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「愛染かつら」 [映画]

aizenkatsura.jpg
〔1954年/日本〕


看護師の高石かつ枝(京マチ子)は、
独身であることが条件の津村病院で働いているが、
5歳の娘がいることを、同僚たちに知られ、糾弾される。
しかし、夫と死別していること、
生きていくために働くしかないことなどを
説明すると、
皆が味方になってくれる。


そんなある日、病院長の息子・津村浩三(鶴田浩二)が
博士号を取り、
祝賀会が開かれる。
浩三は、美しいかつ枝に心惹かれ、
求婚する。


浩三は、家が決めた結婚を退けるために、
二人で京都に行こうとかつ枝を誘う。
ところが、旅立つその日、
娘が高熱を出したせいで、
かつ枝は約束の列車に乗れなかった。


それから少ししたころ、
かつ枝の作曲した歌が、
レコード会社で認められ、
かつ枝は歌手としてデビューすることに・・・。





メロドラマだわ。
今の時代では、まず作れない話だ。
ケータイがあったら、成り立たない話だ。
生まれた時からケータイがある、
10代の若者が観たら、
「なんで遅れるって電話しないの?」と
不思議がられてしまいそうだ(笑)。


この映画の大きな擦れ違いは3回。
・かつ枝が、浩三の乗る京都行きの列車に乗り遅れた場面
・浩三を追いかけて京都に行ったかつ枝に、
 浩三の親友が「彼は来ていない」と嘘をついて、
 彼女を追い返した場面
・東京に戻った浩三を偶然街で見かけたかつ枝だけれど、
 浩三が、親友の妹と一緒だった事に誤解する場面


どれもこれも、
2人が密に連絡を取り合っていたら、
裏切られた、なんて思わずに済んだ事ばかり。


まぁ、ケータイがあるから、
便利だからと、
何でもかんでも、良い事ばかりとは言えないけど。
ケータイのおかげで、
しなくてもいい面倒事が増える場合もあるし。


それから、
1938年の田中絹代版でも感じた事だけど、
 ↓
https://aomikamica.blog.ss-blog.jp/2011-03-27

看護師だったかつ枝が、
なぜか歌手になる、というのも、
不思議な展開だなぁと、
面白さ半分、
違和感半分な気持ちで観ていた。


原作者は、
川口浩さまのお父様・川口松太郎さん。
松太郎さんが書かれたものなら、
何でも許す、みたいな気持ちになってしまう私も変だけど(笑)。


この映画、
田中絹代版、
京マチ子版だけかと思っていたら、
他にも、
水戸光子版と、
岡田茉莉子版があることを、今回、知った。


あぁ、観てみたい。
でも、ソフトがないので、
名画座にかかるのを待つしかない。


といっても、昨今のコロナ騒動で、
今は、名画座の存続さえ危ぶまれている。
本当にコロナが憎い。


「風が吹けば桶屋が儲かる」
じゃないけど、
コロナ騒動の収束が、
早ければ早いだけ、
名画座の再開も早まるだろう。


その為にも、今はじっと我慢の時。


評価 ★★★☆☆





この作品で、
京マチ子さんの出演映画、100本中78本を観た事となりました。


(★は観た作品)


 化粧 (1984)
★男はつらいよ 寅次郎純情詩集 (1976)
 妖婆 (1976)
★金環蝕 (1975)
★ある映画監督の生涯 溝口健二の記録 (1975)
★華麗なる一族 (1974)
★玄海遊侠伝 破れかぶれ (1970)
★千羽鶴 (1969)
 小さい逃亡者 (1966)
★沈丁花 (1966)
★他人の顔 (1966)
★甘い汗 (1964)
★現代インチキ物語 ど狸 (1964)
★女系家族 (1963)
★女の一生 (1962)
★仲よし音頭 日本一だよ (1962)
★黒蜥蜴 (1962)
★釈迦 (1961)
 小太刀を使う女 (1961)
★女の勲章 (1961)
★濡れ髪牡丹 (1961)
★婚期 (1961)
★お傳地獄 (1960)
★顔 (1960)
★足にさわった女 (1960)
 三人の顔役 (1960)
★ぼんち (1960)
★流転の王妃 (1960)
★女経 (1960)
★浮草 (1959)
★鍵 (1959)
★次郎長富士 (1959)
★夜の闘魚 (1959)
★女と海賊 (1959)
★細雪 (1959)
★あなたと私の合言葉 さようなら、今日は (1959)
★娘の冒険 (1958)
★夜の素顔 (1958)
★赤線の灯は消えず (1958)
★大阪の女 (1958)
★忠臣蔵 (1958)
★母 (1958)
★悲しみは女だけに (1958)
★有楽町で逢いましょう (1958)
★穴 (1957)
★夜の蝶 (1957)
★地獄花 (1957)
★女の肌 (1957)
★踊子 (1957)
★いとはん物語 (1957)
★スタジオはてんやわんや (1957)
★八月十五夜の茶屋 (1956)
★月形半平太 (1956)
★赤線地帯 (1956)
★虹いくたび (1956)
★新・平家物語 義仲をめぐる三人の女 (1956)
 新女性問答(1955)
★藤十郎の恋 (1955)
★楊貴妃 (1955)
★薔薇いくたびか (1955)
 春の渦巻 (1954)
 馬賊芸者 (1954)
★千姫 (1954)
★浅草の夜 (1954)
★春琴物語 (1954)
★愛染かつら (1954)
★或る女 (1954)
★地獄門 (1953)
★あに・いもうと (1953)
 黒豹 (1953)
★雨月物語 (1953)
 彼女の特ダネ (1952)
★大佛開眼 (1952)
★美女と盗賊 (1952)
★瀧の白糸 (1952)
★長崎の歌は忘れじ (1952)
★浅草紅団 (1952)
★踊る京マチ子 歌う乙羽信子 (1952)
 恋の阿蘭蛇坂(1951)
 情炎の波止場(1951)
 馬喰一代 (1951)
★源氏物語 (1951)
 牝犬 (1951)
★自由学校 (1951)
★偽れる盛装 (1951)
 美貌の海(1950)
 復活(1950)
★火の鳥(1950)
★羅生門 (1950)
★浅草の肌 (1950)
 遙かなり母の国 (1950)
★続蛇姫道中 (1950)
★蛇姫道中 (1949)
 最後に笑う男(1949)
★痴人の愛 (1949)
 三つの真珠 (1949)
★地下街の弾痕 (1949)
★花くらべ狸御殿 (1949)
 天狗倒し(1944)
 団十郎三代 (1944)

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拳客の奥様

「花も嵐も~踏み越えて♪」って主題歌覚えてます。
TV昼メロ☆小学生の頃放送を観てた記憶…(小1位?)
古きドラマの良さで有る「もどかしさ」を楽しむ!
「エエ~」って展開が、当時の人を引きつけたのかなぁ♪

by 拳客の奥様 (2020-05-02 15:08) 

ヤマカゼ

今どきの子は、スマホがあろうが携帯があろうが1、2時間は遅れるの平気見たいですよ。
by ヤマカゼ (2020-05-02 16:43) 

英ちゃん

鶴田浩二さんは、任侠映画のイメージしかないな(゚□゚)
後、歌も歌ってましたね。
by 英ちゃん (2020-05-03 00:02) 

拳客

便利なのは確かですが、連絡が取れないからこそ相手を気遣う事も出来たんですよね。昔駅に有った伝言板が懐かしい。

by 拳客 (2020-05-03 08:43) 

旅爺さん

京まちこの妖艶な色っぽさは多くの男性を惹き付けましたね。
年取った顔だけは見たくない、見ないで済んでます。(^_^;)

by 旅爺さん (2020-05-03 09:15) 

青山実花

拳客の奥様さん
コメントありがとうございます。

「愛染かつら」ってドラマ化もされていたのですね。
観てみたいけど、
ソフトなんてあるわけないですよね^^;

by 青山実花 (2020-05-03 22:52) 

青山実花

ヤマカゼさん
コメントありがとうございます。

それは困った事ですね。
そんなに待てないので帰ってしまいそう^^;

by 青山実花 (2020-05-03 22:53) 

青山実花

英ちゃんさん
コメントありがとうございます。

鶴田浩二さんは、任侠以外にも
沢山の映画に出ているので、
いつか観てほしいです^^

by 青山実花 (2020-05-03 22:53) 

青山実花

拳客さん
コメントありがとうございます。

本当ですね。
何度も待ち合わせの確認をして、
時間にも絶対遅れない事が、
相手への礼儀でしたね。

by 青山実花 (2020-05-03 22:54) 

青山実花

旅爺さんさん
コメントありがとうございます。

京マチ子さんの妖艶さには、
本当に憧れます^^

亡くなる直前まで大変にお綺麗だったようです^^

by 青山実花 (2020-05-03 22:56) 

拳客の奥様

追記
訂正します!幼稚園児の頃でした。ここ重要♪笑
長内美那子さんが主演・デビュー作品だったようです。

by 拳客の奥様 (2020-05-04 09:37) 

あとりえSAKANA

京マチ子さんと言えば、横溝正史の
「犬神家の一族」と「必殺」なんです。
そこそこお歳も召していたと思うけれど
コドモゴコロに魅かれるものがありました。
(今大人になった目で表現すれば、
お美しいだけでなく、かわいらしさも
艶っぽさも、すべてお持ちだったように
思います)憧れのひとでした(^^)
by あとりえSAKANA (2020-05-05 19:30) 

青山実花

拳客の奥様さん
コメントありがとうございます

そういった事はとても重要ですよね^^
by 青山実花 (2020-05-06 16:24) 

青山実花

あとりえSAKANAさん
コメントありがとうございます

ほんと、
京マチ子さんは、
美しく、艶っぽく、
大人の女でありながら、
どこか世間知らずのような、
子供のようなところがあったり、
(イメージですが^^;)
色々な顔を見せてくれる女優さんでしたね。
私には無い物を全て持っておられるようで、
憧れます^^
by 青山実花 (2020-05-06 16:32) 

裏・市長

長年の疑問が氷解いたしました。
本当にありがとうございます!。

幼少のみぎりから、
「愛染かつら」のタイトルの意味が
まったくわかりませんでした。

そのため、どうせ見ても理解できないだろうと、
今まで数々、映像化されてきた
「愛染かつら」シリーズ、すべて無視して
生きてまいりました。

そうでしたか…。
「かつ枝」の「かつ」と、
「津村カースケ」の「ら」ですか!。

夫婦漫才師の物語なのですね。

「どうも~、愛染かつらのかつ枝ですぅ~」。
「まいど~、愛染かつらのムラムラツムラですぅ~」、
「2人あわせて、まんがトリオですぅ~」。
「なんでやねん!」。

ここまでが「ツカミ」なのですね。

お礼にと、我が家で録りためたDVDで、
「愛染かつら」がないかと検索してみたのですが、
出て来るのは愛染恭子さんのDVDばかりでした。

お役に立てず申し訳ありません…。
by 裏・市長 (2020-05-12 00:19) 

青山実花

裏・市長さん
コメントありがとうございます

裏・市長さんが長年お悩みになられていた、
「愛染かつら」の意味がやっとご理解いただけたとの事、
大変に嬉しく思っております。

こんな与太ブログでも、
人様のお役に立てたのかと思うと、
感慨もひとしおでございます。

「愛染かつら」の意味には諸説ございまして、
確かに、「かつ枝」と「津村カースケ」の「ら」を取った、
というのも、その一つでございます。

それから、もう一つの説というのが、
愛染恭子監督、桂木文主演の映画だから、
というのがございます。

桂木文といえば、
「ムー一族」で郷ひろみの相手役として、
可愛い魅力を振りまいておりましたが、
その後、落語家と結婚して、離婚した際、
テレビで、海老名香葉子が、
今では考えられないような桂木文の悪口をほざき、
海老名香葉子の性格の悪さが、
世間に知られ渡った事件でございました。

あの母にして、この子あり。
『ビッグアップル殺人事件』きゃははははは。

by 青山実花 (2020-05-15 20:54) 

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