快な満員電車に揺られ、帰宅の途へ。


彼の妻、ジョーン・バリーは慎ましい性格で、
倹約して家を持つ夢を持っているが、
ケンドールには、その気持ちは上手く伝わっていない。


ケンドールな退屈な毎日に辟易しており、
どこか遠く旅してみたいと願っているのだ。


ある日、そんな二人の所に、伯父から手紙が届く。
なんとそれは、
「費用を持ってあげるから、二人で旅行しなさい」という内容だった。


二人は早速、豪華客船の船旅へ出発する。
楽しみにしていたはずの旅だったが、
船内で、
ケンドールは、王女と呼ばれる金持ち女と、
バリーは、中佐と呼ばれる中年男と、
それぞれ恋に落ちてしまう。


二人は互いに、新しい相手と、新しい生活を始めようとするが、
すんでの所で思い留まり、元の鞘に納まる。
しかし、その後、思いも掛けない運命が二人を待ち受ける・・・。





ヒッチコックの初期の頃の作品であるが、
日本未公開だそうで、
そのせいか、いくつか別のタイトルで紹介される事もあるようだ。
一番有名なのは、「おかしな成金夫婦」であるが、
これだとコメディのような印象を与えてしまい、
(多少はコメディの要素もあるが)
ちょっと違うかも。
もう一つの、「金あり怪事件あり」の方がまだいいかもしれない。


ヘンリー・ケンドールが物凄く嫌な男で、
こんな男を愛して、尽くしているジョーン・バリーが、
なんだか可哀想だった。


だから、ケンドールと王女の恋は、全く共感できなかったけれど
バリーと中佐の恋は、
ケンドールと生活を続けるより、
彼女がずっと幸せになれそうで、応援していたのに。


夫婦がもう一度やり直そうと決めた後、
起こった事件は、
作品のカラーが変わってしまうような出来事である。
「え!?そうなるの?」といった感じ。


ラストは、
「夫婦なんて、そんなものさ」という
ヒッチコックの声が聞こえるようなオチ。


しっかし、そんな事より、
私も、豪華客船旅行の費用を
全額出してくれる伯父さんがほしいよ(笑)。


評価 ★★★☆☆

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