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「お葬式」 [映画]

oshoshiki.jpg
〔1984年/日本〕


俳優夫妻、
井上侘助(山崎努)、雨宮千鶴子(宮本信子)のところに、
千鶴子の父親が死んだとの連絡が入る。


夫妻は早速、
葬式の準備に取り掛かるが、
なにせ、初めての事。
何から始めていいのか、
何をどうしたらいいのか、
皆目見当もつかない。


それでも親類が集まり、
少しずつ、準備が整ってゆくが・・・。





多分、おそらく、
自分は人様より、多少映画を観ているほうかな、
とは思うのだけれど、
それでも、まだまだ未熟者。
抜けてしまっている作品も多い。


伊丹十三監督の作品も、
今まで1本も観た事がない。
もちろん、この「お葬式」も。


別に避けていたわけではなく、
なんとなく、観る機会を逸してしまったというのが近い。


で、今回、
友人がDVDを貸してくれて、
やっと観てみた。


そうか、公開されてから、
もう36年も経つのか。
今観てみると、
やっぱりお葬式も変わったな、というのが
第一印象。


なによりまず、
自宅でするお葬式というものに、
少なくとも私は、
最近は、一度も参列した事がない。


なので、この映画のように、
遺体の入った棺を、
家の中に運び入れるだけで大騒動、
なんてエピソードは、
過去の笑い話だろう。


大滝秀治さんが演じているような、
口うるさい親戚縁者というのは、
いつの時代もいるんだろうけど、
葬儀社の会館で行われるお葬式に、
口を挟む事もないだろうし、
どんなに知ったかぶりしたって、
プロに勝てるわけがない。
こういう爺さんの出番は、今はない。


そういう意味で、
面倒くさい事が何より嫌いな私にとって、
今は良い時代だ。
簡素化上等。


それから、この映画について語る時、
避けて通れないのは、
(別に避けちゃいけない決まりはないけど(笑))
山崎努さんと高瀬春奈さんの
ラブシーンであろう。


妻の親の葬儀の席に、
夫の愛人が、何食わぬ顔で手伝いに来る、
それはいい(いいのか?(笑))。
人目を避けて、性交する、
それももう、勝手にすればよろしい(本当によろしいのか?(笑))。


ただ、私は、このシーン、
別の理由で好きじゃない。
何が嫌って、
高瀬さんのエキセントリックっぷりが。
特に、バレッタを落としたからと、
山崎さんに探させるなど、
どーでもいい事に拘る様子にイライラする。


私が山崎さんなら、
「葬儀が終わったら別れの話し合いをするからな!」と
叫んでしまいそう(笑)。
でも、あのエキセントリックな感じでは、
別れるのも大変そうだわねぇ(笑)。


評価 ★★★☆☆

nice!(125)  コメント(18) 
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コメント 18

Ginger

私も「お葬式」と言えば、高瀬様!しか思い浮かばず・・・「タンポポ」では、福美様とコージ・役所の踊り食い・・伊丹監督のエロティックの表現、好きです。
by Ginger (2020-05-16 15:54) 

きよたん

お葬式ってそんなに前の映画になってしまったん
ですね
わたしが見たときには並んでました
人気の映画でしたね

by きよたん (2020-05-16 17:36) 

拳客の奥様

確かに!エロい…まぁ、スパイスの様な場面と考えればね…
バレッタのシーンね?女って~変なとこ見て記憶してるから…
そう考えれば、納得するかも?


by 拳客の奥様 (2020-05-16 17:41) 

英ちゃん

ぁぁ、昔は自宅で葬式やってたな(゚□゚)
私は、子供の頃何回か?参列した事があるよ。
私も伊丹監督の映画は見た事ないです。
by 英ちゃん (2020-05-16 21:16) 

ありさ

この映画かなり古いですがけっこう好きですw
友達と一緒に見たんですがなんか思わず笑っちゃいます^^
自宅で一度も葬儀をしたことがないっていうのはびっくりしちゃいましたが
うちはけっこう実家とかも広いうちだったのでお葬式は家でしたねー
by ありさ (2020-05-17 07:58) 

ソレイユ

 私は映画は好きなのですが、あまり数は見ていません。
「お葬式」と言えば、伊丹十三監督がまだご存命の頃、何かと映画以外で話題になっていたので、公開されたというニュースはリアルタイムで見ました。ユニークな映画らしいという感じでした。
 実際のお葬式と言えば、私も簡素が一番でに同意です。もうじき母の葬式を執り行わねばならない状況なのですが、母とも合意していて「直葬」で極々近い親族のみの立ち合いで済ませることにしています。
 映画「お葬式」の内容は実花さんのブログで初めて知りましたが、このように面倒なことをあれこれやっていたら、それが「あたりまえ」の習慣とされていた当時の人たちは大変でしたでしょうね。
by ソレイユ (2020-05-17 09:39) 

青山実花

Gingerさん
コメントありがとうございます。

やはり高瀬さんの場面は印象的ですね^^
私がボランティアをしている、
「図書館映画上映会」は、
高瀬さんのシーンがあるので、
この映画をかけられないという(笑)。

by 青山実花 (2020-05-17 14:33) 

青山実花

きよたんさん
コメントありがとうございます。

本当に月日が経つのは早いですね。
映画の公開年を知って、
驚くことがしょっちゅうです^^;

伊丹十三さんの記念すべき
監督第一作ですね^^

by 青山実花 (2020-05-17 14:34) 

青山実花

拳客の奥様さん
コメントありがとうございます。

あのシーンがあったから、
この映画が面白いのかもしれませんね^^

by 青山実花 (2020-05-17 14:34) 

青山実花

英ちゃんさん
コメントありがとうございます。

私も子供の頃、自宅でのご葬儀に
連れて行かれた事があります。

有名な映画でも、
意外と観ていない作品ってありますよね。

by 青山実花 (2020-05-17 14:34) 

青山実花

ありささん
コメントありがとうございます。

すみません、書き方が悪かったですね。
自宅での葬儀に、「最近」は参列した事がないのですが、
子どもの頃はありました^^

このレビュー、下書きに入ったまま、
数年間もそのままだったのですが、
今考えてみると、中々面白い映画だった気がします^^

by 青山実花 (2020-05-17 14:35) 

青山実花

ソレイユさん
コメントありがとうございます。

この映画は、
扱うテーマがお葬式で、
葬儀が行われる3~4日間の出来事を描くなんて、
きっと当時、すごく斬新で、
話題になったのでしょうね。

もうすぐお母様のご葬儀なのですね。
やはりご本人と、お身内の方が納得される形が
一番だと思います。
お母様のご冥福をお祈り申し上げます。

昔は、自宅での葬儀が当たり前でしたので、
祭壇の設えから、
お料理まで、全て自分たちでしていたのですよね。
大変だったと思います。

by 青山実花 (2020-05-17 14:35) 

pooh

こんにちは(^_^)
TVで見たことがあります。実家が田舎で昔の風習が残っており、十数年前、父が亡くなった時は自宅で御通夜と葬儀でした。それはもう大変で、映画と同じような面倒な部分も。その後、祖母の際は葬祭場を利用して良かったので、田舎もずい分変わったと思いました。
by pooh (2020-05-18 08:03) 

青山実花

poohさん
コメントありがとうございます。

お葬式は、そうしょっちゅうする事ではないので、
自宅となると、知識も乏しく、
手間取ってしまうのでしょうね。
一度、葬祭場を利用すると、
もう、自宅でするのは嫌になってしまうかもしれませんね。

by 青山実花 (2020-05-18 20:39) 

beny

 伊丹作品は、すべてが名作だと思う。お葬式では、藤原鎌足が縁側に一人座って夕闇にかき消されていくシーンや高瀬さんの豊満でセクシーな体。アボガドも初めて目にし好きになった事。アボガドについては、スーパーで買い求めたとき店員さんにどうやって食べるんですかと聞かれました。
 ミンボーの女と合わせてDVDを買うかレンタルでもう一度見ようかな。
by beny (2020-05-22 10:37) 

裏・市長

え。



これだけ長く、映画ブログをやっておられる
青山実花さんが…、


「マジンガーZ対デビルマン」なんて、
子供向け映画まで制覇している青山実花さんが、


「伊丹十三監督の作品を、
 今まで1本も観た事がない」。



…え~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~、
またまたまた、ボクを担ぐのはよしてください。
そんなことありえません。

だって一時期、伊丹監督とフジテレビが組んで、
テレビでも大々的にプロモーションを
やっていたし、世間的にも話題になっていたし、
それでも観たことがないとおっしゃるなら、
それはもう意図的に伊丹監督作品を
避けていたか、当時、日本に在住していなかったか、
やはりただの与太ブログか、その三択です。

伊丹監督の題材の取り上げ方、
目の付け所がいいんですね。
どれも庶民とどこか接点がある感じがして、
それほど絵空事ではない。

ただ、すごく順調であったのに、
一時期から妙な方向に傾いてしまった感がスゴくて。
舞台挨拶の場でナイフで切りつけられたり、
幾度も命を狙われたあげく、不倫がバレて自殺…。

そんな結末って、ありますか。

これに関しては奥さんの宮本信子さんも、
まったく語っておられない。
語れないなにかが、あるんでしょうか。

回りに人には「墓まで持っていく…」と、
おっしゃられているようです。

伊丹監督は死の直前まで次回作の構想を
練っておられ、とある「宗教」を
題材に選ばれたようです。

その「宗教」というのが…。



…あ。
by 裏・市長 (2020-05-24 02:36) 

青山実花

benyさん
コメントありがとうございます。

伊丹十三監督は、目の付け所が違っていたのでしょうね。
「お葬式」、色々な場面が思い出されます。
1984年ころ、
おそらく私もアボカドは知らなかったと思います。
今では当たり前にスーパーにありますね^^
ぜひ、伊丹監督の作品、再見なさってくださいね。

by 青山実花 (2020-05-31 15:58) 

青山実花

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

い。



いいじゃないですか、別に。


私がどんな映画を観ていようと、
観ていまいと、


全ては私の勝手。
私の人生でございます。



> それはもう意図的に伊丹監督作品を
> 避けていたか、当時、日本に在住していなかったか、
> やはりただの与太ブログか、その三択です。

裏・市長さん、
一つお忘れではないですか。
三択ではなく、四択ですよ。

わたくしは、伊丹十三さんが
「お葬式」を公開なさった年に、
まだこの世にいませんでした。

つまり答えは、
「生 ま れ て い な か っ た」
これでございます。

> だって一時期、伊丹監督とフジテレビが組んで、

裏・市長さん、紀子さまがご結婚なさった時の
エピソードをご存じないのですか?
紀子さまのご実家には、
「テ レ ビ が な か っ た」。

高貴な家は、テレビなどという低俗なものは
家に置かないのでございます。
はい、もちろん、わたくしの家にも、
テレビはありませんでした。
伊丹監督がいかにフジテレビと組もうが、
何の事?プロモーションって何?
てなもんでございます。

伊丹さんの死に関しては、
本当に色々な憶測があることを、
ネットで知りました。
わたくしも、余計な事に口を挟むのは、
やめておきたいと思います。
うちの財産が狙われたら大変ですので。


…う。

by 青山実花 (2020-05-31 15:58) 

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