「ザ・ルーム・ネクスト・ドア」 [映画]

〔2024年/スペイン・アメリカ〕
作家・イングリッド・パーカー(ジュリアン・ムーア)は、
長らく会っていなかった旧友・マーサ・ハント(ティルダ・スウィントン)が
病気で入院していると知り、
見舞いに行く。
癌に冒されたマーサは、
イングリッドとの久し振りの再会を喜び、
その日以来、イングリッドは何度も病室を訪れ、
語らうようになる。
医師から、もう手の施しようがないと宣告されたマーサは、
イングリッドに、ある「願い」を伝える。
それは、2人で山荘に行き、
1カ月以内に自死するつもりである自分の、
「隣の部屋」にいてほしい、というものだった。
それを聞いたイングリッドは、
悩んだ末、承諾し、
2人は山荘で暮らし始めるが・・・。
スペインの巨匠・ペドロ・アルモドバル監督の新作。
映画を観るときは、
常に「もしも自分だったら」と考えながら観るので、
女性2人が主人公のこの映画には、
ちょっと入り込んだ。
末期癌に冒された友人が
治療を拒み、
たった1粒で死ねるという薬を闇サイトで買ったから、
1カ月以内に死ぬとき、隣の部屋で待機していてほしい、と言われたら、
私ならどうするだろう。
「今夜、決行する」という宣言はせずに、
朝起きて、部屋の扉が閉まっていたら、
それが「事後」だからね、と友人が言ったとしたら。
私なら、閉まった扉を見たら足が震えて、
階段を上がれないかもしれない。
(間取りの関係で、部屋は隣同士でなく上下)
実際、イングリッドも、
パニックになる。
いくら、分かっていたとしても、
そんな時、平静でいられる人は少ないのではないかしら。
そのそも私は、その「願い」自体を断るかもしれないな。
マーサも、インドリッドに最初にお願いしたわけではなく、
数人の友人に断られたあと、
イングリッドに頼んでいる。
だって、殆どの人は受け止め切れる自信がないだろう。
あまりに重すぎる。
それから、自殺に対する、
日本人と、西洋人の捉え方がだいぶ違うなと思った。
マーサは遺書と、それから警察に向けての
文書を残している。
自分の死とイングリッドは何ら関係ないと書かれているはずなのに、
取調室での刑事は実に厳しく、
イングリッドに詰め寄る。
「彼女が死ぬことを知っていたんじゃないのか」と。
おそらく宗教感の違いだと思うけど、
「自殺は絶対許されない」という思いが、
刑事の根底にあるような気がした。
もちろん、同じ経験をした事はないから、
絶対とは言えず、
もしかしたら、日本だって、
めちゃめちゃ厳しく調べられるのかもしれないけど。
評価 ★★★☆☆
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