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「顔」 [映画]

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〔1960年/日本〕


アメリカへの転勤を控えた
田能村耕(池部良)の家に、
病弱な耕の母の世話をするために、
遠縁の娘・衿子(京マチ子)がやって来る。


耕と衿子は、互いに強く惹かれ合うが、
その気持ちを打ち明ける事がないまま、
耕はアメリカへ出立する。


ところが、その後、
耕の母親が亡くなると、
耕の父親は、
衿子を凌辱し、
有無を言わさず、衿子を妻にしてしまう。


数年後。
帰国した耕は、
父の妻となった衿子と同じ家にいる事が耐えられず、
苦しむ。


しかし、ほどなくして、父が死ぬ。
耕と衿子は、
納骨のため、
2人で京都の宿に泊まるが・・・。





おぞましい。


45歳も年下の、
遠縁の娘を手籠めにして、
強引に妻にする爺さん。


自分に全く愛情が無いと分かっている、
孫のような年恰好の女を
妻にして、
一体、何が嬉しいのか。


それでも、昔の女は、
男の言いなりになるしかなかったようで、
京マチ子さん演じる衿子は、
黙って、結婚生活に耐えるばかり。


アメリカに行っていた、
池部良さん演じる耕は、
なぜ、そのような流れになったのか、
経緯までは知らない。
衿子に尋ねても、
ハッキリとは答えない。


昔の女は偉いんだか、奥ゆかしいんだか。
私が衿子だったら、
全部ぶちまけそうだ。
「あなたのお父さんに酷い事をされた」と。


でも、その後、
父親の納骨のために行った京都で、
ついに衿子は、耕に結婚までの経緯を話す。
父親の行状を知らされて、耕は大変な衝撃を受ける。
そりゃそうだ。
立派だと尊敬していた父が、
女を暴行するような下衆野郎だったなんて、
ショックに決まっている。


で、まぁ、そこまでは、
私も衿子に肩入れして観ていたわけだけど、


その後が良くない。


耕と一緒に泊まった旅館で、
衿子は、とっても無神経なのだ。


耕は何とかして、
衿子から、父親の影を拭い去りたいと思っているのに、
衿子は、
会話の中に、父の名前を何度も出す。


やっと、本当に好きになった男と、
一夜を共にするという時に、
その気遣いのなさったら。


なんだかもう、こちらは、
衿子を応援する気も失せた。


評価 ★★★☆☆





この作品で、
京マチ子さんの出演映画、100本中76本を観た事となりました。


(★は観た作品)


 化粧 (1984)
★男はつらいよ 寅次郎純情詩集 (1976)
 妖婆 (1976)
 金環蝕 (1975)
★ある映画監督の生涯 溝口健二の記録 (1975)
★華麗なる一族 (1974)
★玄海遊侠伝 破れかぶれ (1970)
★千羽鶴 (1969)
 小さい逃亡者 (1966)
★沈丁花 (1966)
★他人の顔 (1966)
★甘い汗 (1964)
★現代インチキ物語 ど狸 (1964)
★女系家族 (1963)
★女の一生 (1962)
★仲よし音頭 日本一だよ (1962)
★黒蜥蜴 (1962)
★釈迦 (1961)
 小太刀を使う女 (1961)
★女の勲章 (1961)
★濡れ髪牡丹 (1961)
★婚期 (1961)
★お傳地獄 (1960)
★顔 (1960)
★足にさわった女 (1960)
 三人の顔役 (1960)
★ぼんち (1960)
★流転の王妃 (1960)
★女経 (1960)
★浮草 (1959)
★鍵 (1959)
★次郎長富士 (1959)
★夜の闘魚 (1959)
★女と海賊 (1959)
★細雪 (1959)
★あなたと私の合言葉 さようなら、今日は (1959)
★娘の冒険 (1958)
★夜の素顔 (1958)
★赤線の灯は消えず (1958)
★大阪の女 (1958)
★忠臣蔵 (1958)
★母 (1958)
★悲しみは女だけに (1958)
★有楽町で逢いましょう (1958)
★穴 (1957)
★夜の蝶 (1957)
★地獄花 (1957)
★女の肌 (1957)
★踊子 (1957)
★いとはん物語 (1957)
★スタジオはてんやわんや (1957)
★八月十五夜の茶屋 (1956)
★月形半平太 (1956)
★赤線地帯 (1956)
★虹いくたび (1956)
★新・平家物語 義仲をめぐる三人の女 (1956)
 新女性問答(1955)
★藤十郎の恋 (1955)
★楊貴妃 (1955)
★薔薇いくたびか (1955)
 春の渦巻 (1954)
 馬賊芸者 (1954)
★千姫 (1954)
★浅草の夜 (1954)
★春琴物語 (1954)
 愛染かつら (1954)
★或る女 (1954)
★地獄門 (1953)
★あに・いもうと (1953)
 黒豹 (1953)
★雨月物語 (1953)
 彼女の特ダネ (1952)
★大佛開眼 (1952)
★美女と盗賊 (1952)
★瀧の白糸 (1952)
★長崎の歌は忘れじ (1952)
★浅草紅団 (1952)
★踊る京マチ子 歌う乙羽信子 (1952)
 恋の阿蘭蛇坂(1951)
 情炎の波止場(1951)
 馬喰一代 (1951)
★源氏物語 (1951)
 牝犬 (1951)
★自由学校 (1951)
★偽れる盛装 (1951)
 美貌の海(1950)
 復活(1950)
★火の鳥(1950)
★羅生門 (1950)
★浅草の肌 (1950)
 遙かなり母の国 (1950)
★続蛇姫道中 (1950)
★蛇姫道中 (1949)
 最後に笑う男(1949)
★痴人の愛 (1949)
 三つの真珠 (1949)
★地下街の弾痕 (1949)
★花くらべ狸御殿 (1949)
 天狗倒し(1944)
 団十郎三代 (1944)

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sigedonn

すごい本数ですね。
京マチ子さん好きですなんて気軽に言えませんね。
好きですけど。
by sigedonn (2020-01-28 20:02) 

青山実花

sigedonnさん
コメントありがとうございます。

いえいえ、私など、
全然大したことはないのです。
大映の女優さんが好きなので、
特に選んで観ているというだけで。

京マチ子さんを好きな気持ちは、
sigedonnさんと同じです^^
by 青山実花 (2020-01-28 23:21) 

裏・市長

よっ…45歳差っ?!。
犯罪どころやないやろ?!。
というか、周りも誰一人不審に思わないのか?。
今、この年の差で後妻に入ったら、
財産目当てだ、後妻業だ、大竹しのぶだと、
親戚一同大騒ぎになるぞ。

今のところボクの知る限り、
周りでの年の差婚は20歳そこそこやな。
まぁ、すぐ別れたけど。
旦那が人の財布くすねて現行犯で逮捕されて、
新聞に載ったもんなぁ。

逮捕されても手癖の悪さというのは、
治らないものである。ことある事に、
人の家の前に置いてある物を、
「落ちていた」と持ち帰ってきたり
騒ぎを起こし続けていた。

まったくなにがよくて入籍したのだろう…。

…ハッ!この夫婦も無理やり手籠めに…。
しかし旦那は身長150cmほどで、
嫁はんは体重82キロぐらいの夫婦だった。
どちらかと言えば、手籠めにされるというより、
するほうかも知れない…。

しかし「顔」も「地下街の弾痕」も
見てしまったのか…。
来月から放送されるから、ここはひとつ
お知らせして、ボクが代わりに見て自慢して
やろうと思ったのに…。

100本中、残り23本か…。
完走するまでの道のりはもう「ライフワーク」やな。

by 裏・市長 (2020-02-06 01:18) 

青山実花

裏・市長さん
コメントありがとうございます。

さすがは裏・市長さん、
目の付け所がシャープですわね。

この、キモ爺さんと京マチ子さんの結婚、
あの、船越英二さんが、
すぐに不審に思って、
京さんにお尋ねになるんですの。
「あんなキモ爺さんと結婚て、何かあったんですか?」って。

でも、昔の女は、
わたくしのように慎ましやかでございましょう?
一度関係してしまった以上、
自分はこの爺と結婚する運命なのだと、
京さんは、諦めてしまわれるのでございます。

それにしても、
船越英二さんは、
人の結婚に対しては先見の明をお持ちのようですわね。
なにせ、息子の船越英一郎さんの結婚には
猛反対だったというのは有名な話でござます。

でも、何度も言いますが、
わたくし、松居一代さんって、
何か嫌いになれないのでございます。

彼女は変な人だけど、悪意はありません。
どこかトンチンカンで、おかしいだけなんです。
人をいじめたり、
嫌がらせコメントを残すなど、
そういった嫌な事はしません。

小柄なオッサンと、巨漢の妻ですか。
2人が重なる絵は、
例えるなら、
鏡餅と、上に乗せた蜜柑みたいなものでしょうか。

by 青山実花 (2020-02-06 11:10) 

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