「処女受胎」 [映画]
〔1966年/日本〕
女流画家の高野愛子(若尾文子)は、
優雅な作風と、
本人の美しさもあって、
大変な人気があったが、
現在、スランプに陥っている。
そんな中、学生時代の女友達の家に行った愛子は、
子育てをする友人を見て、
自分も子供を持てば、
このスランプから抜け出せるかも、と考える。
愛子は、親しくしている産婦人科医の矢田部教授(若山弦蔵)が
勤務する大学病院を訪れ、
人工授精をしてほしいと頼み込む。
未婚の者に、人工授精はできないと断る矢田部だが、
愛子の強い希望に押し切られ、
2人の医学生・尾津と里井から精子を採取し、
どちらのものを使ったか、分からない状態で施術。
結果、愛子は妊娠する。
しかし、尾津が愛子の大ファンだったことから、
話は思わぬ方向へ・・・。
昨日の「悶え」に引き続き、
「ザ・若尾文子映画」。
俗っぽくて、ドロドロしていて、
ツッコミどころ満載なんだけど、
最後まで観ずにはいられない、不思議な魅力。
この映画の、「処女」ってのは、
いわゆる「生娘」という意味でないことを、
観始めてすぐ気が付いた。
若尾さん演じる愛子には、複数の男性との
同時進行のお付き合いがあり、
妊娠してもおかしくない状況にあるらしい。
けれど、彼女は、
結婚に縛られるのは真っ平だと言う。
男は必要ない、
だけど、子供を生んで、
このスランプから抜け出したい、と。
変なの(笑)。
結婚が自分を縛るったって、
それを言うなら、
子供の方がずっと、
自分を縛るものなんじゃないかしら。
夫は、嫌になったら離婚すればいいだけだけど、
子供は一度生んでしまったら、
成人させるまで、
20年前後は、自分の責任において、
育てなければならない。
いや、下手したら、
一生の足枷になる可能性もある。
(全ての子供が足枷になるという意味でなく、
愛子のような考え方の人には、
いずれそういう不満が出てくる可能性がある、という意味です)
子供が好きで、
男は要らないけど、子供がほしい、という考えなら、
それも有りだな、と思うけど、
愛子の場合、そういう意味でもないし。
まぁ、よい(笑)。
若尾さんの映画は、
そんなつまらない事に拘ったりはしない。
理屈なんて関係ない。
欲しければ、手に入れる、それだけなのよ(笑)。
ところで、
私は、人工授精の場に立ち会ったことはないけれど
(当たり前だ(笑))、
あんな風に、毎回同じ学生の精子を使うものなんだろうか。
映画の通りだとすると、
世の中に、何人ものきょうだいが存在してしまう事になる。
(アメリカで、そういう事件がありましたね)
いや、若尾映画だから、
真に受けて観ないほうがいいか。
(最高の誉め言葉です)。
評価 ★★★☆☆
この作品で、
若尾文子さんの出演映画、163本中138本を観た事となりました。
(★は観た作品)
★春の雪 (2005)
★竹取物語 (1987)
★ある映画監督の生涯 溝口健二の記録 (1975)
★幻の殺意 (1971)
★男はつらいよ 純情篇 (1971)
★スパルタ教育 くたばれ親父 (1970)
★座頭市と用心棒 (1970)
★天狗党 (1969)
★千羽鶴 (1969)
★濡れた二人 (1968)
★積木の箱 (1968)
★不信のとき (1968)
★鉄砲伝来記 (1968)
★華岡青洲の妻 (1967)
★砂糖菓子が壊れるとき (1967)
★妻二人 (1967)
★夜の罠 (1967)
★雪の喪章 (1967)
★処女受胎 (1966)
★赤い天使 (1966)
★雁 (1966)
★氷点 (1966)
★処女が見た (1966)
★刺青 (1966)
★妻の日の愛のかたみに (1965)
★不倫 (1965)
★清作の妻 (1965)
★帯をとく夏子 (1965)
★女めくら物語 (1965)
★波影 (1965)
★花実のない森 (1965)
★幸せなら手をたたこう (1964)
★悶え (1964)
★卍(まんじ) (1964)
★獣の戯れ (1964)
★傷だらけの山河 (1964)
★「女の小箱」より 夫が見た (1964)
★温泉女医 (1964)
★新・忍びの者 (1963)
★越前竹人形 (1963)
★女が愛して憎むとき (1963)
★わたしを深く埋めて (1963)
★女系家族 (1963)
★八月生れの女 (1963)
★雪之丞変化 (1963)
★しとやかな獣 (1962)
★秦・始皇帝 (1962)
★瘋癲老人日記 (1962)
★その夜は忘れない (1962)
★やっちゃ場の女 (1962)
★仲よし音頭 日本一だよ (1962)
★閉店時間 (1962)
★爛(ただれ) (1962)
★雁の寺 (1962)
★家庭の事情 (1962)
★妻は告白する (1961)
★新源氏物語 (1961)
★銀座のぼんぼん (1961)
★女は二度生まれる (1961)
★女の勲章 (1961)
★東京おにぎり娘 (1961)
★好色一代男 (1961)
★お嬢さん (1961)
★婚期 (1961)
★花くらべ狸道中 (1961)
★銀座っ子物語 (1961)
素敵な野郎(1961)
鎮花祭 (1960)
★偽大学生 (1960)
★安珍と清姫 (1960)
★勝利と敗北 (1960)
★ぼんち (1960)
★からっ風野郎 (1960)
★女は抵抗する (1960)
★女経(じょきょう) (1960)
★初春狸御殿 (1959)
★浮草 (1959)
★実は熟したり (1959)
★美貌に罪あり (1959)
花の大障碍 (1959)
★次郎長富士 (1959)
★氾濫 (1959)
★山田長政 王者の剣 (1959)
★薔薇の木にバラの花咲く (1959)
★最高殊勲夫人 (1959)
★あなたと私の合言葉 さようなら、今日は (1959)
★新婚七つの楽しみ(1959)
★母(1958)
★娘の冒険 (1958)
★夜の素顔 (1958)
嵐の講道館(1958)
★一粒の麦 (1958)
★息子の結婚 (1958)
★口笛を吹く渡り鳥 (1958)
★愛河 (1958)
★忠臣蔵 (1958)
★螢火 (1958)
★東京の瞳 (1958)
妻こそわが命(1958)
★青空娘 (1957)
★夕凪 (1957)
★誘惑からの脱出 (1957)
★永すぎた春 (1957)
★朱雀門 (1957)
★慕情の河 (1957)
続銀河の都 (1957)
★スタジオはてんやわんや (1957)
銀河の都 (1957)
君を愛す (1956)
★四十八歳の抵抗 (1956)
★日本橋 (1956)
★涙 (1956)
スタジオは大騒ぎ (1956)
★あさ潮ゆう潮 (1956)
★滝の白糸 (1956)
★処刑の部屋 (1956)
★新婚日記 恥ずかしい夢(1956)
★新婚日記 嬉しい朝(1956)
★赤線地帯 (1956)
★虹いくたび (1956)
★新妻の寝ごと (1956)
★花嫁のため息 (1956)
薔薇の絋道館 (1956)
★弾痕街 (1955)
七人の兄いもうと (1955)
★珠はくだけず (1955)
★長崎の夜 (1955)
★幻の馬 (1955)
娘の縁談 (1955)
★薔薇いくたびか (1955)
★月に飛ぶ雁 (1955)
幸福を配達する娘 (1955)
★螢の光 (1955)
勝敗(1954)
荒城の月 (1954)
★月よりの使者 (1954)
緑の仲間 (1954)
★浅草の夜 (1954)
慕情 (1954)
★舞妓物語 (1954)
★酔いどれ二刀流 (1954)
★或る女 (1954)
★心の日月 (1954)
★十代の誘惑 (1953)
無法者 (1953)
★続続十代の性典 (1953)
春雪の門 (1953)
★祇園囃子 (1953)
★続十代の性典 (1953)
★チャタレー夫人は日本にもいた (1953)
怒れ三平 (1953)
★十代の性典 (1953)
彼女の特ダネ (1952)
街の小天狗 (1952)
秘密 (1952)
★明日は日曜日 (1952)
★花嫁花婿チャンバラ節(1952)
★母子鶴 (1952)
★猛獣使いの少女 (1952)
★死の街を脱れて (1952)
娘初恋ヤットン節(1952)
★長崎の歌は忘れじ (1952)
生き残った弁天様(1952)
男と女に間の事はよくわかりませんね、理解し難い所が有りますね、
未だに女の人の事は分かりません。
by kousaku (2021-01-05 18:47)
先日、BSで偶然、忠臣蔵(1958)を観ました。
当時の若尾文子の美しさに戦慄を覚えました!
by つむじかぜ (2021-01-06 02:20)
おはようございます。
爺は若尾文子さんとは昔京都でお逢いしています。
その時の子供かも?。オエ~~~~~~(^_-)-☆
by 旅爺さん (2021-01-06 06:52)
受胎告知ってこういう映画だったんですね
確かに若尾さんならどんな役でも納得できますね
随分たくさんの映画に出られていたのですね
by きよたん (2021-01-06 11:34)
こんな題材にも出演されていたとは!でも、この透明感!文子さまならではの・・˚₊*(* ॑꒳ ॑*)*₊˚
by Ginger (2021-01-07 18:29)
kousakuさん
コメントありがとうございます。
男は女が分からないし、
女は男が分からないし^^;
それがいいのかもしれませんね^^
by 青山実花 (2021-01-08 22:23)
つむじかぜさん
コメントありがとうございます。
忠臣蔵の若尾さんは、
たしか町娘といった役柄でしたね^^
まだ25歳、可愛かったですね^^
by 青山実花 (2021-01-08 22:23)
旅爺さんさん
コメントありがとうございます。
旅爺さんさんと若尾文子さんとの間に
子供さんがおられたら、
と想像すると楽しいですね^^
by 青山実花 (2021-01-08 22:23)
きよたさんさん
コメントありがとうございます。
若尾文子さんは、
こういった荒唐無稽の映画に出ていた時が
最高に輝いていました^^
そして、私は、
荒唐無稽なお話が大好きなんです(笑)。
by 青山実花 (2021-01-08 22:24)
Gingerさん
コメントありがとうございます。
このようなドロドロした映画に出ていても、
変わらぬ透明感。
さすが若尾文子様ですね^^
by 青山実花 (2021-01-08 22:24)
新年あけましておめでとうございます。
…まだですか?。
さて、正月から「悶え」だの「処女」だの、
「排便」だの「ぎょう虫検査」だの、
賑やかなブログですね、ここは。
あぁ、青山実花さんもご覧になったんですか!。
「処女受胎」。実はボクも見たんですよ~!。
タイトルに魅かれて…。
正直、見るまでは一般邦画のコーナーに
並べてはいけないんじゃないか?。
これは奥の方の人目につかない場所に
陳列したほうがいい作品なのではないか?。
そう思っていた私がいました。
つい先ほどまでは。
しかし、普通に…邦画でした。
全国の殿方が期待したような作品では…なかった。
まぁ、殿方により、期待する内容に差は
ございますが…。
しかし、あなた本当に若尾文子ファンなの?。
「どうせ若尾映画だから、
真に受けて観ないほうがいいか。
ロクでもねぇ作品ばっか」。
よくも公の場でこんな最高の祝辞を…。
その勇気に感服します。
ところで、
新年あけましておめでとうございます。
by 裏・市長 (2021-01-11 23:27)
裏・市長さん
コメントありがとうございます。
こちらこそ、
明けましておめでとうございます。
このような新春にふさわしい、
清々しいお正月を迎えられたのも、
一重に裏・市長さんの、
日頃のご親切の賜物だと、
深く感謝をいたしております。
このような与太者なわたくしではございますが、
これからも、
ご愛顧のほど、宜しくお願い致します。
ところで、裏・市長さん、
あなた、
この映画を観たのはいいのですが、
一体何を期待なさっていたのですか?
この映画は、まさしく「処女受胎」、
つまり、
若尾文子さまが男と関わることなく妊娠する、
つまり、聖母マリアの物語なのですよ。
美しいのよ、
崇高なのよ、
汚い男なんか、必要としていないのよ。
ロクでもねぇ、なんてとんでもございません。
これこそが若尾文子様の映画なのでございます。
ところで、
新年あけましておめでとうございます。
by 青山実花 (2021-01-13 21:49)