SSブログ

「狼の死刑宣告」 [映画]

ookaminosikeisennkoku.jpg
〔2007年/アメリカ〕


妻と二人の息子に恵まれ、幸せに暮らすケビン・ベーコン。
彼自身もエリートで、経済的にも恵まれている。
高校生の長男は、アイスホッケーの有望選手で、
ベーコンはそんな息子を誇りにしてきた。


しかしある日のホッケーの試合の帰り道、
立ち寄ったガソリンスタンドで、
街のごろつきグループによる強盗に遭遇。
長男が巻き込まれ、殺されてしまう。


そのうちの一人が逮捕されたが、
連中は人の命など何とも思わない奴らで、
裁判で重罪にできる可能性がないと知ったベーコンは、
犯人の顔をよく覚えていないと証言。
わざとそやつを街中に放った。


ベーコンはそやつに復讐する。
しかし、仲間を殺されたグループは怒り、
犯人はベーコンだと知り、
復讐の連鎖が始まる。


特にグループのリーダー格の男は、
ベーコンが復讐した男の兄であり、
そのお返しと言わんばかりに、
ベーコンの妻と次男を標的に、自宅に押し入る。
そして、妻は死に、次男は重傷を負う。


ベーコンも重傷を負い、入院するが、
そこを抜け出し、彼らのアジトへ。
激しい復讐戦が起こる・・・。





家族を殺された者の復讐劇は多数あるが、
本作も従来のパターンを踏襲しており、
それが逆に、安心して観ていられる。
セオリー通りに話が進む。


ケヴィン・ベーコンが前半はエリート、
後半はテロリストみたいな容貌になるのが面白かった。
髪を自分で坊主にするのだが、
後頭部に剃り残しがあったりするのが、
リアルで上手い演出だと思ったな。


評価 ★★★☆☆

nice!(3)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

「ホワイト・オランダー」 [映画]

whiteoleander.jpg
〔2002年/アメリカ・ドイツ〕  


アーティスト、ミシェル・ファイファーは、
自由に生きる女。
一人娘アリソン・ローマンと暮らしている。
ローマンにとって、美しく個性的なファイファーは世界の全てで、
ファイファーもまた、娘に人生を教えて生きてきた。


ところがある日、ファイファーは自分を捨てようとした恋人を殺害し、
逮捕されてしまう。
保護者がいなくなったローマンは、
ロビン・ライト・ペンと彼女の同棲相手、コール・ハウザーの家に里子に出される。


元ストリッパーのペンは、狂信的なキリスト教信者であり、
里子を何人も家に置き育てているが、
反面、子どもが隣室にいても憚らずハウザーと交わる、
里親にはあまり適格でない人物である。
仕舞いには、ローマンとハウザーの仲を疑い、
ローマンは銃で撃たれてしまう。


次の里親は、売れない女優レニー・ゼルウィガーとその夫。
ローマンはゼルウィガーと上手くいっていたが、
夫に浮気されて苦しむゼルウィガーは、
離婚を言い渡されて自殺してしまう・・・。





この物語は、ローマンと里親たちの話がメインではない。
娘の人生を操作しようとするファイファーとローマンの確執が主題なのである。


ファイファーは時々面会に来るローマンに
アドバイスを与える様子を見せながら、
実は娘を縛りつけ、遠隔操作し、
自分の思うままにさせようとしているのである。
しかしローマンはそれに気付き、自分を解放してほしいと願う。


特に感動はなかった。
娘の人生に関わろうとする母親は、意外と世間に多いと聞くし、
そういった親が存在する事も否定しない。


しかし、この映画の場合、
母親は刑務所に入っていて、
娘は母親と接していない時間の方が圧倒的に長いのだ。
たまに会う母親が何か言ったからといって、
そこは適当に受け流して、
あとは自分の思う通りに生きられるはずだ。
それでも嫌なら面会に行かなければいい。


元はと言えば、母親のせいでそんな苦しい人生を歩まされているのだ。
無視したって罰は当たるまい。
まぁ、それは私が大人になったから言える事なのだろうけれど。
出演者が非常に豪華な事にはビックリ。


評価 ★★☆☆☆

nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

「CURE キュア」 [映画]

cure.jpg
〔1997年/日本〕


刑事である役所広司は所轄で起きた連続殺人事件に頭を悩ませていた。
被害者はいずれも、首をX字に斬られ、
出血多量で死んでおり、
それぞれの犯人は逮捕されてはいるのだが、
動機がハッキリせず、
犯人同士にも、被害者同士にも全く接点が無いのである。


また役所は、精神を病んだ妻、中川安奈を抱えており、
仕事と私生活でストレスに晒され、
疲れ切った日々を送っていた。


捜査を続けてゆくうちに、役所は一人の男に辿りつく。
記憶喪失のその男、萩原聖人は、
奇妙な会話で相手を弄し、
混乱させてゆく不思議な力を持っており、
彼に関わる人間は全て彼の術中に嵌ってしまう事が分かってくる。


役所の友人で精神科医のうじきつよしは、
萩原に関わると役所の精神が壊れると忠告するのだが、
犯人逮捕に燃える役所は、
うじきの進言を聞き入れない。
そして、精神科医として萩原に興味を持ったうじきは萩原と接触し、
彼もまた、次第に壊れてゆくのだった・・・。





怖い。
とにかく怖い。
何か見えない力で精神が操られてゆく恐怖で、
私の方まで気がおかしくなりそうだった。


役所広司の疲れ切った様子がそれに拍車をかける。
こんなに疲れていたら、
簡単に操られそうな恐怖を感じる。
現に役所は、萩原を相手に、
自分の辛い現状をぶちまける。
観る者は、
「そいつに関わったら駄目だ」と神経を逆撫でされる。


萩原聖人が大変に上手いんだな。
相手に何を聞かれても、のらりくらりで、
でも、相手の深い所まで入り込む不思議な能力を持った男を、
物凄く説得力のある演技で見せていた。


今なら窪塚洋介あたりに回ってきそうな役ではあるが、
窪塚だと不思議ちゃんになりすぎてしまいそうだ。
萩原くらいスッキリしている方が逆に良い。


数箇所の死の場面に関しては、
様々な解釈があるようだ。
その解釈は個人個人で違うだろうし、
私は私なりの解釈をしたし、
そんな風に楽しむのも良いのであろう。


それから、ラスト。
非常に不気味である。


評価 ★★★★☆

nice!(4)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

「リング」 [映画]

ring.jpg
〔1927年/イギリス〕


遊園地の見世物小屋でボクシングの試合をするカール・ブリッソンは
冴えない4回戦ボーイ。


小屋の入り口でチケットを売るリリアン・ホール=デイヴィスはブリッソンの恋人だ。
ある日ブリッソンはヘビー級のチャンピオン、イアン・ハンターの練習相手をする事になる。
ハンターはデイヴィスに惹かれ、
デイヴィスもまんざらではなかったが、
以前からの約束もあり、彼女はブリッソンと結婚する。


しかし、デイヴィスは結婚後もハンターとのデートを重ね、
彼から貰ったブレスレットをし、
部屋には彼の写真を飾る始末。
嫉妬に苦しむブリッソンはデイヴィスを責め、
そんな彼に嫌気が差したデイヴィスは家を出てしまう。


彼女の心を取り戻すには、
強くなって、ハンターと試合をし勝つ事だと
努力を重ねるブリッソン。
順調にランクがあがり、いよいよハンターと試合できる日がやってきた。
果たして結果は・・・。





ヒッチコック監督の初期のサイレント映画。
ボクシング映画だが、
男二人と女一人の三角関係が面白く、
ロマンス映画と言っても良い内容だ。


いつの時代も人の恋愛模様は同じなのだなぁと思わされる。
ただ、リリアン・ホール=デイヴィスのあまりの身勝手さに比べて、
男たちがなんとも我慢強い事。
だって、人妻が部屋に他の男の写真を飾っているのに、
夫は、最初は怒る事もせず、
「自分が頑張れば」と、そちらに怒りのベクトルが向くなんて、
どんだけ甘いんだよ、って。
もちろん、そんな事を平気でする妻が一番変なのだけれど。


イアン・ハンターにしても、
デイヴィスを特に責める様子はなく、
普通にデートしている。
結婚前にブレスレットのプレゼントをし、
心を掴んだと思った彼女が、
結局、違う男と結婚してしまったのに、だ。


題名の「リング」は、
ブレスレットとボクシングのリングの両方の意味である事が分かる。
ラストは切ない。


評価 ★★★☆☆

nice!(4)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

「水着の女王」 [映画]

mizuginojouou.JPG
〔1949年/アメリカ〕


エスター・ウィリアムズは、水着のモデル兼デザイナー。


彼女の妹、ベティ・ギャレットは、
ポロの有名選手リカルド・モンタルバンとの恋を夢見て、
彼を訪ねてゆくが、
そこでマッサージ師のレッド・スケルトンをモンタルバンと勘違いし、
二人は恋に落ちてしまう。


ウィリアムズは、ギャレットが男に遊ばれるのが心配で、
モンタルバンに、妹と別れてほしいと直談判に行くのだが、
身に覚えの無いモンタルバンは、ウィリアムズを好きになって・・・。





とにかく、ドタバタである。
ラスト近くまで、皆が勘違いしたまま話が進む。
スケルトンがポロの選手と間違えられて、
試合に出場し、勝ってしまうシーンなど、お約束すぎて、
逆に笑えた。


二組のカップルが違う場所で同じ歌の掛け合いをする場面も、
中々面白い。


評価 ★★★☆☆

nice!(3)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画