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「天使のくれた時間」 [映画]

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〔2000年/アメリカ〕


13年前。
今、まさにロンドンに旅立とうとしている、
ジャック(ニコラス・ケイジ)を、
恋人のケイト(ティア・レオーニ)が引き留めた。
「お願い、行かないで。このままアメリカで暮らしましょう」と。


けれど、ジャックはロンドンに行き、
研修を終え、
アメリカに戻ってきてからは、
大手金融会社の社長として大成功する。
ケイトとはとっくに別れているが、
女に不自由する事もない、優雅な独身生活


そんな中、あるクリスマスイヴの夜、
コンビニで奇妙な強盗に遭遇したジャックが
家に帰り、朝起きると、
驚く事が起きていた。


彼が住むのは、
マンハッタンの高級マンションでなく、
郊外の小さな一軒家。


妻のケイトが、
幼い子供を追いかけ、
仕事は、
タイヤ販売店の店員・・・。





この映画を観たのは2回目。
公開されてから、21年の間に、
人の意識は変化したように思われる。


この映画の価値観でいうと、
「結婚して、可愛い子供がいる事こそが人の幸せ」
と取れるけれど、
2020年の今、
人の考えはもっと多様化しているんじゃないだろうか。


恋はしても、他人と暮らすのが苦痛な人もいるし、
結婚しても、子供を持たない選択をする人もいるし、
性の対象が異性でない事をオープンにする人も増えた。


この映画は、なんだか教科書通りみたいで、
公開された当時は感動したんでしょうけど、
今観ると、ちょっと押しつけがましい。


それに、
・大金持ちだけど、孤独な生活
・貧しいながらも楽しい我が家
という、
人生、どちらかしかないみたいなのもおかしい。
努力と才能で金持ちになったのに、
まるでそれが悪みたいな風にも取れるし。


1.金持ちで、愛のある生活
2.金持ちで、孤独
3.貧乏で、愛のある生活
4.貧乏で、孤独


「愛」と「金」の組み合わせでいえば、この4通りがあるはず。
この中で、1の人だって世の中には沢山いるだろし、
4の人もまた、多いだろう。


主人公のジャックは、
大金持ちの生活から、
ケイトと結婚したという、パラレルワールドに飛んだけれど、
途中で、
彼の勤めるタイヤ店に、
元の世界の会社の会長がやって来る。


会長は、ジャックの事を知らないんだけど、
ジャックの経済の話に感心して、
マンハッタンの自社に彼を招待し、
うちの会社で働いてほしいと言う。


あぁ、私はこの場面がすごく好き。
本当に能力のある人は、
どこにいたって、周囲が放っておかず、
パラレルワールドだとしても、
行き着く先は同じなのだと。


評価 ★★★☆☆

nice!(158)  コメント(12) 
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コメント 12

つむじかぜ

私も当時は好きな映画でしたが、もう21年経つんですね。
ニコラス・ケイジがギリギリ頭髪がある頃で笑えますが、
とにかくティア・レオーニが、この出演映画だけは美しいのが
印象的でした。
実花様の見透かし方も素敵です!
by つむじかぜ (2021-05-15 00:11) 

旅爺さん

爺は4の貧乏で孤独かな? 相手は家内だけだもの・・トホホ
by 旅爺さん (2021-05-15 09:30) 

わたし

今も、結構パラレルワールドのストーリー流行っていますね。
人生の重大な選択肢に対面した時、人は迷って片方を選ぶけれども
何年かたって、その時がよくも悪くも、
「あのとき、違う方向を選んだらどうなっていたか?」
と、思ったりしますね。
もう一つの人生を知りたい、と考えるのは人間の性なんでしょうね。
ちなみに、わたしは実花さんの4通り以外な気がします。
金持ちでもなく貧乏でもなく孤独でもなく愛もそこそこ(笑)
by わたし (2021-05-15 09:35) 

tommy88

おもしろい映画でしたね。
愛と仕事とお金と、遊びや冒険も選択肢に入るかもです。
真実は後から変わるというような話も出来るでしょうか。
見えていたものも、20年の時間で見方が変わるでしょうし。
日曜、『女系家族』を見ました。
若尾文子が美しかったし、田宮二郎のツバメふうも面白かったです。
この映画はもう、カネ、カネ、カネの、金の亡者の楽しい映画でした。
久々に標準速度のに邦画で楽しみました。

by tommy88 (2021-05-17 14:40) 

裏・市長

先日、この映画、
奈良県で上映されました!。

ドライブインシアターというヤツで、
以前、青山実花さんも書かれていましたが、
せっかくなのでマイクロバスをチャーターして、
大勢連れて行って大儲けしたと言う、
あのドライブインシアターです。

残念ながら、抽選でボクははずれてしまったのですが、
最近、わが町に出来たコミュニティFMラジオ局、
FMヤマトのパーソナリティーの女性が2人、
申し込まれて、そのうちのひとりが当選された…、
ということでした。

上映後、放送で感想を話し始めましたが…、
「途中で寝てしまって、見てません」。以上。

…これ、商工会議所主催の映画会だったのに、
宣伝どころか、寝てしまった…。

練るのは仕方ない、構わないと思います。
でも、それを放送で流すのはアウトだと思います。

商工会議所、作品に対しても失礼ですし、
幸い、この作品はDVDになっているので、
どうしても話したいなら借りて来る、
あるいは配信で見る…などどうにでも出来るハズ。

その努力をしないなら、もう放送で触れるべきでは
なかったと思います。

これが30越えた女のDJがする事でしょうか。

あ、え、すいません。間違えました。

今日のレビューは「天使のくれた時間」でしたね。
私の話しているのは、
奈良県のご当地映画「天使のいる図書館」でした。
by 裏・市長 (2021-05-19 05:20) 

ヤマカゼ

いつも野鳥を見ていて想うのですが、全ての生き物は命を次に継ぐことに必至になっています。やはり生きる事の理がそうなんだと思います。
青山様の最後5行がとても前向きでやはり素敵な方なんだろうと想像してしまいました。
by ヤマカゼ (2021-05-19 17:17) 

青山実花

つむじかぜさん
コメントありがとうございます。

ほんと、もう21年も経ったとは、
時の流れは早いですね^^

私もティア・レオーネは、
とても美しいと思いました。
なんだか映画を素直に受け取れなくてすみません^^;
自分でも自分が、可愛げがないと思います^^;

by 青山実花 (2021-05-27 20:46) 

青山実花

旅爺さんさん
コメントありがとうございます。

旅爺さんさんはいつだって愛がいっぱいです^^
素敵な奥様がおられるし、
いつも子供さん、お孫さんが、
遊びに来ていますもの^^

by 青山実花 (2021-05-27 21:02) 

青山実花

わたしさん
コメントありがとうございます。

最近、思うんです。
私はどこかの分かれ道で間違って、
新コロの世界に迷い込んでしまったのではないかと。
別の世界では、今頃、オリンピックも終わり、
気が抜けたような状態になっているのではないかと。

なんだか極端な例でしたね^^;
大多数の人が、
この4通り以外の、そこそこな人生なのだと思います^^

by 青山実花 (2021-05-27 21:03) 

青山実花

tommy88さん
コメントありがとうございます。

20年経てば、
世間の価値観を変わるけれど、
自分も変わったのかもしれません。

「女系家族」は最高ですね。
若尾文子映画はどれもこれも素晴らしいです^^

by 青山実花 (2021-05-27 21:03) 

青山実花

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

あぁ・・・
やっぱり・・・

こんなことを申しては、
大変に失礼かとは思いますが、
やはり真実なので、書きたいと思います。

21年も前の映画が、
大和高田市では、
新作映画として公開されたのですか。

ポスターには、
「期待の新星、ニコラス・ケイジのデビュー作」
と書かれていたとか。
こんなオッサンが新人のわけないのですが、
大和高田市の皆様は信じてしまわれたのでしょうか。

そんな事なら、わたくしが、
21年前に、裏・市長さんにDVDをお送りしておけば良かったです。
そのDVDを使って、
裏・市長さん主催でドライブ・イン・シアターが開催されれば、
今頃はラジオ局の一つも開局できるくらい
大金持ちになっていたでしょうに、
本当に申し訳ない事をいたしました。


今からでも遅くはありません、
わたくしの手持ちのDVDをお送りいたします。
「天使」繋がりで、
「天使のいる図書館」などはいかがでしょう。

え?
それはもう、上映会が開かれた?
DJの女が寝やがった?
凄い感性の女ですね。
あんな号泣できる映画で寝るて。
奈良県民でもないわたくしの方が、
よっぽど県民らしいですわ。

by 青山実花 (2021-05-27 21:05) 

青山実花

ヤマカゼさん
コメントありがとうございます。

人間は色々理屈を並べますが、
動物や鳥や植物はそのままですね^^

いえいえ、前向きというより、
「できる人」に強い憧れを持ってしまう、
嫌な人間なんだと思います^^;

by 青山実花 (2021-05-27 21:06) 

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