◆猿の見る夢◆ [本]
主人公は、メガバンクから、
女性向けファッション業界に出向している、
薄井正明、59歳。
妻、一人。
息子、二人。
愛人、一人。
ある日、薄井が家に帰ると、
リビングでジャージを着て、寛いでいる見知らぬ”おばさん”がいて、
仰天する。
妻曰く、
「彼女は、長峰栄子先生といい、
彼女に悩みを相談すると、たちどころに解決する」と言う。
あんな”おばさん”に一週間も居座られるなんて、
冗談じゃない。
とっとと帰ってもらうよう、
明日きつく言わなくては・・・。
久し振りに読んだ桐野夏生さんだけど、
やっぱり凄いな。
主人公に対する、
突き放した視線。
まるで小馬鹿にでもしているような。
自分の書く小説の主人公を、
あんな風に描けるなんて、
さすが、クールビューティの桐野さん。
それとも、それも、桐野さんの愛情表現か。
世間の基準から言ったら、
それなりの立場の男なんだろうけど、
その中身は、まったく頼りない(笑)。
彼には自分というものがなく、
何かあると、
そっちに流れ、こっちに流れ、
定まった軸がない。
そんな彼が、
妻の連れてきた”おばさん”に
翻弄される。
”おばさん”を冷たく拒絶したかと思えば、
自分に不都合が起こると、
頼ったり、
一貫性もなく。
そんな「おばさん」が、
薄井に、
遺産相続の件で、重大な予見をする。
この辺りの場面が、
私は一番好き。
薄井は、”おばさん”の言う通りに動き、
法律的に言ったら、
犯罪に当たるであろう、
ある行為をする。
面白くて、馬鹿馬鹿しい、
滑稽な男の2~3か月の間に起きた騒動。
一気に読んだ。
私の知り合いに薄井正明さんという人がいるので
ハッとしちゃいました。
頼りないんですね(笑)
by きよたん (2021-04-10 16:49)
相続税のごまかし方を伝授されるとかな?相続なんてないものは気軽でいいですよ。
by kousaku (2021-04-10 17:08)
ある行為なんて言われるともっと詳しく聞きたく
なりますね(゜∀゜)先日こちらで馬喰一代の映写会がありました。映画の主人公の住んでいた留辺蘂町(現在は北見市と合併)では
今も当時の映画の記録を大切に保存しているようです。
by プー太の父 (2021-04-11 15:58)
これは面白そう!
わたしも読んでみます^^
by リュカ (2021-04-12 08:40)
きよたんさん
コメントありがとうございます。
薄井正明さんが遺産相続をしたときは、
要チェックですね^^;
by 青山実花 (2021-04-15 23:15)
kousakuさん
コメントありがとうございます。
なんというか、
もっと、えげつない感じで^^;
相続は、揉める方がいるようですね^^;
by 青山実花 (2021-04-15 23:16)
プー太の父さん
コメントありがとうございます。
あー、ネタバレを考えなければ、
書きたいです^^;
やはり「馬喰一代」は、
北見市の皆様にとっては特別な映画なのですね。
場所もそうですし、
内容も素晴らしいですものね^^
by 青山実花 (2021-04-15 23:18)
リュカさん
コメントありがとうございます。
ぜひぜひ、リュカさんにも読んでほしいです^^
この主人公の事をどう思われるか、
知りたいです^^;
by 青山実花 (2021-04-15 23:20)