「8月のクリスマス」 [映画]
〔2005年/日本〕
小さな写真館を営む、
鈴木寿俊(山崎まさよし)は、
病院で、
自分が余命いくばくもない事を知らされる。
寿俊は、その事を誰にも話さないまま、
今までと変わりなく生活している中、
客としてやってきた、
小学校の臨時教師の高橋由紀子(関めぐみ)と
親しくなってゆく。
デートをした寿俊と由紀子は、
互いに、
相手に惹かれてゆく自分の気持ちに気付く。
しかし、病魔は確実に、
寿俊の体を蝕んでおり・・・。
余命宣告されている、
平凡な青年が、
死の直前に、
淡い恋愛を体験する物語。
元々は、
韓国映画、「八月のクリスマス」が
オリジナル。
韓国版も観ているけれど、
ずっと以前なので、
細部は忘れてしまった。
死期が近づいている主人公だけれど、
それを殊更に強調するシーン、
例えば、
激しく咳き込むとか、
血を吐くとか、
そのような事はない。
彼が病気であるという事は、
別の方法で描かれる。
父親に、
テレビのリモコンの操作方法を必死になって教えたり、
自分の死後の、
写真店の機械の使い方の
マニュアルを作ったり。
それが、ドラマティックでないだけに、
かえって悲しみが増す。
死の準備をする主人公の気持ちを考えると、
胸が潰れる思いがする。
そんなに全部を
自分の中に溜め込んで、
穏やかな顔をしてばかりだと、
辛いだろうに、と思っていたら、
やっぱり人は、
どこかで爆発するものなのね。
彼が軽くキレたり、
怒ったりする場面があり、
そのイライラがとても理解できたり。
彼と、
淡い恋愛関係になる、臨時教師。
彼女も、
もちろん、彼の病気の事は知らないし、
気付きもしない。
こういう映画を観ると、
自分が死ぬときは、
どうなるんだろうと、考えてしまうな。
私も、できるだけ静かに消えてゆきたい、
この主人公と同じように、なんて。
評価 ★★★☆☆
「死生学」のアルフォンス・デーケンさんの著書を読んだばかりでした
「雨でもハレルヤ、晴れてもアーメン」と、ユーモアのあるデーケン先生は、良く死ぬことは良く生きることなのだと説いておられました。
by mitu (2022-07-21 18:52)
私も韓国版を以前に観ました。
やはり細部は忘れてしまったけど、
年齢の離れた二人が、穏やかに惹かれていく感じが、
印象に残っています。
by angie17 (2022-07-21 19:00)
死が迫った時には娘や孫達にありがとうとと一言云って去りたいですね。
by kousaku (2022-07-21 19:30)
幼子を残して先に逝く、のも辛いですが、
自分を産み、育ててくれた親を残してい逝くのも、
また違う辛さがありますね。
ましてやその親は、かつてのように若くて元気ではなく、
老いに向かっている最中。。
淡い恋愛を描きたかったのかもしれませんが、やはり「生と死」
と言う永遠不滅のテーマは何をも置いて強いですね。。
by 向日葵 (2022-07-22 03:38)
私は、ホ・ジノ監督の「八月のクリスマス」が強烈に印象に残り、日本版とも言うべき本作品を見る気になれなかった。今回の紹介を機に一度観てみようかな。ありがとうございました。
by meganesaru707 (2022-07-22 10:44)
映画の愛歳を見つめて、も同じようでしたね。
死期が近づいているといろんな整理をしなくちゃと思うんでしょうね。
爺も死後について家族のためにいろいろ書いてます。
by お散歩爺 (2022-07-23 08:26)
mituさん
コメントありがとうございます。
良く死ぬことは良く生きること
私も最近、会社の社長と、
同じような話をしました。
死に様は生き様、だと。
最近、色々ありますのでね。
by 青山実花 (2022-07-23 09:40)
angie17さん
コメントありがとうございます。
私も、韓国版をあまりよく覚えていなくて、
比べる事ができないのが残念です。
韓国版をもう一度観てみようと思っています。
by 青山実花 (2022-07-23 09:41)
kousakuさん
コメントありがとうございます。
最期は、大切な人たちに、
感謝の気持ちを伝えたいですよね。
by 青山実花 (2022-07-23 09:41)
向日葵さん
コメントありがとうございます。
様々な事情はあると思いますが、
できれば、命は順番通り、がいいですね。
あまりに高齢のかたに、
大きなショックは与えたくないですね。
人に絶対があるとしたら、死ぬことだけ、という
言葉があるように、
生きること、死ぬことは、
逃れられない課題ですね。
by 青山実花 (2022-07-23 09:41)
meganesaru707さん
コメントありがとうございます。
こちらこそ、ありがとうございます。
meganesaru707さんのコメントを読ませていただいて、
韓国版をもう一度観てみよう、という
気持ちになれました^^
by 青山実花 (2022-07-23 09:41)
お散歩爺さん
コメントありがとうございます。
死期が近づいてきたら、
家族に迷惑をかけたくない、
伝える事は伝えておきたいと
思うものなのかもしれませんね。
by 青山実花 (2022-07-23 09:42)
去年3月に、おかしいぞって。
検査をして、癌が全身に転移して、手が付けられない。
薩摩隼人の男だから、飄々としていたけれど、7月、本音を吐露。
それでも怖いです、たったひとことが重たかった。
翌月には亡くなるのだけど、良い思い出を残してください、拒絶。
会えなかったけれど、会わないという意志こそが「彼」でした。
やっぱり最期は家族だけだし、厳密には妻だけかな。
まだ還暦も迎えない連中にポンポン死なれたら、価値観が狂います。
色んな決断や判断が早くなりましたよ、今しかない、今でしょ、と。
by tommy88 (2022-07-24 06:39)
tommy88さん
コメントありがとうございます。
私も、ここのところ、色々あり、
命について考えます。
昔ふんぞり返っていた人が、
年老いて、立場が逆転した時の
惨めな事ったら。
癌でパッと死ねるのと、
蛇の生殺し、
どちらがいいのか。
by 青山実花 (2022-07-24 20:27)
50歳を過ぎても、ちょっと老けた女子高生のようだった憧れの同級生は、夕食を作っているとき急激に体調を崩し、3時間余りで亡くなったと。近所に居た70歳のオネーサンは夕食の片付けを終え、椅子に座って居眠りするように亡くなっていた姿を、旦那が晩酌後に目覚めて発見。多くの人は死に方を選べませんね。私は死んだ後まで心配しています(^_^;)
by yokomi (2022-07-28 09:24)
yokomiさん
コメントありがとうございます。
失礼かもしれませんが、
お二人の女性の亡くなられ方は、
とても羨ましいです。
私も長患いする事なく、
パッと消えられたらいいなぁ。
by 青山実花 (2022-07-29 20:57)