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「私の兄さん」 [映画]

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〔1934年/日本〕


巷でタクシー強盗が頻発している世の中、
重太(河村惣吉)が経営するタクシー会社の運転手も、
危ない目に遭ったりしている。


そんな中、会社に、
重太の腹違いの弟・文雄(長谷川一夫)が、
戻ってくる。
文雄は、母親と衝突して、
家を出、
ヤクザの真似事をしているのだ。


しかし、根っからグレてしまったわけではなく、
母親の病気の噂を聞いて、
居ても立っても居られなくて、
様子を見に来たらしい。


そこへ、二人の男が、
代々木まで行ってほしいとやって来る。
文雄が運転手をかって出て、
代々木まで行くと、
男たちが降りた隙に、
若い女(田中絹代)が乗り込んできて、
「早く車を出して!」と言う・・・。





なんと、86年も前の映画だ。
主演は長谷川一夫さんだけど、
クレジットでは、
林長二郎となっている。
これは、
長谷川一夫さんが、長谷川になる前の芸名だ。


冒頭、
一人の男が、タクシーをつかまえている。
見ているこちらは、
この人が主人公かしら、
と思うのだけれど、
なんと彼は、タクシー強盗。


襲われた運転手は、
危うい所で、犯人を追っ払ったものだから、
じゃあ、この運転手さんが主人公?
と思った、また違う。


タクシー会社に帰った運転手さんが、
自分の体験を話していると、
社長が登場。
今度こそ、この人が主人公だ、と思うと、
また違ってて、
その後に、長谷川さんが登場。


長谷川さんは、
母親が、自分より兄を大切にしているので、
グレている。
兄といっても、母親の実の子ではなく、
先妻の子なのだけれど、
それでもグレている。


ただ、あまりに優男なので、
どう見ても、ヤクザに見えないのがご愛敬。


その後、彼は、
奔放な女の子、田中絹代さんに出会って、
振り回される。
自分より、自分勝手な人間に戸惑っている。
毒を以て毒を制す、だ(笑)。


でも、2人は、
やっぱり似た者同士なのか、
意気投合する。


将来、大御所俳優・女優になる2人だけど、
この映画では、
とっても初々しい。


86年前の映画にしては、
とっても良くできていると思う。


評価 ★★★☆☆





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2020年も今日で終わります。
去年の今頃、
まさか今年が、このような年になるとは、
想像もしていませんでした。


ただ、今年ほど、
世界中の人々が、
同じ苦しみを共有した年もなかったように思います。


過去にも疫病が流行った事はありますが、
今年のような、
世界規模ではなかった。


世界中の人間は今、
誰一人として、
「自分には関係ない」と言えない災厄に脅えながら
生きています。


もう、
争ったり、憎み合ったりすることなく、
皆がコロナ撲滅という目標に向かって、
力を合わせられたらいいのに、と思います。


「我以外、皆、師なり」
来年もこの言葉を忘れずに、精進していきます。
皆が健康で、
明るい年になりますように。

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