「豹（ジャガー）は走った」

〔1970年/日本〕


警視庁の警部・戸田登（加山雄三）は、
ある日、上司から呼び出され、
「今日を以て、警察を辞めてくれ」言われる。


東南アジア・南ネシア共和国のジャカール大統領が、
日本を経由して、アメリカに亡命する。
大統領は、暗殺者に命を狙われているので、
戸田に阻止してほしい、という命令なのだ。


一方、N物産は、
裏で、南ネシア共和国の革命軍と通じており、
大統領を殺せば、
武器の取引をするという密約を交わしていた。


かくして、N物産は、
世界を股にかけるスナイパー・九条輝彦（田宮二郎）を雇い、
大統領暗殺を企てる。


戸田と九条。
勝つのはどちらか・・・。





大変に見応えのある映画。
加山雄三と、田宮二郎。
2人のイケメン俳優の緊迫した攻防に、
手に汗握る思い。


警部の加山さんは、
ある日、突然、解雇を言い渡される。
それは、警察組織の性質上、
犯罪を犯す前の人間は、殺す事ができないため、
警察の肩書を外して、
大統領を狙っていると思われる人物は殺していい、
という理由なのだ。


一方の田宮さんは、
腕利きの殺し屋。
いわば、ゴルゴ13のような役。


この2人の配役が、
とにかく合っている。
よく、映画を観ていて、
「この2人の役柄を入れ替えても、映画は成立するな」
と思う事がよくある。
むしろ、その方が多いと言っていいかもしれない。


でも、この映画は、
絶対、入れ替えないほうがいい。


オリンピックにも出たという射撃の名手で、
真面目な警察官の加山さんと、
野卑でクール、
仕事の合間に、一夜の女性と遊ぶ暗殺者の田宮さん。
どちらの役も、似合いすぎ。


そして、2人とも、
狙撃の腕は、五分と五分。
獲物を狙う田宮さん、
それを阻止する加山さん。
ネオンの下で、
ホテルルームに向かって銃を撃つ場面など、
ドキドキが止まらない。


そして、ラストは直接対決へ。
あぁ、2人は、
互いをリスペクトし合ってるよね。
だからこそ、
あの場面が生きる。


ところで、
上司に言われ、
警察に辞表を出した加山さんだけど、


ミッションが終わったら、
絶対、また、警察に戻れるのよね？
何だかんだと言われて、
復職できない、何てことはないのよね？


つまらない事（いや、重大な事だ）が、
最後まで気になって仕方がなかった。


評価　★★★★☆
〓

コメント 10

田宮二郎の殺し屋はカッコイイだろうな～

by 英ちゃん (2020-06-11 20:44) 

英ちゃんさん
コメントありがとうございます。

はい＾＾
とってもカッコよかったです。
加山雄三さんとのイケメン対決も良かったです＾＾
by 青山実花 (2020-06-11 21:50) 

ご、50年！！前の映画ですね！！
すっごい配役！！
良く実現しましたね！！

うぅ～～ん。。
これは見てみたい！！
by 向日葵 (2020-06-12 00:55) 

復職が気になるなんて、優しいですね。（笑）。
by ヤマカゼ (2020-06-12 06:59) 

相葉の有名人１人居た？
アレン・アイバーソン(バスケットボールの選手)
相葉じゃなくてアイバーですがw
by 英ちゃん (2020-06-12 13:40) 

向日葵さん
コメントありがとうございます。

1970年といえば、田宮二郎さんが大映を辞めた直後、
そして、五社協定が緩くなってきていた頃なので、
こんなコンビで映画が作れたのでしょうね＾＾

とっても面白いので、
向日葵さんにも観てほしいです。

by 青山実花 (2020-06-12 16:19) 

ヤマカゼさん
コメントありがとうございます。

いえいえ、私は全然優しくなどないのですが、
一人の人が、
国家の命令に従ったのに、
仕事を失うなんて、絶対嫌だと思ったのです＾＾；
by 青山実花 (2020-06-12 16:22) 

英ちゃんさん
コメントありがとうございます。

アレン・アイバーソン？
知らんがな（笑）。

ではニューハーフタレントの人は？
・・・違った、あれはアイヴァン。

私のソックリのハリウッド女優は？
・・・違った、あれは、アンバー・ハード。
（私にソックリというのは嘘です（笑））

by 青山実花 (2020-06-12 16:25) 

通常の映画やドラマで、
刑事が辞表を出してムチャをやり、
犯人を逮捕します。

しかしオレはもう、刑事ではない。

ところが横で上司が出したはずの辞表を
ビリビリにやぶいています。

「そ、その辞表は…？！」。

「あぁ、これか…上に出すのを忘れとった」。

これが定番のパターンですが、本作は本気度が
違います。加山雄三に復職はありえません。
普段から幸せオーラを出しまくっている加山には、
ほとほと周りも飽き飽きしていたのです。

これをいい機会に加山を追い出したのです。

いつものパターンで復職できると思っていた
加山はそのショックで海に出ます。

「もう、オレはいつ死んでもいいんだ…」。

それを救ってくれたのが、
後に加山の相棒となる船、光進丸です。

加山は光進丸を愛しました。
妻の松本めぐみよりも…。

そして先ごろ、光進丸は海上にて
謎の爆発、大炎上…。
いったい光進丸になにが…。

ジャガーが海上を走ったのでしょうか…。
それとも青大将が巻き付いたのでしょうか。

頭上には由里子の星が一段と光輝いておりました。

海よ、おれの海よ～。シワヨセだなぁ・・・。
by 裏・市長 (2020-06-13 22:32) 

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

えーーー！？
そんなのって酷すぎませんか？
加山雄三さんが、刑事に復職できないなんて。

そりゃあ、加山さんは、
一見、幸せムードですよ。
ちょっと「鶴瓶の家族に乾杯」に出ただけで、
他所の家に上がり込んでピアノを弾いたり、
80歳を過ぎても、お坊ちゃまオーラ全開ですわよ。

でも、彼は、実は大変な苦労人なのよ。

スナイパーの田宮二郎さんと対決したり、
パシフィックホテル茅ケ崎の経営に失敗したり、
父親が再婚相手に捨てられたおかげで、老後を見させられたり、
大変な目に遭っているのよ。

特に、
父親が、再婚相手の家から戻ってきた時は、
それはそれは、大騒動でしたわね。

再婚相手の暴露話によると、
お腹に出来た子が、男の子だったら、
財産分与で揉めるから堕胎しろと言われた、とか、
普段、「愛は地球を救う」的な事を言っている
加山さんからは想像もできない発言だと、
あの時は、耳を疑ったものでございます。


そうそう、光進丸の大火事もありましたわね。

ところで、独身時代の加山さんが、
初めて今の奥様を光進丸に招待した時、
奥様ったら、一番揺れる船底で、
酔う事もなく、編み物をしていて、
それが結婚の決め手になったとか。

あのぉ・・・・・・・・・
人の船に乗る時、編み物なんて持って行く女、います？
すごいわぁ、色んな意味で。
どんだけ酔い止め薬飲んだのかしら。

by 青山実花 (2020-06-16 21:17)