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「若者よ挑戦せよ」 [映画]

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〔1968年/日本〕


明治時代末。
大芝電機の社長の家で書生をする
波川順平(小林桂樹)は、
恋仲の女中・ふさ(白川由美)を妊娠させたせいで、
家を出る事になってしまう。


それでも、なんとか大芝電機に入社できた順平は、
仕事も家庭も順調。
生まれた子供・新太郎(小沢昭一)も
大芝電機に入社。
そんな新太郎に、そろそろ結婚を、と、
順平が見合いを勧めると、
もう、決めた相手がいるといい、
女工の藤子(森光子)と駆け落ちしてしまう。


しばらく絶縁していた
順平と新太郎だが、
3番目の孫が生まれた頃には、
和解し、
成長した孫も、大芝電機に入社する・・・。





なんというテンポの速さ(笑)。
小林桂樹さんと白川由美さんが、
生まれた赤ちゃんを目の前にして、
「この子だけは、大学に入れような」なんて、
夢を語り合っているのだけれど、
次の場面になったら、
もう、その子が成長していて、小沢昭一さんに(笑)。


それは、孫が生まれた場面も同じ。
三人目の孫が生まれて、
産院で面会して、
勇吉という名前を付けたと思ったら、
次の場面では、
その子が、竜雷太さんに成長している(笑)。


早いよ、展開が早すぎるよ。
小沢さんも、竜さんも、
子供時代のエピソードが一つもないもんだから、
感情移入する暇もありゃしない(笑)。


それにしても、
人は勝手ね。


自分は、
女中だ、女工だと、
好き勝手に恋愛して、
駆け落ちまでして、
家庭を持ったというのに、
自分の息子や孫が同じ事をしようとすると
猛反対。
自分が恋した、
あの頃の気持ちを忘れちゃうんだろうか。


なのに、孫が増えると、
孫可愛さに、和解。
だったら、最初から、
結婚を認めてやってよ。
しかも、孫の名前を付けさせてくれって、
図々しすぎやしないか?


そして、その孫たちもまた、
自由に恋愛を。
もう、この一族には、
勝手に恋愛する血が流れてるんだと思う。
好きにしてよ(笑)。


それにしても、
親子三代に渡って、
勤める会社、「大芝電機」って、
「東芝」の事よね。


念のため、
映画に出てくるロゴと、
東芝のロゴを検索すると、ソックリそのまま。
さらに、キャラクターの人形に至っては、
寸分の違いもなく同じ(笑)。
1960年代の終わり、
企業が、そして日本全体が、
これからが成長期って感じで、
乗りに乗っていたのでしょうね。


評価 ★★★☆☆

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コメント 8

英ちゃん

昔の日本映画は、ドロドロ系が多いね(゚□゚)

by 英ちゃん (2020-08-04 14:52) 

Ginger

白川由美の女中・・・恐縮してしまいそう~。
by Ginger (2020-08-04 17:38) 

ヤマカゼ

駆け落ち、家族との和解。昭和の初期はこのテーマが多かったようなきがします。子供同士でもこの話題がありましたね。
by ヤマカゼ (2020-08-05 07:13) 

青山実花

英ちゃんさん
コメントありがとうございます。

実は私、
ドロドロした物語が大好きで^^;
by 青山実花 (2020-08-06 21:11) 

青山実花

Gingerさん
コメントありがとうございます。

確かに白川さんの女中ってイメージじゃないですね^^;
by 青山実花 (2020-08-06 21:12) 

青山実花

ヤマカゼさん
コメントありがとうございます。

日本は家族関係が濃密ですので、
こういった物語が作りやすいのでしょうね^^;
by 青山実花 (2020-08-06 21:13) 

裏・市長

「大芝電機」(笑)。

まんまエレクトロニクスの東芝がお送りいたしま~す。
いたしま~す。ドドン!です。

日本の電化メーカーって、どこも合理化とか
経費節減で質が落ちたよな。
昭和の時代にあった「こだわり」が感じられない。
バブルの時代なんてすごかったで。
ビデオデッキでも一般家庭にここまでの技術、
回路はいらんやろ?っていうような機種が存在した。

50万円のレーザーディスクプレーヤーとかね。
誰が買うんだよ?と思ったけど、
ほどほどに売れてたみたい…バブルやね…。


昔のドラマや映画の展開によく見られた光景。

「許されぬ結婚」そうだ!「既成事実を作ろう!」。

で、あれほど反対していた親たちも、
「…ぐぬぬ…仕方ない…」と許されるのです。

ボクたちもSSブログの方々に決して許しては
もらえていない関係だというのは重々承知しています。

そこでどうでしょう、水曜どうでしょう。
「既成事実」というのを先にこしらえてみては。

この「既成事実」というのさえあれば、
SSブログのみなさんもこれでは仕方ないと、
半ば呆れながら、許してくださるのではないでしょうか。
グッドアイデアです。なんであるアイデアル。これ常識。

コロナ自粛で濃厚接触がためらわれる昨今ですが、
ボクも覚悟を決めました。
それでは早速、既成事実を!明日にでも!早よ!。急げ。
by 裏・市長 (2020-08-08 22:51) 

青山実花

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

たしかに、この映画は、
最初から最後まで、
東芝のステマ映画でしたわね。

おそらく東芝は、
「わが社は、書生のくせに女中に手を付けるような、
 どーしようもない奴でも採用してやる立派な会社。
 さらに、息子や孫まで働かせたいと思うような、
 待遇も居心地もいい会社」
と宣伝したかったのでしょうね。

息子や孫を働かせたい、という職業の一つに、
政界と芸能界がありますわね。

なぜ、この2つは、
二世ばかりが跋扈するのでしょうか。
親が自分の仕事を継がせたがるのでしょうか。
よっぽど旨味があるのでしょうか。


え?
裏・市長さんも、「既成事実」を作って、
生まれたお子さまに、
ご自分のブログの後を継がせたいのですか?
なぜ、そこまでして、ブロガーになってほしいのですか?
何か良い事をでもあるのですか?

でもね、裏・市長さん、
令和の「既成事実」とは、今までとは意味が変わりましたのよ。
今の「既成事実」とは、男女が同時にコロナに
罹る事なのでございます。

「あの2人、同時に感染しやがった・・・」
これこそが既成事実なのです。
それでも宜しいなら、明日、東京からそちらに向かいます。

by 青山実花 (2020-08-12 19:22) 

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